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自由!リバティマジック!  作者: 神崎きのこ
ウィグズリー侯爵邸へのカチコミ編
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王国騎士団からの逃走劇!!

名前だけたまーに出てた王国騎士団、ついに登場!

第六十三章


『王国騎士団だ!!この屋敷は包囲されている!!国に仇なす悪党共よ!!その首を我らに差し出せ!!』


「おっ、王国騎士団?!」

ノイは勢いよく立ち上がった。アニーの旅行鞄を持ち上げてすぐ動ける体制に入る。

「…ここの屋敷で働いてる誰かが通報したのかな…急いで逃げないと。」

 ディケは冷静に、ローブのフードを深く被り直した。


「みんな、王国騎士団に捕まるわけにはいかないんだ。ここは、全力で逃げる。それで…良いかな?」

 ディケはリバティマジックのメンバーたちを見た。その表情は、不安気だ。


「逃げましょう。ディケが決めたのなら。」

「何もしてない…とは言えませんものね。門も破壊してしまいましたし…」

「殺人未遂も犯し、ました…」

「…自分は、捕まるのは、自分の為にも避けたいな。顔も見られるのは…」

四人は様々な思惑を抱え、ディケに賛同し、立ち上がった。


「では、ゾーシはこのマントをどうぞ。あ、でもそういえば、私も法律を破っていました…」

ノイはマントをゾーシに手渡したものの、ガックリと肩を落とした。

「え…眼鏡さん、何したんだ…?」

「年齢を偽って…働いてますね…」


「なんだそんなことか。自分は、何人か殺した。」

「はいゾーシ、今すぐ逃げましょう!!三人以上殺していれば、死刑ですよ!!」

ノイは急いでゾーシにマントを着せてフードを被らせる。



「行くよ、みんな!!王国騎士団から、全力で逃げろー!!!攻撃は、マスターの名において許可しますっ!!後で宿屋に集合ね!!」

 ディケの掛け声で、みんな一斉に散らばった。



「ノイ、ぼくたちは表門に行って少しの間だけ、他のみんなが逃げやすいように囮になろう。はい。これ使って。」

 ディケは製造魔法を使うと、大きなローブを作ってノイに手渡した。

「了解しました。私達はリバティマジックのマスターとサブマスターですからね。」

「さ、戦闘の準備は良い?」

「ええ。行きましょうか。」

ディケとノイは色とりどりの薔薇が植えられている庭園の中を静かに歩き始めた。男達の声が段々と近づいてくる。


「さっき、小さな娘が駆けていかなかったか?!」

「小さな娘?屋敷で働いている者の子供か何かだろう。気にするな。」

「あぁ…」

シェラペティーのことだ。小さい体が役に立った。


「なぁ、今の見たか?!すっごい美人だったよな?!長くて白い髪!!ここで働いてるメイドさんかなぁ…また会いにきちゃおうかな…」

「何言ってんだよ。仕事が先だろ。黙れ。」

「これだから堅物はヨォ……へいへい…」

これはアナクティシー。メイドだと思われた様だ。


「ぎゃああああああっ!!!!」

「やられた!!やられた!!俺の目がっ!!」

「だっ、大丈夫かっ?!すぐに救急班の所に!!」

「ただ引っ掻かれただけだろ!大袈裟に騒ぐな!」

「いや狼っすよ?!無理無理!死ぬ!俺死んじゃう!!」

「俺も〜!!腕に爪が刺さったんですよ?!」

ゾーシと兄妹達は難なく騎士団員達を返り討ちにしている様だ。


「少し気を引くぐらいで、大丈夫そうだね。あ、ここでキャンプファイヤーしちゃう?」

ディケの意地の悪い笑みに、ノイは冷や汗を流したが、頷いた。彼女は信じる価値がある。


「それじゃ、ちょっと離れててね、フィオフレーム!この庭園ごと、燃やしちゃえ〜!!」

「えっ、ちょっ、ディケ?!」

 ノイは慌ててディケに駆け寄ろうとしたが、ボワっと熱気がたち、後退せざるおえなかった。

 薔薇や他の草木に炎が燃え移り、どんどんと広がって行く。


「さっ、ノイ、逃げよっ!!」

「え、ええっと、エンチャント!この一帯の風の威力増加の付与!!」

 ノイは走りながら頭の中で素早く術式を組み上げ、唱えた。風が急に強くなり、炎の勢いも増す。


「なっ、なんだ?!」

「わ〜!キャンプファイヤーだ〜!」

「やべー!!こいつ痛みで頭がどうかしちまったみてぇだぞ!!」

「いますぐ救急班に連れてけ!!」

「とりあえず、残りの奴らはあのキャンプファイヤーを目指すぞ!」

「え、キャンプファイヤー決定なん…?」

白いベースに赤い紋章が入った鎧に身を包んだ王国騎士団は、ディケの作ったキャンプファイヤーに向かって走り出した。


「炎の柱…?」

「あら?どうかしたの?オーギュスト?」

「…行こう、アンディ。」

「ん〜?一体どうしたって言うのよぉ〜!!」

白馬に乗った青年と、黒い馬にまたがってその後を追いかける大柄な人物は、炎の柱に向かって行く。

 前から、ローブを身に纏った子供と、細身の男が走ってくる。

「止まれ!!」

青年は馬上からローブの二人組に言い放つ。だが、二人は止まらない。

「止まれと言っている!!騎士団長の名において、お前達に逮捕状を出すぞ!」

そう、青年は王国騎士団団長、オーガスタス・ルースターだった。


走ることこそはやめなかったが、フードから片目を覗かせた少女のオレンジ色の瞳を見て、オーガスタスは叫んだ。

「ディケ?!」

「あっ、兄貴…っ…」

「「兄貴っ?!」」

ノイと大柄な人物の声が重なった。


「ちょ、ディケ、お兄さんがいたんですか?!」

「そうよ!オーガスタス!あなた、妹がいるなんて一度も言ってなかったじゃない!!っていうか、ディケって、お…」

「フィオフレーム!!ごめんなさいアンディ姐さん!!」

ディケはノイをぐいっと引っ張ると大柄な人物に火炎を投げつけて全速力で走り出した。

「逃げるよ!!早くっ!!」

「えっ、あっ、はい!!」


「待てっ!!ディケ!!待てっ!!」

「いやーん!!肌のケア、念入りにしてきたのにぃ〜!!」


 二人の声を尻目に、ディケとノイは壊れた、もとい破壊された門を通り抜け、立ちはだかってきた騎士団のメンバー達を返り討ちにして宿屋へと帰った。


ディケの兄は王国騎士団団長?!さぁさぁいよいよディケの身元の迫真に迫ってきましたね…と、言いたいところですが、次のヒントはまだまだ先になりそうです…ははは。

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