みんなかわいっ。侯爵の名前を忘れている今日この頃。
今回は、なんかこう、ちゃんとしてます。あれ待って。変なの書きすぎて、頭バグってるかも。このシリーズって、全部ちゃんとしてたよね?日記のせいだ!幸せの未来まで。のせいだ!!おかしい!!
第五十四章
「こっ、これは何事だっ…」
用事で少しの間邸宅を離れていたウィグズリー侯爵は、帰ってくるなりその言葉を発した。
「侯爵様!?ルドルフ様の、お戻りだ!!出迎えを…」
「そんな事はいいっ!!これは何事かと聞いているんだ!!」
「…」
召使い達は揃って口を閉ざした。騎士達を含めた男の何人かは負傷までしている。
「おっ、恐れながら…」
最初に口を開いたのは、ルドルフに長く仕えている老執事だった。
「牢から逃げられました…捕らえていた男に…」
「なんだとっ?!魔力封じの鎖で繋いでいたのではなかったのか?!」
侯爵は老執事を凄い剣幕で怒鳴りつけた。
「いっ、いえ、それが、聖の魔力で溶かされてしまった様で…」
侯爵の顔は怒りでみるみるうちに赤くなった。
「探せ!!捕まえて、首を刎ねろ!!」
叫んだ侯爵の前に、五人の影が現れた。
「別に、この屋敷から逃げたとは言ってませんよ。」
「よぉおし!!こっからが本番だね!」
「お二人のウォーミングアップが済んだようで、何よりですわ。」
「アニーも私も、魔力ちょっと使っちゃったけど、まだまだたっくさんあり、ます!!」
「ルドルフ・ウィグズリー…次はその左目だけじゃ済まない。」
「ゾーシ…っ」
侯爵は目を見開いた。
「はっはっは。なるほど、そうか!これはお前の仲間か!そうかそうか!はっはっは。」
侯爵は突然笑い出した。そして、急にその声が止まったと思うと、
「なら、全て壊してしまおう。」
と、冷たい目をリバティマジックに向けた。
「させない。お前は今日、ここで殺す!!」
「やれるものならなっ!!私もお前のお仲間を殺す!!」
ルドルフとゾーシは同時に走り出した。
「召喚魔法!!」
ゾーシは唱えると、一瞬で宙に複数の魔法陣が現れ、鳥たちがルドルフに向かって飛び出していく。
「魔法はもう古いっ!!」
ルドルフは銃を取り出すと、その銃口をゾーシに向けた。ゾーシはそれを見ると、乱暴に長い前髪をかきあげ、その白黒、対の瞳でルドルフを睨みつけた。
「なんだ?お前は召喚魔法、私はピストル。お互い、使える物を使っているだけじゃないか。お前がその魔法を習得するのに時間を費やした様に、私はこの銃を手に入れるため、大金を費やしたんだ。」
ルドルフは微笑した。
「国の税金でしょ!!」
ディケが口を挟んだが、ルドルフはディケの方を見ようともしなかった。
「なっ!!なんなの、あの人!!なんか今、ゾーシと侯爵の一騎討ちみたいになってるけど、空気読まないで、ぼくも参加しちゃって良い?!」
ディケが憤慨した様に言ったので、ノイとアニーが慌ててディケを宥めにかかる。
「くっ、空気読まなきゃいけないって分かってたんですね、ディケ!その調子です。そのまま、ゾーシの見守りましょう!」
「そっ、そうですわよ!銃なんて使われても、ゾーシさんなら絶対に勝てますわ!わたくし達は、静かに待ちましょう?あぁ、そうだ、馬車に美味しい紅茶の葉が入った鞄を置いてきたのですけど、お飲みになります?」
「えっ、良いかも!じゃあ、ぼくが温めるね!」
「わたしカップ持って、きます!」
ふわふわとはしゃぎ出した少女達に、その場にいた男達は固まる。
「っ!!お前達が勝手に突っ立っているだけだ!!こちらには関係無い!!」
ルドルフは銃を、今度はディケ達の方へ向けた。
「なっ!なんて人ですか!!」
ノイが叫ぶと同時に、8時を告げる鐘がなり響いた。
「あ。」
ノイは鐘を見て呟いた。
「はっはっは!!なんというタイミングだ!!さぁ、ノイ、選べ!!私の下に付くか、今ここで私に撃たれて死ぬか!!」
ルドルフはピストルの銃口をノイに向けた。ノイの動きは止まり、他のギルドメンバー達もノイとルドルフを静かに見つめる。
「…私、ノイ・モーシアは…」
皆息を呑んで、ノイの言葉の続きを待つ。
「自身の目標を達成するまで、リバティマジックのサブマスターとして、生きて行きます!」
ノイは声を張り上げて叫んだ。彼は確かに言ったのだ。生きて行くと。ノイは、ルドルフから言い渡された二つの選択を、どちらも選んではいなかった。
ノイくんいっけー!!てかみんなかわいっ。侯爵の名前を忘れている今日この頃。
〇〇侯爵くんが示した二つの選択↓↓
生涯を見せ物として過ごす(賭博闘技場に送られてファイターとして賭けの対象となる)か、下に付いて有意義に過ごす(侯爵の部下となり、馬車馬の様に彼の為だけに付与術を使う)か。




