突撃開始!!馬車に揺られてゴワーと叫べ!!
シェラいと尊きかな…
第五十二章
「さぁっ!!乗り込む!!準備は良いかぁ?!」
「うぉう!ディケさん、海賊みたい、です!!」
「ゾーシさんが、まだいらっしゃってないみたいですけれど…」
リバティマジックの女子メンバーは宿屋の正面で一連の会話を繰り広げていた。シェラの手には、檻の中の子ウサギがある。
「えっ、ゾーシがいないと、どこに行ったら良いのか分かんないよっ!?」
「えっ、そんな!!ノイさん、死んじゃう…!!」
「シェ、シェラ、そんな物騒なこと言わないで!そのモーシアさんを、今から助けに行くんでしょう?」
「…待たせた…」
「ゾーシくん!」
シェラがぽてぽてとゾーシに駆け寄る。照れ隠しか、ゾーシはシェラから目を逸らした。
「みんなお腹いっぱい?魔力も大丈夫?準備OK?」
「うん!」
「ええ。」
「…ん。」
3人はうなずき、ディケは誇らしげに胸を張った。
「さぁ、サブマスター、ノイ・モーシア救出作戦開始だー!!ってことでゾーシ、道案内お願い!さぁ、元気よく歩くぞー!!」
「…馬車に乗った方が早い。」
「え?」
そんなこんなで、ノイ・モーシアを除くリバティマジックの面々は、馬車に揺られてウィグズリー侯爵邸へと向かっていた。
「なんか、楽してる感が否めないよ…」
ディケは苦笑いを浮かべる。
「でっ、ですが、早ければ早いだけ良いですわよ!ノイさんの救出は、時間との戦いでもありますから!」
「えっ、でも、救出って、こう、ドバーって走って、バーンって門の前に立って、ゴワーって叫び、ます、よね?」
「ぐふっ…」
アニーはディケを慰めようとしたが、シェラの天然発言によりディケの精神はさらに抉られた。
「なっ、なんなの?!その、ドバーとか、ゴワーって言うのは!」
「ドバーって走って、バーンって登場して、ゴワーって叫ぶ、んです!!」
「いや全く分からないわ!!」
「自分も……」
「えっ?ぼくはシェラの言いたいこと、分かるけどなぁ。ドガーンって来て、ゴバーンって言う!!」
「…」
アニーの脳内では、こんな疑問が渦巻いていた。
ーモーシアさんは…何と言っているのか分かるのかしら…
「…もうすぐ着く…ほら…」
ゾーシは突然そう言うと馬車の窓の外を指差した。その方向には、大きな邸宅が聳え立っている。
「わっ、私たちの家より大きい、です…!?」
「身分の差、と言うより、貧富の差でしょうね…お父様達は、よく領民の方々を招いて豪華なご馳走と共にパーティーを開いていましたから。」
「おぉ!!パラディゾ侯爵家凄い!!」
「わっ、わたくしは何もしていませんから。」
「アニー照れて、ます〜」
「っ!!シェラっ!!」
「あははっ」
楽しそうに会話する3人の少女達は、今から悪の侯爵にの屋敷に乗り込み、宣戦布告をする様には見えなかった。
だが、するのだ。四人は顔を引き締めて、ウィグズリー侯爵邸の前に降り立った。
イエーい凸開始ー!!




