眠い…
眠い…
第四十五章
「ディケー!!ディケー!!もう遅いですよ、今日は一旦休みましょう!ディケー!!」
ノイはナスビを片手に森の中を歩き回り、ディケを探していた。因みに、このナスビとは、
『Navigation super box』のことであって、決っしてノイは野菜のナスビを片手で持って歩いていた訳ではない。
「おかしいですね…こんなに探しているのに、返事もない…」
ノイの懸念は段々と強くなっていった。だが、足は休めず、ディケの名前を呼び続ける。
「ディケー!ディケー!!」
「ガサガサッ」
「ディケ!?」
後ろの茂みが揺れる音が聞こえ、ノイは瞬時に振り返った。
「ぷぅぷぅ?」
「なっ、ウ、ウサギ…?」
茂みから出てきた白い影の正体は、一匹の兎だった。密猟団に捕まっていた子ウサギよりも、ひとまわりサイズは大きい。
「もっ、もしかして、あのウサギのお母様ですか?!」
ノイは急いでしゃがみ、ウサギの目を覗き込む。綺麗な赤色、ステラギ色だ。
「ぷーぷー!」
白ウサギは可愛らしく鳴くと、ノイの膝にちょこんと飛び乗った。
「い、意外と人懐っこいですね…だから、密猟団に捕まってしまったのでしょうか…」
ノイはそんなことを思い、ウサギの背を優しく撫でた。
「ウサギさん、私、今人探しをしているのですが、お力をお貸しいただけませんかね?…なんて、ウサギに言っても意味はないのかもしれないですけど…」
ノイは一人で呟き、頭をかいた。ウサギを地面に降ろそうと、ウサギに手を伸ばした瞬間、ウサギが自らノイの膝から飛び降りた。
「キーッ!!」
白ウサギは先ほどまでとは違い、少し荒ぶった声で鳴いた。その瞳は、真っ直ぐノイを見据えている。
「ぶーっ!!」
そう声をあげると、ウサギは走り出した。
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!!」
ノイは無意識の内に、駆け出していた。ウサギの後を追う。ウサギの方も、ノイの姿がちゃんとあるか、時々後ろを振り返る。
ウサギは、どこに向かっているのか。先ほどの一連の出来事を、ウサギは目撃していたのだろう。しばらく走って見えてきたのは、森の奥深くに造られた、賭博闘技場だった。
眠い…




