悪の侯爵登場!ディケ大ピンチ?!
なんか…The Young Magic Fightersと私の日記。幸せな未来まで。を投稿してからこれを投稿すると、頭がお笑い脳になっちゃって、このお話も変な風に感じちゃうんですけど…(汗)
第三十九章
「ゾーシ!!ゾーシ?!」
ディケは森の中をゾーシを探して走り回っていた。
「ゾーシ!!」
「…ゾーシ?」
突然、茂みの中から中年の男が現れた。髪には、数本白髪が混じっており、その服装はどこかの貴族の様だ。だが、一番印象的だったのは、獣の爪の様なものに切り裂かれた、彼の左目だった。
「ゾ、ゾーシを知ってるんですか…?」
ディケはいつでも戦闘態勢に入れる様、身構えた。こんな遅い時間に、貴族の男が護衛も付けず、森の中を歩いているのはどう考えてもおかしい。
「君こそ、私のゾーシと知り合いとはね。君の様な小さい女の子が、どうして森の中を私の息子の名を呼びながら彷徨っているんだい?」
「息子…っ?!」
「そうだよ。ゾーシ・ウィグズリーは私の息子だ。この、ルドルフ・ウィグズリーのね。」
ールドルフ・ウィグズリー…侯爵か…この辺りを修めてる領主だっけ…
ディケは近づいてくるウィグズリー侯爵から距離をとる為、数歩後ろに下がった。
「ってことは、ゾーシは貴族の子息だった、ってことですか…?」
「ん、そうだね。君とゾーシの身分の違いに驚いたのかな?」
ウィグズリー侯爵は自身の言葉に悪びれもせず、微笑んだ。
「身分の違い…まぁ、驚いたのは確かですけど…じゃあもう一つ驚いたことを尋ねさせてもらいますね。なんで、偉い人が夜にこんな森の中を彷徨ってるんです?しかも、一人で。」
ディケの質問に、侯爵は気分を害したようで、あからさまに顔を顰めた。
「生意気な小娘だ。お前も私の商売道具にしてろうか?」
「あれ?それが本性ですか?お偉い侯爵様?」
ディケはわざと挑発してウィグズリー侯爵を煽る。不敵な笑みも忘れない。
「こっの平民風情がっ!!!」
侯爵はディケの挑発に激怒し、ドスドスと足を踏み鳴らしてディケに向かってきた。ディケは戦闘態勢を崩さず、手のひらに炎を宿す。
「!お前、魔法を使うのか。それは尚更良い。良い見せ物になるだろう。」
ーなんでこんなに余裕そうなんだ…?ぼくがこうして応戦する意を見せてるのに…
ディケは自分の手にゆらゆらと宿っている赤い炎を見つめた。
「はっはっは!なんでこんなに私が余裕を持っているのかと考えているのか?」
「えっ!!なんで分かったの!?って、緩くなっちゃダメだ!!」
「そりゃあ分かるさ。動揺している。」
「動揺…?」
ウィグズリー侯爵の言葉に、ディケは驚く。因みに、ディケはディケの変な自問自答を完全無視した侯爵の態度にではなく、動揺しているのが分かる、という言葉の方に驚いている。
「あぁ。微々ではあるが、動揺している。だが、揺るぎない自分の魔法への自信も見てとれるな。」
「み、見てとれるって、どういうこと…?」
「はっはっは、実はね、私も魔法を使えるのだよ。この魔法の秘密は…」
「秘密は…?」
「明かすわけがないだろう?!やはり平民は愚鈍だ!!」
侯爵の高笑いに、ディケは彼女のオレンジ色の瞳を鋭くする。
「とにかくだ。お前には私の道具になってもらう。」
ルドルフ・ウィグズリーはディケに向かって真っ直ぐと手を伸ばした。
ディケ、大ピンチ!!!許さぬ悪の侯爵め!!!




