アニーとノイ、年長組の絆の深まり
年長組、仲良しこよしで微笑ましか。
第三十章
「?マリオン様?」
「僕は、妹の兄。」
「え、えぇ、マリオン様はマリオネット様のお兄様、です。」
アニーは戸惑いながらもこう返した。
「でも、マリオネットの方が優秀。」
「え、そ、そうなんですか?!」
マリオンは先程の彼の妹と同じ様に、静かに目を閉じた。
「生まれた時、魔力量がマリオネットの方が高かった。マリオネットと僕は、双子だ。僕の方が、13時間早く生まれた。」
「じゅ、じゅうさん時間…結構長いですね…?」
「だけど、マリオネットは何をするにも僕と同じスピードでやり遂げた。だから僕たちはどちらの方が凄い、などと比較されたりはしない。どちらも同じだから。一人の人間の様に。僕らは二人で一人。」
「そ、そ、それは、凄いことですね…?」
「でも、全く同じなら、13時間早く生まれた僕のハンデはどうなってる?そのハンデを物ともしないで僕と並んでいるマリオネットは僕よりも優秀だよ。」
マリオンはそこまで言うと目を開いた。
「…」
「…」
二人の間に沈黙が流れる。
「た、確かに…」
先に口を開いたのはアニーだった。思いついたことを、とりあえず言ってみた。だが、言った後で後悔した。
ーな、何が確かに?!
アニーは混乱し始め、辺りをぐるぐると回り始めた。小さな少女が頭を抱えトテトテと歩くその様子を、しばらくマリオンは黙って見ていた。だが、アニーがもう60回以上は回ったかと思われた時、マリオンは
「ふっ」
っと、息を吐いた。そして、
「ふふっ、あはははははははっ!!そう、マリオネットの方が僕より優秀だ。でも、だから何だ?確かに僕が兄かもしれない、だが、僕達は二人で一緒にいる。いつも。僕達は…」
マリオンがそこまで言いかけた時、マリオネットが現れた。
「私達は。」
マリオンは静かに微笑んだ。
「「共にあるから強い。」」
「どうして忘れていたんでしょうか。あの時、動かされたわたくしの心を。あの気持ちを。わたくしは、マリオ兄妹の教えを、きちんと受け継げていなかった…」
「…貴女は、立派です。どんな志があろうとも、自分の意思で決断し、人を助ける貴女を私は尊敬します。アニー。」
ノイの言葉に、アニーは静かに微笑んだ。あの時、神殿の裏庭で、アニーの恩師、マリオンが見せたのと同じ、優しい微笑みで。
いやぁ…微笑ましいですねぇ…絆が、しっかり深まった気がしますね。




