マリオ兄妹、万能の回復魔道士の弱点
万能ギルド、バーサティルのメンバーがようやくちゃんと登場しましたね!それでは、どうぞ!!
第二十九章
「これが、回復魔法?生で見るのは、初めてです!すごい!!魔法みたい!!」
アニーは膝に兎を抱えた男女を見て、目を輝かせた。
「「魔法。」」
マリオ兄妹のその一言に、アニーは頬を赤らめた。
「あ、そうでした…!!でも、ほんとに、現実に起こってるのが不思議!ほら、さっきの怪我も、綺麗に治ってる!」
アニーが指さしたのは、子兎の片足だった。今はその跡も見えないが、マリオ兄妹が手をかざす前、そこには切り傷があったのだ。
「天流回復魔法。」
「祖先の魔法。」
「祖先って、マリオ様のことですか?」
兄妹は黙って頷いた。
あの日の出来事から、アニーは神殿に通うようになった。母を急かして毎日の様にマリオ兄妹に会いに来て、言葉を交わすのだ。
「兎さん、もう大丈夫!今度からは、気をつけるんですよ。」
アニーは子兎の頭をそっと撫でた。先程、子兎が神殿の周りの柵の前で動けなくなっていたのを、アニーがマリオ兄妹の元へ連れて来たのだ。
あの日出会った不思議な男女は、アニーの母親の従兄弟にあたり、マリオの血を濃く引いているらしい。兄の名はマリオン、妹はマリオネットという。
「お二人は、生まれつき回復魔法の才能があったのですか?」
アニーは、少し気になっていたことを聞いた。自分には才能がないのが分かっていたからだ。もし二人が努力だけでここまで来たのなら、自分にだって同じことが出来るはずと思った。
「「…あった。」」
マリオ兄妹は静かに答えた。今までとは違い、何かを案じている様な言い方だった。
ーそっか…やっぱり、才能に勝てるものはないのかな…
落ち込んで黙ってしまったアニーを、マリオ兄妹は心配そうに見ていた。
「嘘は付けない。」
「生まれつき才能がない者はいない。」
「誰しも弱点はある。」
「僕達の弱点は…」
マリオ兄妹はお互いを見て、決意をした様に頷いた。そして、深刻そうな顔つきで、言った。
「「運動が出来ない。」」
「え?」
アニーは目を丸くして聞き返した。
「私達は…」
「生まれつき…」
「魔力はあっても…」
「体力がない。」
二人の言葉に、アニーは思わず吹き出した。マリオ兄妹はそれを見て、心底驚いた様な顔をした。二人の表情に、アニーは再び笑いだしてしまった。
「じゃ、弱点って、それですか?運動ができないって、魔力はあっても体力がないって…ふふっ、なんか、語呂良いですね!!」
「「語呂…」」
マリオ兄妹は同時に呟いた。いつもなら、ここからマリオネットが口を開き、交互に単調な会話が始まるのだが…今回は違った。マリオンが先に口を開いたのだ。
「マリオネット、アニーと話がある。」
マリオネットは一瞬だけ目を見開いたが、静かにその目を閉じて、子兎を抱えてどこかへ歩いていった。
万能ギルド、バーサティルのメンバーがようやくちゃんと登場しましたね!アニーの親戚兼先生のマリオ兄弟…創造神マリオとは一体何者なのか、それはまた今度…さて、マリオ兄、何を伝えたいのでしょう…?




