おーのー!!犯罪者が増えました。
新章でーす。シェラちゃんとアニーちゃんが仲間になりました〜。(犯罪者も増えました〜。)
第十九章
「重い…です…」
「…この荷物を用意したのはあなたですわよ。」
「だって全部必要だと、思って…」
「こんな鞄、わたくしはとても二つも持てないわ。自分で頑張りなさい。」
「でも、アニー…」
シェラペティーとアナクティシーがそんな会話を繰り返しながら歩くその少し前を、ディケとノイは小声で話しながら歩いていた。
「大変そう…だね。」
「できればお手伝いしたいのですが…本当に申し訳ありません…」
そう言って両手で顔を覆ったノイは、ディケに抱えられていた。
「…ちょっと、面倒くさいメンバーを入れちゃったかも…」
ディケは困り顔で空を仰いだ。
話は数時間前に遡る。
ディケはシェラペティーの、ノイはアナクティシーの旅行鞄を持ってパラディゾの領地を歩いていた。後ろから誰かが駆け寄ってくる。
「名乗るのが遅くなり、申し訳ありません。わたくしはアナクティシー・パラディゾ。リカヴァー・パラディゾの長女です。少し長いので…もし、宜しかったら妹と同様に、アニーと呼んで下さいませ。不束者ですが、どうぞよろしくお願いしますわ。」
そう言って頭を下げたのは、白髪に藤色の瞳の少女、アニーだった。彼女の背は一般的な女性よりも高く、シェラペティーと並ぶとその長身が目立つ。
「わたしはシェラ。あの、回復魔法が、得意、です!なんでも任せて、下さい!」
妹のシェラも姉の後を追って駆けてくる。
「そんな事言って。あなたの力だけでは及ばない事は沢山ありますのよ。」
「むぅ!そんな事ない、です!!わたしはアニーよりも、魔法上手いもん!!」
「なっ?!そ、それは生まれつきの才能にかぎってでしょう!あなたは自分の能力を過信し過ぎですのよ!」
「そんなことないっ!!もうっ、アニーのバカッ!!」
「バ、バカ?!なんて言葉を!!それでもパラディゾ家の令嬢なんですの?!」
「パラディゾとか、れいじょーとか、アニーはそればっかりでうるさいよ!!」
「なんですって?!自分の家でしょう?!もっとマリオの一族だという誇りをっ…!!」
アニーとシェラの言い合いはヒートアップして行き、とうとうディケとノイが止めに入った。
「ちょ、ちょっと二人とも止めなよ。」
「そうですよ。ここは大通りですし、馬車も通ります、危険で…」
そうノイが言いかけた瞬間、馬の蹄と車輪の音が聞こえて来た。
「!!ほら、危ないですから、もっと端に寄りましょう。」
ノイはそう言ってシェラに手を伸ばした。その瞬間…
「触らないで!!今、アニーに私の凄さをっ…」
シェラがノイの体を強く突き飛ばした。
「ヒヒーンッ!!」
馬の大きな声と、ドンッと鈍い音が聞こえた。沈黙が流れる。
「ノノノノノノノノノノイッ?!だ、大丈夫?!いや、大丈夫じゃないよね!!うわっ、なんか骨出てない…?」
ディケが慌ててノイに駆け寄って喋りかける。
「どどどどどどどどどどどどどうしましょう!!シェ、シェラ、あなた、人を、殺っ…」
アニーが青ざめてシェラを見る。
「…」
「シェ、シェラ?聞いていますの?」
「シェラ、どうしたの?!」
アニーとディケが黙ったままのシェラの顔を覗き込むと、立ったまま気を失っている様で白目を向いていた。
「「あーっ!!!!!!!!!」」
二人の叫び声は、パラディゾ領地の彼方まで響き渡ったのだった。
シェラとアニーの鞄の中身を紹介させていただきます。ちなみに、詰めたのはシェラです。姉の部屋にあった物を、本当にテキトーに詰めてきました。机の上や、ベッドの上にあったもの。
アニー(姉・白髪のストレートロング)
二、三冊の本(辞書も含む)。替えの靴、服、その他諸々の身に付けるもの。筆記用具、日記帳。父が持たせてくれたコンパス、懐中時計。札束の入った財布。包帯、絆創膏、湿布などの救急セット。手鏡。藤色の猫のぬいぐるみ。
シェラ(妹・白髪のふわふわロング)
大量の本(漫画、雑誌も含む)。替えの靴、服、その他諸々の身に付けるもの。色鉛筆、スケッチブック。母親が持たせてくれたクッキー。くし、リンス&シャンプー。家族写真。桃色の兎のぬいぐるみ。




