クレヴァー、なんでこんなことしたんだよいッ!!
トントンと鳴り響いた。ノックの音は初めてで。緊張、なんて物じゃ、足りないくらいで。
第十一章
ー今、何が…?
ノイは地面に落ちた鳥達を見つめて立ち尽くしていた。
「ディケ、大丈夫ですか…?」
ノイは隣で辛そうに息をしているディケを見た。
「はぁ、はぁ、う、うん…ちょっと、息が…ふぅ…それに、すっごく暑い…」
「火炎魔法の使いすぎでしょうか…?強い魔法を使えば使うほど、反動も大きくなると言いますし…」
「そうかも…はぁ、はぁ…でも、鳥が可哀想だな…な、なんでぼくたちを襲ったんだろう…?」
「…先ほど、大きな影が彼方に飛んで行く姿が見えました。あれは、クレヴァーだったのではないかと…」
「ク、クレヴァーが?」
「はい。店のガラスを破壊した鳥、それもクレヴァーだと思います。」
「でも、何で…っ」
その瞬間、ディケは地面に崩れ落ちた。
「ディケ?!」
ノイは慌ててディケに駆け寄り、その額に触れた。ノイはその温度に驚き、叫んだ。
「熱いっ!!ディケ、貴女、熱を出してます!!すぐに病院に行かないと…」
「ま、待って…病院は、駄目…」
「何故ですか?!急がないと!!高熱です!下手をすると死んでしまう…!!」
「病院には…登録が…ぼくの身元は、明かせないっ…」
ディケは苦しそうにしながらもノイに訴えた。
「しかしっ…わ、わかりました…」
ノイはディケの必死な様子に渋々首を縦に振り、ディケを背負って歩き出した。
ーエンチャントの付与術では他人の病気や怪我は治せない…誰か、回復魔法を使える人を探さなくては…また、探し人が増えたな…
ノイが何気に後ろを振り返ると、頭上から煤竹色*の美しい羽が落ちてきた。
ー羽…?この色…
空を仰ぐと、一羽の大きな鳥が空を優雅に飛んでいるのを見て、ノイは拳を握りしめた。
「どうしてこんな事をしたんだ?!クレヴァー!!貴方は父さんの忠実な相棒だったはず!!こんな事をして、なんに…」
ノイの叫びに、鳥は何の反応も示すことはなく、変わらず空を舞っている。
「聞こえているんだろう?!クレヴァー、貴方の五感はとても優れていて、世界で最も賢い鷹だと父さんは自慢していた!!そんな貴方が、何故この様なことを…?!父さんはどこだ?!教えてくれ、クレヴァー!!」
ノイは声を張り上げて叫び続けたが、鷹がその声に応える事はなかった。
*煤竹色赤みを帯びた茶色
クレヴァー、なんでこんなことしたんだよいッ!! はい、これ、ワンピースの不死鳥マルコの真似です。ほら、ちゃんとッ!!も、カタカナでしょう?




