2話 コイン
「おー信じてくれるじゃな」
幼女は驚いた様子でこっちを見てきた。
「いや、冷蔵庫開けたら、いきなり転移してきたんだよ。もうどんな事でも信じてしまうでしょ」
超早口すぎるぐらいのぺースで焦りながら言った。
ってかなんで転移したのか聞きたいのになんで作った話なんかするんだろう。
「まあこの異世界ダンジョンなんで作ったか教えてあげるのじゃ」
「え、はい」
「今、この世界は異世界ダンジョンってことはなんとなくわかるようじゃな」
「なんで知ってるんですか!」
「まああんな大きい声で異世界ダンジョンだ!っていっていたじゃん」
健太は恥ずかしくシュワシュワレモンを飲みたいと思う様子だった。
「この異世界ダンジョンなのだが、何故つくったのかと言うと、それはあまりにも勇者が多すぎたためじゃ」
「ほぅ」
「勇者と魔王の比率が10対1の割合で出来ていったため、バランスがおかしくなり、魔王が勇者に勝てなくなってしまったのじゃ」
勇者が普通、魔王に勝つもんなんだから、別によくねと疑問を感じた。
「今、勇者が勝つのが普通だからよくねと思ったかの?」
「え、はい」
「まあそっちの世界だとそう思うのが普通じゃな」
「こっちの世界ではな、同じバランスじゃないとだめなのじゃ」
「どうして同じじゃないとだめなんですか?」
「それはな、魔王のエネルギーがなくなると世界が消えてしまうからじゃ」
「魔王のエネルギーとは?」
色々とよく分からなくなってきた。
「本来はな、勇者のエネルギーと魔王のエネルギーというものがあって、それによって、世界は保っているんじゃ」
「はい」
「その保っているエネルギーが10対1の割合になってしまっている状態がやばいのじゃ」
幼女は疲れたのか、一回ため息をついた。
「魔王のエネルギーが全部なくなる可能性があるため、俺に助けて欲しいってことか」
「まあそんなもんじゃ」
幼女は分かってくれたようで安心した様子になっていた。
その話に俺は疑問に思った。
「なんで俺なん!!?」
普通、俺じゃなくてもいいだろうが!!
「なんで、自分なのか知りたいようじゃな」
「それゃな」
逆に知りたくないやついんの!?
「それはな、あんたが一番、このゲームに対して、真剣にやっていたからじゃ」
「ん?それだけの理由で?!」
どうやって、真剣にやっていたこと、わかるねん。普通に一番、ゲームやっていたやつで良くね。
「この世界において、一番大切なことは技術ではなく、どれだけこのゲームに対して、頑張っていたかなんじゃ」
まあそれゃ、一日中やっていたけど
「それで一番真剣にゲームをしていた、お主が選ばれたんじゃ、まあお主も嫌いじゃだろう、こういう展開」
「まあそうだけどさ」
まあ内心少し、わくわくしてる自分がいるんだよなぁ
「助けてくれないかの」
まあ元の世界でも、こういう展開望んでいたしまあやってみるか!
「いいですよ!」
「まず、何をすればいいんですか?」
「それはな魔王になって、最強になってほしいんじゃ」
「ん?」
え、魔王を増やすためになんかしてほしいとかじゃないの!
「魔王には一つのダンジョンが普通、設けられんじゃ」
まあまあゲームでも2つのダンジョンつくるのは無理やったからなぁ
「そして魔王の部下をつくるにはコインを必要とするのじゃ」
「え、そうなんですか?」
異世界ダンジョンではそんなルールなかったぞ。コインを必要となんかしなかった。
「1日3枚、ノーマルコインが手に入るんじゃ、それを使って部下を増やしていくんじゃぞ」
「欲しい部下って選べるんですか?」
「まあ選べるぞ、しかしノーマルコインの枚数によって出てくる部下の強さなどは変わるのじゃ」
まあ予想していた通りだった。しかし疑問を感じるんだよなぁ
「それはわかったけど、それと何が魔王を増やすことに繋がるんですか?」
「それはじゃな、今コインの枚数によって出てくる部下の強さは変わると言ったじゃん?」
「は、はい」
「そう、コインの枚数を増やせば魔王も手に入れることが出来るんじゃ」
「何その最強ルール!?」
そんなことが出来るゲームを俺は見たことない。
「だから、頑張ってコインを使って増やして欲しいんじゃ」
「まあわかりましたよ」
もう、びっくりしすぎて、なんか疲れてしまった。
「あ、そうそう言い忘れていたけど、月に1枚レアコインも配布するぞ」
「ん?レアコインってなんですか?」
「ノーマルコイン100枚分じゃ」
「結構、多いですね」
まあおかしくない話だな。
「まあその他にもスーパーレアコインとかあるんじゃが、今は関係ないことだから、後々教えるぞ」
なんかスーパーレアコインって絶対やばいやつやん。