表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

勇者よ、私のセリフを奪うな!

作者: 黒梨恵夢

ある日、突如として魔王城に爆音が鳴り響いた。


「な、なんだ!?」


慌てふためく魔物たち。


直後こんな叫び声が聞こえてきた。


「勇者だっ、勇者が攻めてきたぞーーー!」


「うるさい」


一筋の光がさしたかと思うと、その魔物は一瞬の

うちに倒されてしまった。


勇者は呆然としている魔物には目もくれず、ただ

反抗して来る者がいれば作業をするかのように

倒して行った。


そうして進んでいくうちに、とうとう魔王のいる

部屋に到着した。


「よぉ、魔王」


勇者は友達に挨拶するかのようなノリで魔王に

話しかけた。


「よく来たな勇者よ。人間が勇者召喚を行ったのは

耳に入っていたが、よもやこんなに早く成長し

ここまで来るとは思わなかったぞ。」


魔族の領地のすぐ隣の国が勇者召喚をした。


別世界から召喚された勇者は、最初の方こそ

戸惑っていたが正義感の強い者だったらしく

すぐに修行を始めた。


勇者は直ぐに成長し強くなった。そして今魔王城まで

攻め込んで来たのだ。


しかし、その成長スピードが尋常ではなかった。

召喚されてから今に至るまで、僅か2週間である。


そんな勇者は定型文を述べる。


「なぁ魔王、なんでお前は人間の領地を略奪するんだ?」


「フッ、そんなの領地が広いに越したことはないからだ。領地が広ければ我々も今よりもっと快適に過ごせるからな。」


「そうか、ならお前に世界の半分をやろう。」


「what?」


「だから、お前に世界の半分をやるって言ったんだよ」


「えぇ・・・・・・」


勇者からの想定外の発言に魔王はうろたえていた。


「いや、勇者がそんなこと言っていいの?というか

それ私のセリフじゃない?」


「だってお前らの望みは領地の拡大なんだろ?

ならお前に土地あげれば済む話じゃん。」


「いや、それにしたって・・・・・・」


「なんか今まで国のために頑張ったけど、魔物とはいえ生きてるのを倒すのはちょっと気が引けてさ〜。」


「ここに来るまでに結構倒して来てたよね?」


「それは向こうから襲ってきたから、自衛のために

仕方なくだよ。」


勇者と魔王はしばらくこんな会話をしていたが

日が沈み始めた頃、勇者がひとつ提案をしてきた。


「もう埒が明かないから今日はとりあえず帰るよ。

1週間時間をやろう、よく考えておくんだな。」


「ちょっと!それも私が勇者に言おうとしてたのに

なんで言っちゃうの?新手のいじめなの?

あと、口調変わりすぎじゃない?」


魔王に精神的ダメージ500。効果はバツグンだ!


「ごぢゃごちゃうるさいなー。倒すよ?」


「す、すいません・・・・・・」


勇者は、ため息をつきながら面倒くさそうに

帰って行った。


(今、本気でやられるかと思った・・・・・・。

あいつの方が魔王向いてるんじゃないの?)


そう思いながら魔王は城の修復をしていくのであった。

連載中の作品の投稿をまだ再開できそうにないので

1度短編のものを出します。

投稿再開までもう少し待っていただけると

幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ