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主人公の補佐は大変です。  作者: フレンド
こうしてモブの物語は始まる
1/6

(たぶん)こうして運命の歯車は動き出したのだ!

処女作投下ーーーーーーー!!

暖かい目で見ていただけたら幸いです。



「アステル・レオンハルト、イヴ、カイト、以上3名はテオニア王立魔法学園潜入して、護衛任務をしてほしい」


「はい、わかりました」


「りょーかいです」


「え? どういうことですか」


 左右の壁一面にぎっしりと積まれている本、そして部屋の奥にテーブルとイスしかないどこにでもあるような簡素な事務室。ここに呼ばれたときはまた誰かが問題を起こしたと思ったけど今回は違った。


 なにを言っているんだ? あきらかな人選ミスでは? そしてなんで二人は即答なんだ? 私が頭を抱えていると、部屋の奥で腕を組んでいる所長、フラン・E・エレイオンがまた説明してくれた。


「レオンハルト、イヴ、カイト、以上三名は・・・・」


「復唱しなくても大丈夫です。なぜ私たちなのですか?」


 私は護衛任務なんてやったことなんてないし、。イヴにいたっては護衛対象ごと襲撃者を消し炭にしようとした前科があるから論外だ。唯一まともなレオンは変なところに首を突っ込むから事態が余計にややこしくなるのがほとんどだ。


 テオニカ王立魔法学園は唯一王国が運営している学び所だから、それこそ貴族の娘や息子、今年にいたっては第三王女が入学する予定だったはず。そんな学園に何の問題もなく依頼をこなせるとは到底思えないのだが。


「理由はいくつかあるが・・・・・・一つは今回は護衛対象が高貴な方々でな。他の奴らだと絶対に問題が起きる」


「たしかに・・・・・・」


 あいつらが何の問題の起こさずに帰ってきたほうが珍しい。ほんとにこの組織よく潰れないな。


「もう一つは外見が身バレしてないこと。最後に連絡が取れたのがおまえたち三人だけだったのだ。」


「おい最後」


 あきらかに最後の理由が一番で笑えない。どうして9人もいて3人しか連絡がつかないんだ。この組織は本当に大丈夫なのか。


「いいじゃないかカイト、やってみようじゃないか。」


 私がこの組織の通信能力の低さに悲観していると横からレオンが何か言ってきた。どうやらこの依頼にだいぶ乗り気らしい。いつものことだけど。


「どうしてレオンはそんなに乗り気なんだ」


 そんなにさわやかにいわないでくれ。イケメンがまぶしい。どうしてこの組織は美男美女が多いのだろうか。しかも全員例外なく性格に難があるからたちが悪い。イヴだって黙ってればかわいいのに。


「だってフランさんが僕たちを信頼してこの依頼を託してくれるんだから期待に応えないと」


 ポジティブ過ぎる・・・・レオンはあの人のことを美化しすぎでは?


「イヴは?」


「・・・・・・ん?」


「いや、イヴはどうして乗り気なの」


「・・・・・・何が?」


 こいつなーんにも聞いてなかったろ。本当にこの組織は大丈夫なのだろうか。


「いや、今回の依頼」


「あー、イヴはカイトと一緒ならどこでもいーや」


 いいわけがないだろ。どうしてこの二人は詳細も聞かずいつも安請け合いするのだろうか。巻き添えになる私の身にもなってほしい。そしてイヴは私に対する粘着をそろそろやめてほしい。


 とりあえず受けるとしても、受けないとしても依頼の情報が少なすぎるので、所長に詳細を聞くしかないか。


「ちなみに護衛の詳細は?」


「了承した人にしか言えない」


「護衛対象ならともかく護衛期間や報酬もですか?」


「ああ、そうだ」


 ガチのやつじゃないですか。王族・・・・・・少なくても公爵クラスが関わってないとこうはならないぞ。だったらなおさら私たちだとだめな気がしてくる。そんな私の不安が表情に出ていたのか、所長が後押しをしてくれた。


「言えないが、カイトだけなら護衛対象は見せられるぞ」


「え!? 嘘でしょ!?」


「えー、カイトだけずるい。」


 問題はそこじゃないだろ。


 本来護衛対象の情報は一番見せられないはずなんだけどなあ。私にしか見せられないっていったいどんな内容なんだ? ただ見たらとんでもなものに巻き込まれそうで怖いな。


「じゃあ、お言葉に甘えて失礼します」


・・・・・・誘惑に負けて見てしまった。だって私に関係がありそうな依頼なんて気にならないわけがない。


「いいぞ、ほれ」


 私の返答を予想していたのか、所長がいつの間にか手に持っていた資料を投げ渡してくれた。重要書類の扱いが結構雑ですね。


資料を読んでいると護衛対象は複数人いるらしい。それも全員が驚くほどの重要人物。なるほど、だからこの組織に依頼されて・・・・るのはやはり間違いでは? て、あれ・・・・?



「・・・・・・・・・・」


「どうしたの、カイト?」


 レオンが心配して声をかけてくれたけど応答する余裕がない。本当に突然すぎるな。というかこの依頼は私が参加しても大丈夫なのか。


「私が請けても本当に大丈夫なんですか?」


「大丈夫だから君にみせたのだろう。で、請けるのか? 請けないのか?」


 ・・・・まあ、所長が勧めているから大丈夫か。とうの所長はぶん殴りたいほどむかつく顔をしているけど。


 所長をぶん殴りたい気持ちをがまんしながら、結局私も二人と同じ返答をするのだった。




本日はこの後2話投稿する予定です。血反吐はいても出します。


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