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プロローグ 加護を増やせる加護

幼馴染属性と暴力ヒロインとラブコメと俺TUEEEが少し入ったファンタジーです。(悲恋タグに目をそらしながら)


のんびりと書いていこうと思います。


プロローグと第000話は、あらすじのまんまのお約束展開です。

ダルかったら飛ばしても大丈夫(だと思います)

 春、高校最後の年が始まるはずだった……



 気がつくと真っ白い空間にいた。

 僕、栗栖(クリス)ジンはそこで鼻血を垂らしながら、うずくまっている。


 正面にはヒゲを生やした優しそうなジイさんと、不機嫌そうな女性が立っていた。他には何も無い。

 不機嫌そうな女性からは話しかけるなオーラがにじみ出ている。


 僕は優しそうなジイさんに話しかけた。


「ゴホ!……ゲホッ……あの、ここは……何処……ですか?」


「あの世みたいな所じゃ」


「えっと……さっきまで隣にいた……カヨは?」


 カヨとは僕の幼馴染だ。彼女をからかって顔面を殴られ、鼻血を垂らした所まで記憶がある。

 顔と腹が痛い……殴られたダメージが残っているからだろう。


 ジイさんが僕の隣を指差す。

 すると、白い靄の中から輪郭が浮き上がり、カヨが姿を表した。


 彼女はさらりと流れるような長い髪を振りながら、こちらを向く。

 その長い髪は後ろでまとめてあり、いわゆるポニーテールだ。

 運動部に所属しているだけあって、スカートからは健康的でスラっとした長い脚をしている。

  ウエストは細い、だがブレザーの胸部は膨よかに見える。つまり胸はあるほう……だと思っている。


 そして綺麗に整った顔立ちに、澄んでいて強気な瞳。

 顔の偏差値は高い。ただ、それ以上に()()()も高い。


 彼女は周りをキョロキョロと見回した。


「え? あれ? ここどこ?」

「あの世みたいなところ、らしいよ」


  そして前にいる怪しい二人を見た。


「……あの人たちは?」

「さぁ……神様とか?」


 ジイさんはニンマリと笑い、口を開く。


「その通り、ワシは虚偽の神フェイル」


 フェイルと名乗るジイさんは、指を何も無い白い地面に向けた。


 白い床にポッカリと穴が空く。その穴を見下ろすと『赤黒い何か』を囲む形で、人だかりを作っていた。

 この道は見覚えがある……さっきまで僕らはそこにいたから。


  ……その『赤黒い何か』は、人の形をしている。

  もしかしてあれは、死体……?


  カヨも薄々感づき、口を開く。


「これは……何?」

「言わんでもわかるじゃろ? 雷に打たれたお前らの死体じゃ」


 空いた穴が赤黒い何かに近づいていく。


「私のカバン……」


  焼け焦げたカバンには、彼女のキーホルダーがあった。


「私たち、死んだの?」

「そうじゃよ」


 フェイルは事務的に、そして当然のように告げる。だが僕には死んだ実感なんてまるで無い。

 そんなのお構い無しにフェイルは話を続けた。


「人が死んだ場合、"カルマ"を背負って輪廻転生……生まれ変わるのじゃが……」


 重要そうなニューワードが出てくる。


「あ、いや”カルマ”はこの際、どうでもいいか」


 ニューワード、消えて行きました。


「ただ、未来ある男女が不幸で死ぬのは忍びないからの、現世に戻れるチャンスをやろう」


「チャンス?」


  今まで人の良さそうなジイさんの雰囲気が変わった。


「別の世界に転移して、他の神を封印してほしい」


  背筋に寒気が走り、反射的に身構える。


  あやしい、コイツ絶対にあやしい!

  陰気で陰湿、そして不気味な……


「もし、断ったら?」


「別にええぞ、そのまま輪廻に戻り、何かに生まれ変わるだけじゃ」


 フェイルはゴミを見るような、冷たい目をしている。その視線に本能的な恐怖を感じる。


「それじゃあ、他に選択肢なんて無いんじゃ……」


「まあ思い詰める事もない、好きな"神の加護"を一つ付けてやろう」


「"神の加護"って?」


「神の加護とは……例えば最強の剣を貰えるとか、最強の肉体を授けるとか、英雄とか勇者になれるとか……そんなのじゃ」

「……別の世界でオレツエーをやれって事ですか? 言ってて恥ずかしく無いですか?」

「……ちょっと恥ずかしい」


 正直、死んだ実感は無い。ただ、やる以外の他に選択肢も無い。


「まあチャンスがあるなら、やるしかないですよね」

「よし、栗栖ジン、お前は転移決定じゃ」


 僕は軽い気持ちで承諾した。

 フェイルの威圧は消え、先ほどの優しそうな表情を作る。恐らくは上辺だけの表情だろうけど。


 隣では、カヨは震えながら俯いていた。

 もしかしたら、彼女は死んだ事実を僕よりも重く受け止めているのかもしれない。

 僕はカヨの肩に手を伸ばそうとした……が、


「そ、その神の加護って言うのは……お姫様にもなれるの?」


「「……は?」」


 僕とフェイルはあっけにとられる。


 そうか、そう来たか。こいつ、こんな願望があったのか。

 カヨは顔真っ赤だ。恥ずかしいなら遠慮してどうぞ。


「ちっ!ガキの遊びじゃねぇんだよ!」

 

 フェイルの隣にいた不機嫌そうな女性がキレた。初セリフがソレは如何なものかと思うが、キレるのは分かる。


「ま、まあ姫といってもピンキリじゃ。末席王族でキモい大臣に嫁ぐことが決まってる第13王女くらいなら用意できるが……」

「タイム!タイム! 不良物件の紹介は良くないですよ!」


 僕は会話を遮り、後ろを向いてカヨに耳打ちをした。


「落ち着け! お前本当は頭いい方なんだから、もうちょいなんかあるだろ! 強い勇者とか魔法使いとか!」

「……わかったわ」


 向き直ったカヨはフェイルに言った。


「その別の世界には魔法とかあるの?」

「うむ」

「じゃあ、さっき言った神様の封印に魔法は必要?」

「必須じゃな。 無いと話にならん」

「じゃあ決まりね……私は"大"魔法使いの上! "超"魔法使いになるわ!」


 ビシっと指をさして決めポーズ。ちょっとアホの子ですね。


「えぇ? その"超"魔法使いってどういう……お前さんの中で、何か定義でもあるんかの?」

「凄い強くて凄い事ができて凄い……」


 凄いを凄い羅列しないでください。


「……お前らを送ろうとしてる世界の魔法は、出した魔法の強さが変わる"魔力"と、使える回数が増える"魔気量"がある」


 解説ありがとうジイさん。


「じゃあ全ての魔法が使えて、その辺がMAXって事でヨロシク!」

「お前……欲張りさんじゃな」

「あ、ちゃんとコントロールもできるようにね!」


 注文多いな……女の買い物はこれだから……


「まあええじゃろう、村雲カヨ、お前に"超"魔法使いの加護を授けるぞ」


 フェイルが手が輝き、一冊の本が出てくる。

 カヨはその本を受け取った。


「この本は?」

「これまで開発された全ての魔法が書いてある通称"スキルブック"。その日本語マニュアルじゃ。

 持ち歩かなくても手をかざせば出てくる魔法の本じゃ」


 日本語対応は親切ですね。


「加護は授けた。一度スキルブックを読めばその情報は魂に刻まれて、魔法を使えるようになるぞ」

「……ねえ? 魔法使いって言ったけど、魔法少女とは違うの?」

「知らんがな、勝手に名乗ればいいがな」


 その時、何故かフェイルの後ろにいた女性もニヤリと笑った。 不気味過ぎる。魔法少女がツボったのだろうか?


「栗栖ジン。次はお前の番じゃな」


 僕に話が振られ、『一つ』貰える神の加護を考える。コレって禁じ手みたいなのでも良いのだろうか?


「じゃあ、"()()()()()()()()()"って有り?」


「……ええぞ」


 フェイルはニヤリと笑い、快諾した。


「えぇ!? いいの!?」




プロローグを大幅に改変しましたが、内容は変わりません。



イラストは僕のPCが勝手に作りました。

https://28723.mitemin.net/i373046/


ヒロインのカヨさん

挿絵(By みてみん)


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