メンバー探し。
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いつでも待ってます!
「……こねぇ」
かれこれ二時間位は待っている。何を待っているかと言うと、一緒にダンジョンに潜ってくれるメンバーだ。
と、言うのも基本ダンジョンは数人でパーティーを作り潜るものらしい。ソロで潜る人は極わずかなのだ。
更には俺の能力からしてソロでの活動は到底無理な話でもあるが。
(やっぱりあんな張り紙じゃ来てくれないのか……?)
ギルドボードを使い、パーティーを組んでくれる人を募集しているという内容の紙を書いて貼っておいたのだ。
(そもそも、職種が演奏者とか書いてある時点で誰も来ない気がするんだけどな……)
そんな得体の知れない職種の奴と命を掛けたダンジョン潜りをしてくれる奴なんてそうそういないと思う。
(やっぱ。ソロで潜るしかねぇのか……?)
もう少し待って誰も来なかったらもうソロで一回潜ってみよう……と考えていた時に、スキンヘッドの男達がこっちへ近づいてきた。
「あんたがあの貼り紙を貼ったやつか?」
「あぁ、そうだが。もしかしてあなた達パーティーを組んでくれるんですか?」
そう聞いた時全員が笑い始めた。
「なわけねぇだろ!職種が演奏者ってダンジョン舐めてんのか?俺達はお前を笑いに来ただけだ、悪いことは言わねぇ大人しく家に帰れよ」
「なんだ……冷やかしかよ……」
「どんな奴かと思ったらこんなヒョロっちい奴だったとはな!」
「……あの、用がないなら離れてもらえます?」
こういう輩と話してたら疲れるだけだ。
「あぁん?俺達は忠告してやってんだぞ?」
「はぁ、そりゃどうも。でもありがた迷惑ですね。あなた達が離れないなら俺が離れますよ。」
「テメェ……、新人に教育が必要な様だな……おい、お前等、」
「「「おす。」」」
やべっ、これって全員からフルボッコにされる奴だよな……はぁ、しょうがない。
「~♪」
「なんだこいつ、何かし始めたぞ?」
周りのヤツらが動揺する。俺が吹いているのは子守唄とはまた違う、眠りの歌、という音楽だ。
「いつまで吹いてや……が…………」
そう言いながら男達は全員倒れる。
「効果は絶大だな。楽器にしてから効きが早い気がする。」
盗賊たちの時より眠りに陥る時間が短い。
「こいつらが起きる前に離れた方が吉だな……」
(それにもう今日は遅い。今日はもう宿に帰るか……)
また明日パーティーに加入してくれる人が来てくれることを祈りながら、俺は宿に戻った。




