2-3 最近、死亡フラグが多い気がします。
仲間が死んだ(?)ことに気がついて、のこりの白瑛狼は大きく悲鳴をあげるかのように咆吼した。
戦闘開始のサインだ。
白瑛狼は一気に駆け出し素早く風刃を放った。
かなりの数だったため驚いたものの、難なく交わしてみせた。
その隙に別の白瑛狼は疾風を作り終わっていた。
瞬時に反応したものの腕に少しかすってしまった。
かすった部分から血が出てきている。
めっちゃ痛い!
俺は手に治療をしながら剣を抜いた。
俺の剣は細長いレイピアってやつだ。
軽いのと素早い、そして折れにくいのを理由に選んだやつだ。
俺の柄によくあっている。
ちなみに一個の青い魔法石と銀の鎖で装飾されてる。
去年の誕生日に兄のエイペルからもらったものだ。
俺の家族で唯一気にしてくれるやつだ。
いつかは礼に何かをあげよう。
白瑛狼を俺は殺すつもりはあんまりないんだけど痛いのはやだからね。
いや先に殺したの俺だけど・・・大量虐殺(?)したの俺だけど…
うん・・・
「「「ガルルゥゥウウ」」」
また三匹の 白瑛狼 が襲い掛かって来た。
今度は魔法ではなくその鋭い牙や爪による攻撃だ。
罪悪感が渦巻く中、せめてのお詫びとして苦しまないように一瞬で斬った。
その返り血が「ドベッ」っと服についた。
せっかく新調したというのに...
新しく買った黒をベースとした服だ。
なぜか家からの待遇が悪い俺だが、お金は有り余っているためにある程度は自由に使えた。
現在、俺の所持金は金貨五枚だ。
ちなみにこの世界のお金はー
ー小銅貨、銅貨、白銀貨、銀貨、金貨、星貨となっている。
小銅貨は大体日本円にして十円と考えて、そこから 百、 千 、万 、十万 、百万となっている。
聖貨という一億を表すたいそれたものがあるらしいが、そんなものを俺が見られるはずなんてなくて形や色はしらん。
星貨は金貨に銀で縁取りをされていて、変な星の模様が刻まれている。
そのほかの貨幣は知っている通りだ。
そんな解説をしてる暇もないほど、頻繁に攻撃してくる。
俺はほとんどを避けて、たまに爆発をうっているが、そろそろ慣れてきてしまったようだ。
じゃあ、フィナーレとしよう。
俺は氷槍の応用技で氷魔法では二番目に強い氷裁罪華を使うことにした。
「俺も生きなきゃいけないんだ、ごめんな。『氷裁罪華』」
「ガルッ!?」
大きな魔法陣が空に開いた。
そして、空に二重に円を書くように無数の氷の槍が出現し回り出した。
白瑛狼 はそれに飛び向かったが、その時にはもう加速し準備が終わっていた。
「フィナーレだ」
無数の槍が雨かのように降り 白瑛狼 にささり森へ落ちていく。
真っ白な毛が血によって赤く染められていくのをみるのと少し悲しく思えた。
そう言えばラノベやゲームではよくあるが素材として売れるだろうか。
ふと俺は思いついた。
現在の所持金はさっきも言ったが、金貨五枚だ。
半分以上は俺の貯金である。
「貯金かよ」とはつっこまないでほしい。
いや、だってもらえなかったんだもん!しょうがないしー
金貨五枚とはいえどもできることは限られている。
必要品と食料を買ったあとは、開拓のためにでも入れるつもりだ。
金貨五枚ではあまり開拓できないし、お金は必要だ。
申し訳ないがもらわせてもらうぞ。
俺は森の中にとりに入った。
さっき落ちた白瑛狼を探していると何かが「探知」にひっかかった。
白瑛狼だろうか。
俺はそこにいってみることにした。
なんだ?
白っぽい何かがあるがよく見えない。
近づこうとした瞬間、それが飛んできた。
避けようとするが間に合わない。何て速さだ!
生き残りがいたとはっ!
冷たい何かが喉にあたっている。
それは一本の刀、いや太刀だった。
「誰だ...!?」
プラチナブロンドの少女、いや、美少女は言った。
まだ幼いが凛々しく美しい声だ。
でも声のトーンが低く、どこか寂しいように感じる...
顔立ちは非常に整っており、白くて柔らかそうな肌に、ふんわりとした腰まで届く銀色の髪、アクアマリンのごとく蒼く透き通った目。
すべてが美しい。
「かわいい」とよりは「美しい」が似合うだろう。
ただ、服も血で汚れ、体にもいくつもの傷がある。
ちゃんとした服を着せ、傷もなかったらどれほど美しいだろうか。
のろのろと目の前の美少女を分析しているが一番肝心なところを忘れている。
そう、俺は今、死亡フラグに直面しているのだ。
彼女の身長をも越える長い刀が俺の喉にあたっているのだ。
さっきの反射速度からみて、逃げてもたぶん追い付かれるだろう。
歳はたぶん同じだが体術は相手の方が上だと思う。
さっきの狼sなんかより余程危険だ。
この危険を回避するためにもなんとか話さなくては...
俺は少し混乱してたが取り敢えず口をなんとか開いた。
「ハーイ...俺!アヤシイモノジャナイデース...」
やばいめっちゃしくじった!
明らかにさっきのより怪しまれてるよ。
さっきより刀に力が入ってるし...
ていうかなんでどこかの外国人が喋るようなカタコト言葉なの!
しかもなんで『俺』ってとこだけ大丈夫なわけ!?
混乱がさらに増す中、「スウッ」
っと、喉にあたっていたひんやりしたものがなくなった 、いや落ちたのだ。
何が起きたのかと、その先を見てみると、さっきの少女が倒れていた。
少女は音をたてない癖があるようで、さっきもだが音を殺して動いていた。
「えっ、ああぁあ、もう!」
俺は衝動にかられ少女を抱き上げた。
さっきは気づかなかったが背中から大量の血が流れ出ていた。
目も虚ろになりかけており、呼吸も弱くなってきている。
俺は上級治療をかなりの魔力でかけた。
なんだよ!
怪我してるのなら強がるなよ!
傷は塞がってはいくものの、かなり深いようで流血が止まらない。
このままじゃやばい...
俺はもとから治療魔法は苦手で、無駄になる魔力が多い。
それに治療魔法自体も擦り傷ぐらいをなおすのが普通らしい。
俺は上級治療をかけながら魔法を新しく作りかえていく。
今までにない魔法、俺は久しぶりにあのスキルを思い出した。
「想像者よ!俺の願いを叶えよ!」
自然に口がそう動いた。
まるで昔から知っていたかのように...
«枠を二つ使い新たに作りますか?»
「ああ、もちろんだ!」
俺は暖かくやさしい、そうまるで母のもつようなものを思い浮かべた。
全てを包み込み癒し、なおす。
そんな魔法がほしい。
・聖魔法を制作しました。
手元の魔法陣が大きくなり光輝いた。
俺は唱える。
「光輝き、傷を癒せ!天使之光」
今までの部分に修正、訂正が加わりました。
歳は一歳を三歳に。また四年後から三年後に訂正され、新しいエピソードもくわわっています。
ぜひ、読みなおしてみてください。
来週も訂正等が加わるので、来週にしてみても構いません。
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