1-5 アルリア家四男の誕生会と幕間らしい
すみません二話更新したかったのですが時間的に無理だったので、今週中にもう一話更新します
プロローグはこの話でおわりです。
いつか日間が二百位以内入ったらイラスト付きで登場人物紹介書こうと思います。
ドアを開く。
煌くステンドガラスやシャンデリアにうつされた広い間。
そこに縦に置かれているきらびやかで長い机。
その周りにはいかにも高そうな豪華な壺や絵が飾られていた。
そう、パーティーと言うより会議のような間だった。
「さぁ、こちらです」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
どれほど待ったのだろうか。
背中が痛い。子供にこんな待たせるのは悪いんじゃないのか?
その時、もうひとつのドアが開いた。
入ってきたのは太った貴族と化粧がこすぎる女。
いや、肥った豚と気持ち悪い女狐だった。
余りにもひどいためつい口がすべった。
人を外見で判断してはいけないと言うが、余りにもひどかった。
まさかこいつらが親とか言うなよ。
後ろにエイペルと兄、ごっつい騎士が続いているあたり…まさかな...
「領主様ご一行のご入場です」
メイドや使いが一斉に礼をした。
まさかこいつらが親だとはな。
いや、気持ち悪いほど貴族らしい姿だ。
俺の父らしきやつが一番大きな椅子に座り、残りも座っていく。
すると父らしきやつの椅子は「ボキッ」っと悲鳴を出して、足がひとつ折れた。
俺はやっとあの椅子の足が六本な意味がわかった。
椅子よ。お前の無念は受け取った。
「お前が我が息子か。噂通り気持ち悪いな!ふっ」
「まったくです」
父につづいて母も言った。
あとさ、小さい声で言ったつもりかわからんが聞こえてるぞ。おい!
てか、実の息子を気持ち悪いというのはどうかと思うが、お前らに褒められても嬉しくないがな!
ていうか俺そんなキモい顔してるのか?
俺はけっこイイ思うんだがな。
「まぁお前が三歳になる事を祝ってやろう」
その言葉とともに俺の誕生会が始まった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
誕生会はあっけなく終わった。
オートブルのまずい料理を食べ、家族やその他からいろいろもらい、一言も話さないで終わった。
そして父はある話を切り出してきた。
「そうだリオールよ。三年後お前に私の北端の領地をおまえにやろう」
「父様これは…!」
「エイペル!お前は黙れ」
「はい・・・」
そうこれは、なんともうまい話に聞こえるが、これは三歳児にするような話ではない。
だとすると可能性は二つだ。
一つ目、本当に俺から才能やらなんやらをみいだせた。
さっきも俺を気持ち悪いと言っていたし、これは多分ない。
俺は特に何もしてないし、なんも才能がない。
あるといえば前世のおかげで子供にしては頭がいいことと言葉の読み書きだろうか。
二つ目、その北端の領地は壊滅直前で、俺が領主だから俺に罪をおしつけるついでに厄介払いを行う。
多分これだな。
うん、絶対これだな!
もうこれ以外はありえないな。
これの場合、俺の生存率は五十以下だろう。
領地救って happy end !
なんてことは多分ないが、俺に断る権利はないだろうな。
「リオール、お前は言葉を理解できるのだろう。できるならさっさと答えろ」
「はい、おとうさま」
「そうだ、それで良いのだ!では我は帰るぞ」
ぞろぞろと皆帰っていく。
だが途中で何かトラブルが生じたのか分からないが立ち止まっている。
しばらくして最後尾にいた俺の父親が振り向いて言った。
「そうだ、リオールよ。今日からお前に剣と礼儀作法の稽古をつけよう。」
「はい」
「すぐさま手配しよ」
「かしこまりました」
さすがにすぐに死なれるのは困るからだろうか?
よくわからんが取り敢えず頑張って取り組むしかないな。
三年後、それはこれから始まる物語の幕開けになるだろう。
少し運の悪い転生者が少し頑張って、少し世界を変えるなんてことをまだ誰も知らない
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
side エイペル
唐突なことだった。
「そうだリオールよ。三年後お前に私の北端の領地をおまえにやろう」
「父様これは…!」
父上はわけのわからないことを言い出した。
リオはまだ子供なのだぞ。
それに北端の領地といえば一番貧困なところじゃないか。
見捨てるというのか!?
父上は狂っている。
「エイペル!お前は黙れ」
「はい・・・」
これはおかしい。
だが僕には父上に逆らうことはできない。
父上は世界で六番目に権利を持っているのだ。
無理だ!かなわない・・・・・・
しばらくしてリオの誕生会が終わった。
このままではまずい。なんとかしなくては。
この子の未来への道を繋げなくては!
「父上。リオには剣術と礼儀作法を習ってもらったほうが良いです」
「ほう、なぜだ」
「万が一死なれては困りますし、授与式で失礼なことをやらかしても困るでしょう」
「たしかにそうだな。よくやった」
「そうだ、リオールよ。今日からお前に剣と礼儀作法の稽古をつけよう。」
「はい」
「すぐさま手配しよ」
「かしこまりました」
これが僕にできる最善のことだった。
こうすればなんとか生き延びることができるかもしれん。
まだ希望はある。
僕はこれに頼るしかなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あれから三年間、リオは真剣に稽古に取り組んだ。
礼儀作法は習ってわずか一週間で完璧に等しいくらいできるようになった。
まるで天才、いや鬼才だ。
剣術も恐ろしく成長がはやい。
僕よりは上手いかも知れない。
そんなこと考えてはいけない。これでも剣術は学年六位だ。
だがもちろん父上はそんなことは知らない。
教えようとしても断るばかりだ。
聞く耳ぐらいあるだろうに...
でもあれほどの剣術なら一人でも大丈夫だろう。
そしてとうとうこの日が来た。
「これより授与式を始めーる!」
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