わたしの話
長い間更新できなくてすみません。
お詫びにというか、しばらく休みになったので11月末までは毎週日曜更新します。
モアの話です。
「かぁさまぁ!ととさまぁ!みてください。せーこうしましたぁ」
「まぁ!モアはすごいはね!天才だわ」
「父さんの魔法の才能を受け継いだようだな!ははっ、モアはきっと凄い魔法使いになれるな!」
わたしが七歳のとき初めて魔法が成功したのです。その時、母さまは嬉しそうに拍手をし、父さまは笑いながら私を抱き上げてくれました。
それがわたしはとっても嬉しくて、とっても誇らしくて、それからは毎日がんばってに魔法を勉強するようになったのです。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
美しい村長の娘である母と、強い魔法が使えるエルフの父のもとに生まれたモアは貧困な所ではあったものの大切に育てられた。優れた容姿と回りより大人びたような性格、さらに魔法の才能があったため彼女は可愛がられ、のびのびと育っていった。
いつだって彼女を中心とした生活により、彼女はいつの間にか我が儘で傲慢な性格になってしまっていたのだ。魔法の練習も少しだけ凄いといわれたからってやめてしまい、いつだって偉そうな態度をするようになっていた。それでも村の人は優しく接するした。しかし彼女は、それが当たり前だって思い込んで調子にのり続け、祖父である村長の言うことですら聞かなくなったのだ。村の人たちがアイドルかのようにに扱ってくれるからといって好意にすがりつき、彼女はますます調子にのる。彼女はそのときは回りなんて見えなくて、ただただ楽しくて、嬉しくて有頂天になっていた。
だが、ある日突然彼女の日常は崩れたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その日はいつもとなんにも変わらないよく晴れた日で、強いて言うなら朝、おじいさまがわたしになにかをするように頼んでたけど、眠くてわたしはよく聞こえなかったのです。
聞こえたとしてもきっと彼女はすっぽかしていただろう。それほど彼女はわがままに成長してしまったのだ。
何があるかは知らなかったけど、村がどんちゃん騒ぎだったのはよく覚えてるの。
けれども、モアはそんな村ことなんて気にしもせず、村の子どもたちと村の外れで遊んだ。そして夕方になり、帰ろうとしたときモアは彼らに出会ったのだ。
あいつはどんなに綺麗なお人形さんでも絶対叶わないほど本当に綺麗なの。むかつくけど、何故か女の子を抱っこしていて、血がついてたけど、それでも彼は村一番のわたしの何十倍も綺麗で優雅だったの。ただ、そのときは『王子様ってこんなかんじかな』、『もしかして私を迎えにきたの』っなんて馬鹿なことを考えてたのです。
そしてモアがいつも通り高圧的な態度で話しかけると、無論モアの想像通りの筈だなんてあるわけなく、リオは軽く挨拶をするとまた何処かに走りさった。
わたしにとって、それは生まれて初めての拒絶だったのです。そう、明らかに私は彼の眼中になかったのです。
そして、あとに私はあいつがここの領主だと知りました。
あいつともう一人の女の子が来てから私の村は大きく変わったのです。話に聞くと初日から税金をなくすなんて馬鹿げた行為をしたそうなんですの。きっとドアホです!でも実際助かってるし、他にもおじいさまでも考えつかないようなことをたくさんして村をみるみる変えてすごいって認めなきゃいけなかったのです。
凄い魔法で危ない魔物もたおして、交渉で大儲けして...でもきっと全部偶然なのです!私より年下なのにあり得ませんのです!私が一番なんですのに!いや、いやよ!
なんで、みんなあいつばかりをちやほやするの!?そこに居るべきなのは私なのです。なのに、なのに、私の居場所を奪うなんて...
憎い!うらやましいよ!
あなたなんて大嫌いです!許してって、いっても絶対許してあげない。私の方が凄いって証明してやるのです。
認めたくないでもそうせずにはいられない。なら越えてしまえばいんだ。そんなときモアはふと迷宮の存在を思い出した。
そこを攻略すれば私はまた一番なのです。みんな大助かり、ハッピーエンド!リオール・アルリアみているがいいのです。
モアは置き手紙をして、祖父の杖をもち家を飛びだしてパタパタと迷宮に走りだした。
魔法も利用しながら迷宮に辿り着いたはいいものの、そのとき彼女にほとんど体力は残っていなかったのだ。出掛けたのが朝なのに着いたのは昼、それほど遠いところだったのだ。暫く木陰で休んだ後彼女は覚悟をきめて迷宮に踏み出した。
迷宮内は非常に熱く、体力も大して回復してない彼女にそこは歩くだけでも意識が飛んでしまいそうなほどきついものだった。
多分リオを倒すというただ1つの目標が彼女をつきうごかしていたのだろう。
そんなとき一匹魔物が襲いかかってきたのだ。いや、逃げようとしていただけだったかもしれない。しかし彼女はそんなのことを考える余裕もなく、咄嗟に撃った魔法をうった。良かったことにそれが急所にあたりそれは死んだものの、その光景はまだ幼い彼女にとって刺激が強すぎ、思わず彼女は嘔吐した。
家に帰りたいよ...来るんじゃなかった...
罪悪感やら恐怖やらいろいろ混じりいよいよ涙がポタポタとあふれでてきた時だった。
『ピグゥゥウウア』
後ろから魔物の声が聞こえてきたのだった。その時、彼女はやっと理解した迷宮なのに何故一匹しか魔物が襲ってこなかったのか、そして今自分がどんな状況におかれているかが。
恐る恐る後ろを振り向くとそこには今にでも襲いかかって来そうな巨大な魔物がいた。
「ヒィッ」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
恐怖が彼女の脳内をうめつくし、彼女の足はがくがくと震えていうことをきかない。速く逃げなくてはいけないのに怯えることしかできなかったです。
父さま、母さま、おじいさま。だれでもいいから助けて!死にたくない!嫌だよ!
そんな淡い願いは叶わずキメラに鷲掴みにされる。されたときに引きずられて血がでいるとか、もはや痛みとかそんなことはとうに忘れてしまい、ただ怖くてしょうがなかった。せっかく綺麗な顔もぐちゃぐちゃで彼女は後悔ばかりしていた。
父さま、母さま、おじいさまや村のみんなごめんなさい。モアは親不孝な子です。わがまま言ってごめんなさい。もっと素直に生きればよかったのです。こんな私でも大切に育ててくれてありがとう。次もできたら母さまのもとに生まれたいのです。最後までわがまま言ってごめんなさい。
そんなことを思っていると徐々に意識が薄れて消えた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「..ぇ、ねぇ、目を覚まして」
ふと、目を開けるとそこには憎らしいあいつが覗き込んでいた。
そして自分が生きていることに気づくと同時にモアはさっきまでのことを思い出し、また涙がポロポロポロポロ溢れおちていった。
「ううぅわぁ!な、なぜあなたがいるのです!わたしが...あんな嫌な体験をしたのも全部あなた達のせいなのですぅ!!」
ごめんなさい、ごめんなさい...あんたのせいじゃない。そうとわかってはいるの。でも、そうでもしないと心が押し潰れてしまいそうになる。だけど、あいつはわたしのかってな話で罪をなすりつけられたのに全く気にしていなかった。いや、心からわたしをどうでもいいのだと思っているだけなのかもしれないのです。そう、あいつの目は酷く冷めていたのだ。
「俺は君にかまっている暇はないの
。この転移水晶はあげる。だからこれ以上俺に迷惑をかけないでね。外には村長さんがいるはずだから、じゃあね」
優しい口調とは反対の冷酷な言葉がナイフのようにモアの心に刺さる。ぽいっと渡された水晶が地面に転がり大きな魔法陣がうつしだされる。わたしがなにもかもをめちゃくちゃにしてしまった。あぁ、苦しい!もう怖いことはなにもないのに、怪我もみんな治ったのに...心がいつまでもくるしいよ。
きっとこれはわたしがいけないことをしちゃった罰なのね。次の瞬間、青い空がうつしだされていた。
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