2-5交渉開始、いえ戦争開始です。★
予定より少し遅れてしまいすみません。
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フウが従者になって数日がたった。
何があったかちまちま説明するのも面倒臭いし、フウがいろいろやらかしていすぎてもうわからなくなってきたから まぁ、結論からいうとフウは頭のいい『バカ』なのだ。本当にフウは何でもできる。生活に役立つ知識として九九とかいろいろ教えたが、大抵一日や二日で憶えた。そう、つまり天才、いや鬼才なのだ。だけど、いつも通りヘラヘラしているのは変わらない。一瞬でも目を離すと何かをやらかしていて、いつも楽観的で前向きすぎる、それが彼女『フウ』なのだ。
でも、この前俺が使っていた礼儀作法の本を見せてからは少しはましになっている。だがやはり、心の中では何を考えてるか全くわからないやつだ。
ちなみに服はボロいし着ていたやつしかなかった模様だから俺は村人から糸などを借り俺のきたことのないを裁てなおして服を作った。フウ曰く一番のお気に入りは黒のキャミソールと肩より下のブラウス、黒のショートパンツと村人からもらったニーハイソックスと履いたことのない黒のパンプスだ。ちなみに服や靴はやたら多くあったが着る機会のない服や靴は百を越えるだろう。
まぁフウのことはおいといて、この村の話をしよう。
税がなくなってるから少しは改善されたようだが、今だに人々は貧困で苦しんでいる。そしてそれを解消する近時の機会といえば月一回の商隊だろう。そしてその商隊が丁度 明々後日にくるのだ。この村から一番近い街にいくにはかなり時間がかかる。そして今はそんなことをしてる時間もなく毎日、村の立て直し から 土地の調査・改良、フウの世話などやることがいっぱいなのだ。だから今は行けない。しかしこの村にはたくさんの食べ物がいる。改良にお金がいる。この世界を知るために知識がいる。それらは街で得ることが必要なものだ。そしてそれらは商隊でも手に入るだろう。この村に来る商隊はたった一つ、三年前に立てられ急成長をしている《ミッシェル商会》のとこだけだ。この商会を開いてるのは名前の通りで『ミッシェル』という人だ。そしてその人は商会の会長であると同時にS級冒険者でもあるという。だから大森林も通ることができるのだと村長がいっていた。
というか大森林、 迷うかもしれないけど魔物はたいして強くなかったよね。普通にいけるでしょ。まぁ噂でなんかあるのかもしれないけど。
まぁ兎に角すごい人だそうだ。
そして今始まろうとしているのは『交渉』というなの戦争なのだ。
大きな商会を立てられるほどの腕前はあるだろう。だけどこっちも前世の記憶があるのだ。村の未来もかかってる。負けてたまるか!
だから一生懸命 策を考えることが必要だ。ファンタジー小説で一番よくあるやつだと、カルシュ(甜菜)で砂糖作ってその知識を売るとかそういうものだろう。ちょうど良く甜菜もあり、作り方もわかり、砂糖も高価であり儲かるだろ。だが、断る!あっ、言って見たかったんだー
まぁ、セリフのことはおいといて甜菜の話に戻ろう。
もしその情報が金貨500枚で売れたとしよう。だが売れたらこの話はすぐに拡散されてしまい俺の利益は金貨500枚だけだ。しかし、もし情報を売らずに甜菜でできた砂糖を売るとしよう。これだと毎月お金が得られる。一月金貨20枚なら二年で情報と同じ価格になる。でも来年も売り続けられる。しかし一度に得られるお金が少ないし作るのも大変だ。俺が今作り終えている分は小さな壺が二つと少し。さらにそのうち一つの壺は村にあげていて、壺にいれていない分は俺が使っている。つまり一壺しか残ってないのだ。今から作ってもあと一壺か二壺が精一杯だろう。これを売っても大したお金にはならない。だから砂糖は置いておこうと思う。じゃあ何で稼ぐのかというと、『ゲーム』だ。この世界の貴族の楽しみはとても少ないというらしい。そのためゲームの知識を売ってみようと思う。そして俺が売ろうと思っているのは『チェス』だ。貴族向けで俺が前世に少し嗜んでいたものである。
ルールは結構簡単であるが頭を使い、時間を使う遊びだ。貴族の暇を潰すには丁度良いだろう。この遊びが流行るのならなぜ甜菜のように自分で売らないのかと思うかもしれないが。、俺がチェスの駒とかいろいろ作って売るより知識を売った方がずっと効率がいいのだ。さらに、前金とチェスで売れたお金の一割があれば安定するだろう。まぁこれはできればの話だ。だけど交渉を有利に進めるにはどうしたらいいのだろうか?
バカッカン
俺が悩んでいるとキッチンから大きな爆発音が聞こえてきた。
急いで行ってみるとフウが皿を持っていてその中に黒いスライスを煮たような暗黒物質が入っていた。
「おい、なんだそれは」
「シチューです」
少し目をそらしながらフウは言った。
この暗黒物質がシチューに見えるのはフウだけだろう。
「確かにドロドロしているし、野菜を切った痕跡もあるから入っているだろう。だがどうして爆発音が聞こえたんだ!?というかなぜ煮るだけで爆発する!?てか、何いれた!?」
「いつもリオ様がいれてるやつだけですよーあとは強いて言うなら愛情ですかねっ」
「そうか、お前の愛が毒々しいのはよくわかった」
俺はそういいながらシチューとフウがいうものに鑑定をかける。
ちなみに鑑定は生物ならなんでも分析することができる。ただし自分ののみ情報を使うのだ。フウのはまだ見ていないし、今度見てみよう。
まぁ許可をとってからだがな。
それはさておき結果は期待を裏切らない答えが出た。
名称:暗黒物質
説明
突然変異が起きできた暗黒物質。食べたものはランダムで麻痺、嘔吐、下痢、死亡の症状がでる。
「「…………」」
「リオ様、料理って難しいですね」
「取り敢えずお前は料理をするな」
「……はーい」
フウは少し不満げに頬を膨らましながらショボショボとキッチンから出て行く。
まぁ、それがたとえ暗黒物質だろうと一応料理をしてくれたのだし感謝しなくてはいけないだろう。
「……べっこう飴、作るけど食べる?」
「食べまーす!」
俺はキッチンから顔を出してリビングにいるフウにいうと元気な声が返ってきた。
たかが飴でこんなに喜ぶことはないだろう。まぁ、たかが飴されど飴だな。もしフウのうしろに尻尾なんてついていたら千切れるほどに振っていそうだ。
ちなみにフウを動物に例えるなら犬か狼だろう。外見は「凛」としているが、内面は忠犬ハチ公みたな感じだ。狼のかわを被ったハチ系女子というやつだろうか。
まぁどこにもそんな分類はありませんがリオの想像上あるのでしょう。
というか狼のかわを被った犬で良かったのではないだろうか。
犬か狼かはどうでもいいとして俺はさっと鍋を出してべっこう飴を作る用意を始めた。
べっこう飴は材料も少なければ、作り方も簡単であるが、火加減の注意が必要だし、綺麗な形にするのも難しい。まぁ俺は昔からよく作ってたから一応できる。
できたべっこう飴は透き通っていて綺麗だった。
これを交渉のおまけとしてあげ、高感度を上げられないだろうか?
ちなみに大量にできたもの内、フウが半分をとっていった。少し虫歯にならないか心配だ。一応、食べたらしっかりうがいをさせてはいる。
「リオ様、(もぐ)今日は土地改良のために(もぐ)調べに行くのじゃないんですかー(もぐ)」
「そうだったな、今行く」
フウは記憶力がいいから、いろいろ覚えていてくれる。
まぁ、それを思い出すかどうかは気分や状況次第だそうだ。
それと、フウがものを食べながら喋る癖はまだ治らないようだな。
俺は外へと出かける準備を始めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
リン リーン
村の外から鈴の音が聴こえる。
今日は雲一つない快晴。日が立つのも早く今日は商隊のくる日。
そしてこの鈴の音は戦争開始の合図だ。戦争はもう始まっている。
重々しい音をたてながら錆びかけた大きな鉄の扉がゆくっりひらき、馬車などが入ってくる。そして商隊の最前列には16歳ぐらいの少女が二人たっていた。
そして、そのうち一人が近づいて俺に言った
俺は勘で気づいた。きっとこの人が……
「はじめまして、私はミッシェル商会会長、ミッシェル・アンシェリークと申します。以後お見知り置きを」




