1-1 アルリア家四男は転生してきたらしい
バグって一話目が消えてしまいました。
内容は復原しましたが、前書きとうしろがきが消えてしまいました。
本当にすみません。
では、改めてどうぞ!
高3の夏、俺の短い人生は幕をおろした。
俺が死んだ理由はアニメや小説みたいに子供を助けようとしてトラックに轢かれたわけでもなければ、通り魔に刺されて死んだわけでもない。
ただ単に通学途中に上から鉢植えが降ってきて、俺の頭に衝突しただけだ。当たり所が悪かったのだろう。
頭にぶつかった瞬間、まるで重力が消えたかのように体が軽くなったり、そして俺は死んだのだろう。
俺が死んだのなら母さんが一番悲しむだろうな。まだなんも親孝行してないや。
「死ぬ」ということはこの世に別れを告げることであり、すべてを諦めることになるのだ。そう、夢も家族も友達も全て…
俺は勿論それがどれほど悲しいことか知っているはずだが、俺は泣き叫ぼうともせず、すべてが終わったかのように何も考えられなくただ思考をやめた。
俺はどうも昔からよく事故にみまわれた。そのたびに親や友達に迷惑をかけた。だから俺は迷惑をかけた人を幸せにしたかった。またそれが夢だった。
もしかしたら都合が良すぎだとでもいうかもしれない。
けれども、それでも俺は叶えたいと思った。結局叶わなかったけどな。
それにしても頭が痛い。何とかならないのか……
まるで底なし沼にはまったかのように闇は俺の思考を侵食し呑み込む。ついさっきまで叱ってきた妹や優しかった両親のことが遥か昔のことのように感じてきてしまう。視野までも闇に呑まれようとしている、怪物のお腹の中にでもいるような感じだ。外では何か言ってるようだけど意識が朦朧としてきてよく聞こえない。
そして彼は目を閉ざす。彼の目には何が見えるだろう。幼い頃の思い出か、夢か、それとも遠く未来の話だろうか。今までの日々に別れを告げるかのように紡ぎ出す。
母さん、父さんそれと夕緋、本当にごめんな…………
彼の言葉を聞いたものがいるか、口に出していたのか、それまた届いたかなどは神のみぞ知る話なのかもしれない。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「%#^*\%"#」
優しいぬくもりの中、不思議な声が聴こえる。
それは生命の誕生への祝福を謳っているような不思議なメロディー
今はまだ眠る彼に目覚めの頃を知らせる声でもあるのかもしれない。
温もりの中、俺は目をゆっくり開け外の世界を確認する。目を見開いているはずであるのだが視野が狭くよく見えない。
そして俺は初めて自分が生きていることに気がついた。
何時の間にか意識があって呼吸していたのだ。それはまるで思い出したかのように「ぱっ」と突然気がついた。
今まで寝ていたのだろうか?やけに目覚めが悪いのだ。
事故の後遺症なのかわからないが、体に力が入らない。
一生寝たきりはやめてっそれぐらいなら死んだ方がマシだーー!
何て俺は言えるはずがない。命があるということだけでも感謝するべきなのだ。それは死に損ないの俺だから思うことかもしれない。
そう言えば、さっきから思っていたのだけど、ここはどこなのだろうか?
どこかのプレミアムルームみたいに派手でゴージャスだし、布団やベットも雲のように柔らかくて気持ちいい。
だけどそんなことあるはずがないのだ。だいたい死にかけた人がプレミアムルームのような所にいるはずがないではないか。昔から運が悪かったのかよく事故にあう。その度にあのひどく冷たく、寂しい病院のベットの上で目覚めるのはずなのだ。
それに俺の家は裕福じゃないからプレミアムルームなんて取るお金はないのだ。そう、俺の親に限ってそれはないのだ。
俺が子供の時、おこづかいはみんなの半分くらいしかなかったし、家も小さく俺と妹は自分の部屋を持っていたが、そのかわり母さんと父さんは居間で寝たのだ。そう思うと涙が出てきた。なんにもしてやれなかったんだ。
ぽろぽろと締め切らなかった蛇口かのようにそれはあふれてきた。
俺、こんなに涙脆いっけ?そう思いながらもポタポタと涙は溢れ出てくる。
感情にながされそうになり切り替えそうとして頭を動かそうと試すが動かない。そういえば力が入らないのだった。
だが俺は諦めきれなく意識をすべて手に集中させ何とか手をあげた。
どこぞの映画で少女が立ったあのシーンみたいな感動的な場面かもしれないが、それどころではなかったのだ。上げたその手は白くてふっくらとしていてしわくちゃだったのだ。これももしかして後遺症!?病気か何かなのか!?予想外の事態にパニックになってしまった。
だが、明らかに変わっている手に戸惑っていらずにはいれなかったのだ。
いやいやいやちょまって、どう考えても俺のものじゃないし、どう見ても赤ちゃんの手だよね。
『もう頭がいかれてるのだろうか』、『いや、もしかしたら前からいかれてたのかもしれない』と思え始め慌てて記憶をたどるがそんなことはなかったはずだ。だがしかし現状は変わらない。
見えるものは白くてぷっくりした手と赤色をベースとした豪華な部屋。
俺が回りを確認していると「カチャッ」という音がして女の人が見えてきた。
女の人はメイドのような格好をしていおり何かを言ったがよく聞き取れない。
「%#^*\%"#」
えっなにこれ?
相変わらずよくわからないことばかりだが女の人が俺の知らない言語で何かを言ったあと哺乳瓶で味の薄すぎるミルク(?)を飲ませてきた。赤ちゃんプレイですか!?俺にそんな趣味はありません!
そして俺は唐突に眠気の襲われ状況がわからないまま俺は再び眠りについた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あの日から二ヶ月がすぎた。
結論からいうと、どうやら俺は異世界に転生していて赤ちゃんになっているようだ。
二ヶ月の間に俺はいろんなことがわかった。
この世界の言語は地球とは違っており、独自のものが存在していた。
だが、赤ちゃんの素晴らしい記憶力の前に立ちふさがることはできない。
と言っても覚えたのは三週間ぐらい前の話だ。
この二ヶ月間俺はまだ両親をみていない。
みたのはお手伝いさんばかりだ。
どうもこの部屋は俺のものらしい。
見える範囲からいうとかなり広い。
タンスにはおもちゃや哺乳瓶、服などがしまってあった。
ほかにも、本の置かれた棚や意味不明な銅像、見るからに痛い肖像画などいろいろある。
俺につかえてるお手伝いさんの髪の色がふつうじゃないし言語のところで異世界だとは気がついていた。
あと自分の姿をみてみたい。
でも触ったりして確認出来る範囲でいうと、肌は白い、たぶん人間、余計な脂肪がある、めちゃくちゃ弱々しい…あっ、いや今のなし。
うん、俺は強い!大丈夫、普通ぐらいには…弱くはないだろう、普通でありたい…
うん、そんなことより、どうも俺はアルリア家の四男で名はリオールというらしい。
だからリオール・アルリアと言うのだと思う。愛称はリオだ。
なかなかいい名前だと思う。それに前世の名前と愛称が同じだから覚えやすい。これは偶然か?それとも必然か?
まぁそんなことはどうだっていい。
話を戻すどうもアルリア家は魔法の四大家らしい。
魔法があるとわかれば異世界生活も随分楽しめそうだ。
俺に厨二な時期はなかったが、かなり俺はオタクだった。
キモイああいう感じじゃない。
ただアニメやラノベが好きなだけだ。
友達だっていたし、さっきも言ったが痛い行動はとったことがない。
まぁ、友達に一人「ロッククライム!おおおォォ」とか言いながら階段駆け上がるやつはいたがな。
正直言って見てて痛い、こっちが虚しいからやめてほしい。
そういうあいつはちゃんと暮らしてるだろうか…
そういえば、この世界はどうも一日二十七時間らしい。
そのほかは地球とだいたい同じだが、一年は三百七十日と決まっているらしい。
あと、魔法を使うからその分疲労も激しく寝る時間が長いようだ。
俺は使わないから関係ないがな。
でも赤ちゃんだからそんなに違わないけどな…
最近では生活にも随分慣れてきた。
頭も動くしからだも結構動ける。赤ちゃんとしては成長が早いみたいだ。
座る練習を始めたが支えるものがないとまだできない。
もちろん子供として怪しまれるのでお手伝いさんたちの居ない間だけだ。
ただミルクとオムツだけはまだ慣れない。
でもいつか馴染むだろう……
俺はいつか外の世界を見てみたいと思った。
そして今度こそは誰かを幸せにしたいと思った。
そんなわけで俺の生活は平凡だしなんのかわりもない。
そして今日も過ぎて行く。これからもそうであることを願おう。
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