表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

初めての敵

「やる事リスト」のページをめくると、1ページ目に、まずリュックの中身を確認する事。いっぱい入ってるからね。と書かれていた。そしてリュックを見たが、どう考えてもそんなにたくさん入るとは思えない。入ってジャンプ四冊ってところだろう。しかし書いてあるんだし確認するしか無い。リュックを開けて手をそこに突っ込む。「む?」広い。「なあ、これなんか中ひろくないか?」私が尋ねると、「そうだね。これも未来の技術って奴かな。人間の進化って凄いね。」相楽はそう答えた。何だか変な所にいるのに緊張感が無いが、実感が無いだけであり、家の事や諸々に目を背けて現実逃避をしているだけだ。

リュックから出て来たのは、ハンドガンのマガジン4つと、弾薬がいっぱい、何かの缶詰がまたいっぱいあり、ナイフと砥石、空の水筒、毛布が一枚だった。相楽のリュックからも同じものが出てきた。

一つ目が終わったので次に移ろうとノートを開くと、1ページ目のしたにチェックをいれる欄があったのに気づいたので、ノートについていたペンでチェックを入れると、目の前の砂から一人の体が浮き上がって来た。またか、と私は思う。地面から出た女は元気そうにいた。

「もう気づいてると思うけど、このリュックは特別です。何てったて未来のブツだからね。あと、これ、忘れてた。はいどうぞ。」そう言って女は縦十センチ、横六センチ、厚さ四センチ程の四角い機械を私達両方に一つずつ渡した。

「これは、ここに紙が入れられる穴があるでしょ。ここに何か描いた紙を入れると、何と、何が起こるでしょう?分かる?」わかんねぇ、うぜぇ、と即答したかったが、考えて見る事にした。「うーん、書いた事が実際に起こるとか?」

「ぶっぶー、全然、もう全く違いまーす。」

それから相楽が「じゃあ、その字が浮き出て武器になる、とか?」

「二人ともかすりともしてないわ。正解は、描いた絵が実物に成って出てくる、でしたー。残念」

私達はムカついたので文句を言った。普通紙に書くってたら字だろう。とか、実体化するって点では俺かすってんだろ。とか。それについて女も反論した。それが終わった所で、女が質問はあるか、と聞いて来たので、私は「貴方の能力って無制限じゃ無いんですか?殺される恐れは無いでしょう?」と尋ねた。

「ああ、それはね、私って元々体の感覚が特別つよいでしょ?」

知らねえよ

「それでね、わたしが力を使うと、更に感覚が強くなるのよね。それに、外で使うと、背徳感と羞恥心がいい具合いで混ざってもう頭真っ白。十五秒秒も持たないの。」それは貴方の性的嗜好が悪いという事でよろしいでしょうか?「違うわよ。私はそんな変態じゃないわ。」女は直ぐにフォローを入れた。「で、何か他に質問は?」さっきはおちょくったが、今度は真剣な疑問をぶつける事にした。

「僕は特殊能力者ってわけでも無いのに何でここに連れてこられたんですか?私は関係ないでしょう?」私が真剣な様子で言うのを女はきょとんとして聞いていた。

「それは貴方、気づいてないだけで貴方にも能力があるのよ。能力者は能力者と共に生きるってルールがあるからね。まあ、貴方の様に気付いていない人もいればとても能力の弱い、一般人と呼んでいい人もいるけどね。自分の力に目覚めなさい。」

知らなかった。私が動けないでいると、相楽が「そういや、紙はどこにあるの?」と言った。「それはリュックの前の方の、ここ、ここにあるわ。」女はリュックを開けて見せた。「分かった。ありがとう。」

女が去った後も私は考え事をしていた。すると、急に相楽が「いや、俺はお前に何か力があるってのは本当だと思うね。そんな気がしてたもん、俺。」こちらの顔を覗き込んで言った。私がなぜそんな事を言ったか尋ねたら、「お前が何回も、俺に能力があるなんて信じられん。って言ってたからさ。」と。どうやら私は知らぬ間に独白していたらしい。私が心配してくれた事に感謝を述べようとした時、大きな、甲高い叫び声が聞こえた。私達が何事かとそこへ向かうと、毛が全身に生え、頭には馬のツノが生えている大きく鋭い手足の爪がある、直立では無いにしろ、二足歩行をしている人間の様な何かが立っていた。「何あれ?」ノートを見る。「モンスターを倒せ 絵は下に」そこにある絵は目の前のあれと全く同じだった。

「こういうのは、先手必勝だよね。知らないけど。」私は言いながら銃をタム、タム、タムと撃った。全く楽な事だ、と思ったが、アレは全くの無傷で、「あ、あるぇ~。おかしいな~」としか言えなかった。「よけたんだよ。あいつ、びっくりだね。」

じゃあ、無駄うちしてもいけないし、どうすればいいのだろう。幸い、アレはこっちには向かってこない。しかし、向かって来ないということは隙が生まれないというとこであって、勝てもしない。

「あ、いい事考えた。」相楽がボソッと、小さく言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ