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レイズリーの末裔

 デュライアは、すぐに荷物をまとめ、その日のうちに街を発った。


 そんなわけで彼は今、汽車の中に居る。席が、一等の個室で驚いたが、


ナリからしてそこそこの貴族なのだと予想がついたので、口には


出さなかった。


 しかし、貴族だとすると、本当にたかだか一庶民を仲間に入れなければ


ならないほど人手がたりないのだろうか。


 そもそも世界を救うとは一体なんなのか。デュライアは、そのあたりの


説明をなにもうけていなかった。


「なあ、シャオ。世界を救うっていったい・・・・・・」


 そこまで言うと、シャオが不自然に目を泳がせる。


 デュライアの目が据わる。


「・・・・・・・・・嘘か。」


「方便です。」


「同じだ。」


「違います。」


 ・・・嘘と方便について論じている場合ではない。デュライアが、話題をもとに戻す。


「世界を救うってのが嘘だとすると、お前は何のために俺を連れてきた?


新手の奴隷商人か?それにしちゃ、手口が荒っぽいな。」


 その言葉に、シャオがすぐさま反論をかえす。


「ですから、嘘と方便は違うと・・・」


デュライアに睥睨されていることに気づき、シャオが言葉を切る。


 しばらく二人とも無言だった。が、やがてシャオが諦めたように深く嘆息し、


口を開く。


「・・・・・・何から話せばいいですかねぇ・・・。では、デュラ君。この世界に、


魔術というものが存在するのはご存知ですか?」


「!・・・ああ。この世界には古くから魔術が存在していて、かつてはかなりの人間が


魔術を使うことが出来た。だが、今ではその存在を知る者さえもあまりいない。」


 まさか、「知っている」という答えが返ってくるとは思っていなかったのだろう。


シャオは、驚いたように目を見張ってから相好を崩す。


「その通りです。よく知っていますねぇ。でも、何故そんなにお詳しいんです?」


 一瞬デュライアが返答に詰まる。その様を、シャオが別人のように鋭い目つきで


見ていた。


「・・・父親が、魔術の研究をしていたんだ。」


歯切れの悪い口調で答える。


 シャオはそれに気づいていたが、あえて言及はせずに、説明を続ける。


「そうですか。では、本題に入ります。そこで、デュラ君にもうひとつ質問があります。


千五百年前の、世界三大貴族についてはご存知ですよね?」


「ああ、もちろんだ。」


 それは、普通に生きている者ならば誰もが知っていることだ。


 かつて世界を支配していたのは、世界三大貴族と呼ばれる、『サンカトルク』家、


『ラックヴァイア』家、『レイズリー』家だった。しかし千五百年前、


レイズリーの力を怖れた他の二家が、たった一夜にして、レイズリーの本家、分家、


レイズリーの姓を持たない親戚にいたるまですべてを根絶やしにした。


 それが引き金となり、世界は戦乱の渦に巻き込まれた。現在、『百年戦争』と


呼ばれているのがそれである。その戦争をなんとか収めたサンカトルクが、


それから千四百年間、世界を支配していた。


 「だが、それと俺を仲間に引き入れたこと、いや、それ以前にお前たちと何の関係が


あるんだ?」


と、デュライアが怪訝な顔をする。


 その問いには、驚くべき答えが返ってきた。


「私たちは、レイズリー家のわずかな生き残りたちの末裔なんです。」


 







今回は、説明が多くて読むのが大変だったとおもいます・・・。


それでも最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!


まだまだ全然終わりませんが・・・・・・。


次はもっと退屈しないものを・・・・・・。

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