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街にて1

 デュライア、レイン、クラウド、リスリナ、レーナの五人の姿が完全に見えなく

 

なった頃、ガイとヴァイアはほぼ同時に関節人形を取り出す。そして、慣れた手つ


きでそれを等身大の人形へと変化させた。


 突然眼前に現れた人形を見て、クランとシランが感嘆の声をあげる。


「うわぁっ!すご~い!!」


「かわいいお人形さんだね。」


 ガイの人形は、色が抜け落ちてしまったかのような白髪を肩の位置で切りそろえ、


純白のドレスを身にまとっている。ドレスは動きやすい仕様なのか、前側からは下


半身が見える。下半身は、ミニスカートにニーハイソックス、ブーツといういでた


ちだ。


 そして、白が基調の全身にあって目立っているものがある。見るものを底冷えさ


せるような、真紅とも言うべき真っ赤な瞳。その瞳が、人形に不気味な雰囲気を与


えていた。


 ヴァイアの人形は、まさにガイのそれと正反対だった。腰まであるつややかな黒髪


を飾ることなくおろし、漆黒のドレスを身にまとっている。ドレスはガイの人形の


ものとまったく同じだ。


 そして、黒が基調の全身にあって目立っているものは、真紅とも言うべき真っ赤


な瞳。


 この二体の人形たちが並ぶと、まさに天使と悪魔が共に戦っているかのような。


いや、二匹の悪魔が相対しているかのような。そんな歪な印象を受ける。


 「・・・白々しく子供ガキっぽいこと言ってんじゃねぇよ。」


クランとシランの言葉に、ガイがあざけるように答える。


 「あはは。ひどいよ茶髪のお兄さん。子供相手にそんなこと言うなん・・・」


だが、言い終える前にクランの姿が掻き消えた。


「なっ!?」


「て♪」


 気づけば、目の前にクランの姿がある。しかも、彼は今にも自分にナイフを突き


出そうとしていて。


「っ!?」


純粋な殺意だけをこめてクランが突き出したナイフを、ガイは体を反らしてよけ


る。そして、余裕の無い表情で幼い殺人鬼から距離をとる。ほんの数瞬気づくの


が遅ければ、間違いなく頚動脈を切られていただろう。


 そのありえない状況に、ガイは血の気が引くのを感じていた。


 だって。だってだ。


 ガイは強い。いや、ガイだけでなく、ヴァイアもレインもクラウドもリスリナ


もレーナも。もしかしたらご先祖には及ばないかもしれないが、それでも本気に


なれば、一人で一国の軍隊と互角程度に戦えるくらいには、強い。


 それは決しておごりではないのだ。


 だが、目の前のこの子供はどうだ。一人で一国の軍隊と戦えるほどの力を持つ


ガイが、目で追えぬ速さで彼の命を狙ったのだ。


「っざけやがって・・・」


思わず苦しげな笑みがもれた。


 「・・・どうだった?あの子の攻撃。」


いつの間にか、ガイと同じ位置まで下がっていたヴァイアが問いかける。


「・・・はっ・・・ったく冗談じゃねーよ。見ててわかったろ。」


「ん・・・。僕らが言うのもなんだけど、化け物だ。」


 二人には、会話はそれだけで充分だった。目で示し合わせ、一度確認するよう


にうなずきあうと、ガイはむかって右に、ヴァイアは向かって左に飛び出した。


 彼らの戦い方では、二対二よりも一対一の方が有利だ。相手の力量が自らと同


じかそれ以上のときはなおさら。理由は至極単純で、背中を気にしなくて済むか


ら。


 クランとシランがこの戦い方に乗ってくれるかわからなかったのだが、幸いな


ことに、クランはガイを、シランはヴァイアを追ってきた。


 「こんなことしたって結果は同じだよ、銀髪のお兄さん♪」


シランが、余裕綽々という笑みを浮かべながら言う。


「うん。そうかもね。でも、少なくとも二人一緒にお陀仏だー、なんてことには


ならないんじゃないかな?」


ヴァイアはヴァイアで、なにやら楽しそうに微笑んでいる。


「それじゃ、ようやく戦闘開始といこうか。」




 



・・・なんか・・・いろいろすいません・・・。


いや、ホントもう、すんません(笑)


・・・精進します☆(する気ねえだろ!)

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