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予感

 「・・・はっ、殺しに来ただ?」


ガイが、クランとシランに嘲笑あざわらうような表情を向ける。


 これまでに見たやわらかな笑みでなく、暗殺者のそれ。


「たった二人でか?」


 二人はその問いに、無邪気なようでどこか底冷えのする笑みを浮かべる。


「君たちを殺すには、二人で充分だよー、って当主サマが言ってたー♪」


 その言葉を聞いたヴァイアが、目をすがめる。


「当主?君たちはサンカトルクの当主からの命令でうごいてるの?」


「うん。」


「そうだよ。わざわざやって来てご苦労だよね。」


 そこまで言うと、シランがふと何かを思い出したような顔になり、口を


開く。


「あ、もし僕らが殺されても、もうその上は出てこないよ?襲撃を止めたい


なら、僕らのうちに乗り込まないと。」


シランの言葉にレインがすぐさま反応し、げっ、とうめく。


「マジかよ・・・。じゃあ果てしなく不利な戦いにいどむしか無くなってん


じゃん、俺ら。」


「あはは♪そうだねー。でもその前に僕らを倒さないとー。」


 そんな、すごく重大なはずなのに、どこか抜けているやり取りの中、


思案顔だったガイが、にっ、と笑って言った。


「おう、俺とヴァイアにまかせろ。」


ヴァイアも文句は無いらしく、黙っている。


 それを受けて、レーナは苦しげに笑う。


「それで私たちはどうするの?まさかホントに乗り込む?」


「・・・それしかないですよ。僕らがいない状態で襲撃されたら、とても堪え


られないですから。」


と、クラウドが苦笑して応じる。


 「おい。いつまでも待ってくれる雰囲気じゃないぞ。」


少し切迫した様子でデュライアが口を開いた。顔をあげると、クランとシラン


が今にも地を蹴ろうとしている。


「ちっ。ゆっくり考えてられないか。んじゃ、頼むぞ。」


「おう。まかせろ。」


「ん。」


レインの呼びかけに笑顔で応じたのを見ると、五人は二人を残して走り出す。


 しかし、レインが足を止め、二人を振り返る。その瞳は、なにか言いたげな


光をともしていて。


 それを見た二人は、目元をなごませて微笑わらう。


 そのとき彼らの脳裏には、ある出来事が浮かんでいた。もう随分遠い日のこ


とだ。・・・あの日は確か、雨が降っていた。


「わかってる。心配すんな。」


「僕らは死んだりしないよ。レイン達こそ、死なないでよ。」


 レインは、二人の茶化すようでひどく優しい口調に目をまたたき、いつものよう


に笑った。


「ばーか。」


そう言って、彼はもう遠くなってしまった四人の背中を追う。


 それを待っていたかのように、クランとシランが口を開いた。


「行かせてたまるかー!って言いたいトコだけど・・・」


「君たちがそんなに弱くないってことくらいわかってるしー。」


 「二人で全員殺せるって言っておいて、僕ら二人すら殺せなかったら、示し


がつかないね。君たち。」


ガイとヴァイアに先ほどまでの面影はすでに無く、人間味のせた顔につめた


い笑みが浮かんでいる。


 対するクランとシランからも無邪気な笑みは消え、顔には残忍ざんにんな微笑をたたえてい


る。


「ねえ。」


「お兄さんたち。」


『二人で僕らに勝てると思ってるの?』


 「・・・さあな。」









 同じ頃、ガイとヴァイアをのぞいた五人は、石塀いしべいを乗り越え、街に入ってい


た。


 「ねえ、さっきなに話してたの?」


リスリナがレインにたずねた。


問われたレインは、意味ありげにニヤリと笑む。


「ぶぇ~つにぃ~?」


「・・・はぁ?・・・ま、いいけど。」


 ところで、さっきから走り続けているが、いったいどこに向かっているのだ


ろう。きっと誰もがいだいているであろう疑問を、デュライアが口にする。


 その問いに、レインがどこかとぉ~くを見て半眼で答える。


「・・・サンカトルクの分家。」


『いや知ってる。』


「あはは。・・・あの二人を残したのは間違いでしたね。さっきまでこの街に


いたと言っていましたから、場所もわかっていたんでしょう。」


それで全員が黙り込む。しかし、しばらくすると、デュライアがどこかを指差


し、半眼で口を開いた。


 「・・・あれじゃないか?」


彼の指差す方向を見た瞬間、ほかの全員も半眼になる。


「あれだな。」


「あれですね。」


「あれね。」


「あれだわ。」


 彼らの見ている方向には、どこかの国の王宮といわれても疑えない城が建っ


ていた。あの規模で分家なのだから驚きである。


「ちょうど街の中心ってかんじね。」


いちはやく、なんとも言えぬ気持ちから立ち直ったリスリナが、いささか低い


声音で言った。


 「もうあれこれ迷ってても仕方ないし、乗り込んじゃいましょ。」


いつもは冷静なレーナが、何か吹っ切れたのか大胆だ。


「それもそうだな。」


デュライアがどこか懐かしそうに苦笑した。









 そのとき、雨が降ってきた。


 なにか不吉な予感をはらんだ雨は、夕立か、それとも喜雨か。


 ・・・あの日も、雨が降っていた。







 



伏線の張り方・・・?

知りませんよそんなのおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!

な12話でした☆


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