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蛙の恋  作者: 朝霧
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廃人

 なにがおこっているのか、じつはまったくわからないのです。

 けれどじぶんがとてもきたなくてみにくいそんざいになったことはわかるのです。

 はだはぶよぶよとくさったようなありさまで、なんだかよくわからないなぞのきたないえきたいでぬめぬめっとぬめっています。

 からだはちくしょうのくそみそがつまったどぶよりもひどいにおいをはなっているのがわかります。

 てのかたちもなんだかおかしくて、かえるみたいなへんてこなかたちで、あしもぐにゃぐにゃにまがっていて、ところどころにうじむしがわいているのです、あとほねもみえています、なぜかほねのいろはむらさきとみどりのまーぶるもようなのです、とってもキモチワルイ。

 どうたいのあちこちにふとくておおきなみみずがぶらさがっていて、おへそからはたえまなくはいいろとちゃいろとみずいろがごちゃっとまざったえきたいがあふれているのです。

 かおやみえないところがどうなっているのかはしりません、けどきっとにんげんとはかけはなれたおぞましいなにかにへんぼうしているのでしょう。

 それだけならべつにいいのです、それだけならわたしがつらくてかなしいだけでいいのです。

 だけどああ、きょうもまたあのかみさまみたいにキレイなひとが、やってきてしまいました。

 そのひとによごれてほしくなくて、きたないからさわらないでといっているのに、そのひとはいつもいつもきたないわたしをさわって、うれしそうにしているのです。

 やめて、やめてください、ああ、よごれていく、わたしのせいでよごれていく、あなたがよごれてしまう。

 どうかやめてください、さわらないでください、そんなしあわせそうなかおをしないでください、きたないから、よごれないで、あなただけはきれいなままでいて。

 だれか、だれかだれかだれかだれか、どうかだれでもいいのでだれか、わたしをころしてください、わたしというきたないものをこのひとのまえからかんぜんにけしさってください。

 だれかおねがいです、だれか、だれか、だれか。

 かみさま、おねがいです。

 この、このよでもっともきたないものを、どうか――

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