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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

キャラクター外伝 7.75 -残酷の死_重複投稿

作者: ナメクジ

もっと多くの方々が近づきやすい『フラットフォーム』でも活動を並行していきたいと思い、無理を承知の上で小説家になろうとの並行を決めました。 約束は必ず守るので見守ってもらえると嬉しいです。

「心を尽くしてそれに至っていたかった。 それが唯一の願望だった。」

感覚のない皮から鮮血が満ちあふれて流れ落ちる。

中身はとっくに溶けて赤い液体浸かり始めた瓶は

やがて皮が割りながら溢れた。



ヴイエリズが混乱している時に言われた正体不明の怪物の

式は次のターゲットが自分たちであることに気づいた。

「この歪んだ魔境(まきょう)犠牲(ぎせい)された(〔怪異〕)か...。」



〔怪異〕が敵意を出さず背中から觸手が二つ伸びている右腕を

ゆっくり上げると【()()()】急速で強烈な音と共に触手から

鋭くて固まっていないガラスがヴイエリズを狙って指して来た。

式の未来視(千里眼)がギリギリ追い詰められなかった

異常な速さの(やり)を式は〔オルタ〕の反転を利用して

超人的な器量で切り捨てた。



固まり始め、粉々になってしまった槍はまた熱を受けたよう

形を失って〔怪異〕に戻った。

「いきなり何の真似だ?やりたいなら私とやれ。心行くまで

付き合ってやるから。」


『誰も見つめることのない果ての黄昏よ(ダスク)


式は腰から剣の取っ手のようなものを前に出し、

じっと手に握っている物体と一つになるように魔跡ませき循環(じゅんかん)させた。

すると下に持っている黒い墨が落ちてくるように見えたが、

やがて形が取れ剣の形をした筆になった。



式の〔エゴ〕に興味がたのか、疑問の〔怪異〕はターゲットを式に

変えたかのように、無垢(むく)の殺意が込められた視線で式を見つめた。

それはまるで真夜中に山で本能に飢えている動物のような緊張で、

まるで全身の神経が最高のコンディションであるかのように

盛り上がる感覚を感じさせた。



〔怪異〕が不気味な笑みを浮かべながら体を半分傾けると、

割れるような音と共に飛んでくるガラスの破片とガラスを

作り出す触手の高熱の超速攻が、

自分に飛んでくるたびに式は己の周りにに黒い防御膜を払って守った。



「余計なまねは止めた方がいいですよ。どうせ見えていますから。」

吹きつける連撃中にも怪異は、使わない触手から水銀(すいぎん)を作り出し

後ろから動かそうとしたが、水銀を作ろうとした時点で

式の(千里眼)にはすでにすべてが見えていた。



計略がばれた〔怪異〕は、式に自分の手を読まれたのが悔しかったのか、

感情的に反応した。 その激憤(げきぶん)は〔怪異〕の魔力に大きく作用し

作られた水銀は一連の槍となって【()()

四季の視界を飛び越えて黒壁を突き破り腹部と胸に穴を突き刺した。



槍から貫通した穴が吐き出す鮮やかな血は怪異のガラスを赤く染めた。

目を包帯で覆っていたヴィエリズは突然、

式の声が消えた不吉なものは鋭い音と、

自分に飛んできた若干のぬくもりを含んだ血に悲鳴を叫んだ。



意識を失った式に見えるのは、ある手術室(しゅじゅつしつ)の冷たいベッドの上だった。

無感覚に近いほど全身が厚いシリコンで覆われたような感覚の中で、

まるでソーセージのケーシングが破れるように

注射針が皮を突き抜けて入ってきた。



忘れられない死の境地に立っている身の毛がよだつような感覚.

「ここは私をその深海に浸らせてくれた… でも…これは…にせ..もの。」

手術部屋の強い光のせいかそれとも堅実ではないと知っていても

抗えない痛みのせいかまた気を失った式が目覚めた場所は複数の鏡が配置され、

囲まれた複雑な形の部屋だった。



顔を上げて鏡を見ると、その破片には記憶の中に自分の姿が映っていた。

無数の鏡で埋め尽くされた部屋だったが、無感覚になっているせいか、

式が鏡を見れば見るほど、(記憶)から四季が離れて孤立していった。



「どんどん遠く...なっていく...私の...私だった…者の..。」

意識を失った式はその中の夢で内海でははないまたなる

深層世界に落ちて行った。冷気を感じる岩礁に体を突き刺されたまま、

やや凍った波に押されて意識が揺れる

混乱しながらも不透明な感覚の果てで誰かの声が聞えた。



「遠さは孤独は浮かび上がせるものだからな、

これは誰のものでもない僕たち(お前)孤独(恐怖)だ。

どうした諦めていいのか?」



声に視線を向いたら足元の影の方からの一つだけ消えていなかった

鏡を見つけた式はそこで自分の〔エゴ(オルタ)〕を見た。

自分だと勘違いするほど似ているが見た瞬間、自分ではないと確信した

〔オルタ〕の問いに式は答えられなかった。言いたいことがあったと

思ったが口にしようとした瞬間泡のように消えてしまって言えなかった。



その姿を見てもどかしかったのか、〔オルタ〕は鏡から手を伸ばして

式の意識を自信のあるところを引き入れた。

死体のように無気力になった式の頭に手を当てると、

式が認識していた遠ざかっていた鏡は、反転して距離が縮まり、

やがて光が輝き、手術室を経て普段通りの式の潜在意識(せんざいいしき)に戻ることができた。



「単純な認識の距離が問題ならそれをひっくり返せばいいことを

何手間追ってるんだ。 これはそれほどレベルの高い幻覚ではないけど、

たぶんシ電子の精神世界と何か公明しているのかな?

今のお前には見えないが、あいつも相当こじれていて芸術品のように

繊細なので見向きもできないほどだ。」



「〔オルタ〕かぁここは一体?いや何で私、深層世界に入ってんの?

それに覚えている景色とちょっと違う気がするけど繋がったってまさか...。」

式の反応が予想通りだというように、オルターはガラスと鏡を利用した

数多くの工芸品と石像が並んでいる場所を差した。



溶鉱炉(ようこうろ)の熱気が漂う工房の門に入ったそこには、

外よりも多くの芸術作品が作られていた。

そこには溶鉱炉よりも熱心にガラスを磨いている工芸家(こうげいか)がいた。



ひたすら作業にだけ目がくらむように周りを気にせず、

ガラスを重ねていた彼は

「まだ足りない...あの境地に至るには...まだ足りない。」

という言葉を繰り返していた。

芸術に博識(はくしき)なわけではなかったが、彼が作り出したすべての作品は

芸術を超えて魔術的価値を持つほど魂が込められている傑作だった。



工芸家の作品が織り成す芸術性の世界は恍惚(こうこつ)としたほど美しく、

模型(もけい)の形象としての価値を超えて生命を与えられた一つの

開彩のような伝達力を持っていた。 それが持つ話は、

時には荒波(あらなみ)のようで、時には砂漠の砂のように柔らかく感じられた。



ひたすら目標の境地に到達するために成功の座を下ろし、

人生を犠牲にしてまで到達できない絶望に溺れる死にかけている

彼の姿に、自分との同質感を感じさせる胸の片隅が苦しくなってきた。



自分の感情である工芸家のそれに同化してためらう志貴に、

ガラスが割れる音とともに、慣れた絶対に忘れてはならない

誰かの声が聞こえてきた。



その声に反応した式の意識は跳ねるチェーンのようにほとんど

飲み込まれていた式を元に戻すことでやめず、

式はとある芸術家との幻の世界の公明から現実に戻れた。



自分を貫いている槍を手でつかんで折った。

()()()()()】重いながら冷たい金属音からの衝撃のせいか

式が気を失うのと同時に動きを止まっていた〔工芸家(〔怪異〕)〕も目覚めた。

式と繋がっている間吸収した式の魔力のおかげか言葉をしようとした。



霊盗い(れいどい)、そう..そう言う事か...いや、

魔術を知らない人間がここまでの〔怪異〕になるまでは

かなり盗んでいくだろう それだけ芸術家としての完璧

という誇りは汚されていっただろうし、相手が怪異なら知れたことを、

見せられた幻があまりにも美しくて忘れていた。でも良かった...。

おかげで頭がすっきりした。今ならなんの躊躇なくやれる。」



怒ったようにも見えるシキの言動を陰で聞いていたヴィエリズは、

状況をはっきりとはわからなかったが、少なくとも今式が〔反転の劇団に存在(オルタ)〕を

使っていることをようやく理解した。 それもそのはず、ヴィエリズの記憶する式は、

たった一度も乱暴になった事がなかったから以前の悟からの式の話の内容の一部を

思い出したヴィエリズは安心出来た。



すでにお互いを経験した2人は言葉を口にしなくても、

いつお互いに向かって攻撃を始めなければならないか分かっていた。

始まりの合図は微弱な空気の揺れ互いの姿勢が変わった一瞬、

以前よりも速いスピードで水銀製の武器と高熱のガラスで式は先手を取られた。



威力も速度も格が違うように増加した怪異の攻撃にさせる〔オルタ〕を

利用した超人的な反射神経で〔ダスク〕を利用して滲み出たが、

肝心、直接的な攻撃はせず工芸家の攻撃を受けて次第に距離を縮めていった。

式の圧迫に自分がミリオであることを感じた工芸家は、




「まだ…まだ‼足りんのだぁぁぁぁl!!」と叫び、

ヴィエリズに霊盗いことを試伝しようとした。

ますます理性を失って能力が暴走した怪異が送り出した水銀がどうしても防げず、

ヴィエリズの左胸を貫通した。



自分を擦りぬいて後ろに【()()()】と強烈に指す音は式において

罪悪のトリガーだった。理想のため人であることをすて理性を失った

芸術家の最後くらいそれにふさわしく静かなぬくもりのある

最後にしてあげたかった。それが彼の心を除いてしまった

己の今のやるべきことだと思って感情を収めていた。




「でも、それはもう出来ない。貴方を、貴様なんかに

安ら死はもったいない。」と言いながら、怪異の肩を強く握った。

怪異が式を悟った瞬間には、すでに式紀の手に握られた〔ダスク〕は、

壊れた水道の蛇口のように、墨が止まらずに溢れ出ていた。



式の周りに蹴った墨はやがて式を包み、龍の形をして走ると、

式が再び主導権を握ったように黒い龍の形をしたが、

式の背中の黒い翼になって消えた。


『我・黄昏の崩落の龍として・なんじの生の終着を・導くものなり・

終わりなき終焉を渡れ・〔:星の内海に鎮まった奈落よ(ボォーティガーン)〕』


ヴィエリズが再び目を覚めた時はさりげなかったように

目と胸の傷は治ったまま、灰色地代の大使館の部屋だった。

華やかな部屋だが、時計がないのが欠点だったので、

窓の外の夕焼けから夕方の時間だったことが分かった。



部屋にはメイドと式が自分を介抱する途中、

疲れたようにうつ伏せになって寝ており、その他には

ソファに悟が首を後ろに振ったまま寝ているようだった。

まだ宵の口で, 起き上がったばかりのヴィエリズは

少しゆがんだような時間感覚の優しさに心地よさを感じた。



あとでいちばん早く起きたのは悟りだった。もう二人が起きる前に、

依頼費用のことだとか、二人はいろんな事をつぶやいたが、その時、

食餌怪異を殺してから倒れた自分を背負って悟りのある入り口まで出て、

そこから帰ったという話を聞いたヴィエリズは、切ない表情で式を見つめた。



[終]

2021年11月からpixiv小説で活動始めたナメクジと申します。 以前から小説家になろうで活動することを考えていたのですが、アトリエ環境を見直しながら併行することになりました。




完全に並行が可能に慣れるまでは時間が少しかかると思いますが、多くの方々に私が製作するコンテンツを楽しんでもらいたいと思っております。

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