聖剣 坂山 剣田
8時15分今俺は学校の近くにいるはずなのだが、どこにも学校らしき建物が見えないビルばっかりなのだ。8時50分までに行かなきゃ遅刻になるのだ。
そう俺は今から新しい学校に登校するのだ。俺は地図を見ながら近道をしたはずなのだが、一向に学校が見えない。このままでは転校初日から遅刻して悪目立ちしてしまう。それだけは避けなくては、ここでも友達がいないなんて、知られたらあの人に笑われてしまう。あれ、あれは俺と同じ制服じゃないか、あいつについて行ったら学校に着くぞ。今日の俺は運が良いな福引券があるから帰りに回してみるか。
「キャー誰か!助けて」
「うるせぇ!痛い目にあいたくなかったら、黙ってついてきな」
人目のない所が多いからな助けは来ないだろうな、俺が助けなかったら危ないかもな。クソ〜どうするここで助けに行けば絶対にあいつを見失って俺は学校に遅刻どころか行けない可能性すらある。
「誰かーお願い助けて」
「うるせぇってんだろコラァ」
「キャー」
「黙らねぇから痛い目に合うようになるんだよ。分かったかよ」
「・・・」
「やれば出来るじゃねぇか」
やっぱり見過ごすことはできねぇな。
「待って君、あの人を助けに行くのかい」
こいつは俺の前にいた、同じ学校の生徒じゃないか。中々の美少年だったんだな。
「まぁ、一応そうなるかな」
「あなたは、あんなデカイ大男を見ても怖いとは思わないんですか!」
「怖い?、そんな事は考えた事も無かったな、てかもう俺は行くわ」
「きっとこの人は強い人なんだな」
「なんか言った?」
「うん言ったよ、僕をあの人を救うのに使って欲しいって」
え、ラッキーやっぱり運が良いぞ、これで遅刻をしなくて済む。
「ふん」
「なんだよ、手なんか出して」
「握ってください」
「何だよ、怖いなら見てろよ」
「ち、違います!ちょとだけです」
何なんだよ結局怖いんじゃねぇかよ
「おい、てめぇら何見てやがる、見たからには覚悟できてんだろうな!」
「ごめんなさいごめんなさいー」
何なんだよこいつビビリなのか?。そんな事よりどうする不意打ちして勝とうと思ったのに、あんな大男に真っ向から勝負して勝てるのかよ。
「おい、お前は下がってろって、いねぇじゃん。逃げんの早くねぇか」
「逃げてません、それ以前に逃げれません。」
「おい、お前どこにいるんだよ」
「下を見てください」
あれ、こんなとこに剣なんてあったっけ?まさか
「これが、さっきのお前か!」
「はい、僕は剣になれるんですが。僕極度の怖がりでして、こうゆう状況に立つと無条件に剣になってしまうんです」
その中途半端な能力は何だよ、強いのか弱いのか分かったもんじゃないな
「で、お前は強いのか?」
「分かりません、誰もわざわざこんな僕を使おうとはしないので」
そんな不確かな能力で俺とあの大男を戦わせようとしてたのかよ。俺はお前が怖いよ、本当に大丈夫なんだろうなぁ
「いつまでくっちゃべってるんだよ、舐めてっと殺すぞ」
「あの人よく見ると超怖いですよね」
「なに、呑気なこと言ってんだよ。ほら行くぞ」
「うぉと、まだ心の準備ガァー」
ーシンクロ率ゼロー
あいつは人体変化系の能力者か面倒くさいな、肉体強化の方がまだ可愛げがあってよかったよ。見た目はデカイ二足歩行の牛、これが本物の闘牛か、我ながらうまいな。
まずこいつはちゃんと切れるのか?
「ガキどもが、俺に真っ向から挑んで勝てると思ってんのか」
「勝利の発想」よ、未来を写せ。攻撃の連打か、根っからの脳筋野郎だな。こんなの全部避けて一発でお終いだ。
「おらガキどもが歯ぁくいしばれゃぁぁあ」
くそ、思った以上に早い避けれないな、避けきれても意外とガードが厚い、強いなこいつ。
「ちょこまか逃げんなぁあ」
やばい、避けれないな踏み込め、この剣壊れんないよな。
「ブラぁあ!、壁にめり込んだブルるる」
くそ本当に見るだけじゃ威力までわからないから不便だよ。中々に響いちまったな、こりゃ逃げた方が得策かもしれんな。
「おい、痛みとかあるか」
「だ、大丈夫まだ僕は行けるよ」
まさか剣で受けた、ダメージがあるって事か。
「僕を使ってもらってるから、嘘はつかないから言うけど、凄く痛い。でも僕頑張るから!僕に守らせて」
こいつが頑張ってるのに、使ってる張本人が弱音ばっかでどうするんだよ。何が僕に守らせてだ。あの女は守らせてやるが、お前自身は俺が守ってやるよ。
俺が全力を尽くしてこいつを守る
僕がここのみんなを守るんだ!
ーシンクロ率15%ー
「なんかお前、小さくなってない?」
「うぁー本当だいつのまにか短剣になってる」
だげど不思議と体が軽くなった気がする。剣も持っているというより、体の一部って感覚に近い気がする。
「うぉ、まだ生きてやがったか。これは嬲りがいがありそうだぜ」
「今なら全力が出せる気がするよ」
「確かに気分がいいな」
またこいつは攻撃の連打かよ打つ前に終わらせてやる
「もう一回壁にめりこめブルるー」
あれ、攻撃に体が反応できてる、これなら行ける
「一発で楽にしてやるよ」
「やってみろよぉぉあ」
こいつもスピードを上げてきたかここで終わらせるつもりらしい。お望み通りにしてやるよ、全てを避け切って一撃だ顎に入れて眠らせてやるよ。
「剣ごとへし折ってやるよ」
ここだ駆け上がれあいつの顔面に一発ぶち込んでやれぇえ。
「いっけぇえ剣田ー」
「おい。やめやろー」
筋肉質の2メートル有ろうかという程の闘牛は地面に落ちてから立ち上がる様子はなかった。この状況を理解するのに、数秒かかってしまうほどに呆気なかったのだ。
「やったよ晴人君」
「ああやったな剣田ってお前服は!」
「え、本当だって、、、見たの」
「見てない見てない」
「嘘だ!、見たんでしょ」
マジかよ美少年かと思ったら普通に少女なのかよ、話を変えないと殺されそうだな。
「てか剣田の能力って燃費悪いないちいち服が脱げたら、溜まったもんじゃないよな」
って俺はアホか何で話を裸に繋がるんだよ
「いや服は初めてだよ、前まではこんなことにはならなかったんだよ」
こいつも中々のアホで助かったー
「それより、見たんでしょ」
「それより服を着ろ、ほら上着貸してやるから着ろ」
「うわぁ、ありがと。晴人君って案外大きんだね」
「あ、貴方達ありがとう、貴方達白桜学園の人達でしょ。私はそこの教員をしてるんだけど、なんか困ったら助けてあげるは」
この人教員だったのかなら遅刻してもこの人が助けてくれるから、やっぱりラッキーじゃん俺。可愛い子の裸も見ちゃったし。
「晴人君凄い、ニアけてる。やっぱり見たんだ」
「今時間って何時剣田?」
「えっとね8時50分って遅刻だよー」
「おい、走るなよ見えるぞー」
「あっ、そうだったって見たんでしょ」
「2人とも仲良しねぇ、そういえば制服ならあるけど女物しかなくてごめんなさい。これで良かったらきてちょうだい」
「それでいいよな、剣田は」
「見たんだー」
てかそれより何で俺はこいつの名前が分かるんだ。あの剣が短剣になってからこいつとシンクロした感じで違和感なく剣田が俺の中に入ってきたような。まぁ考えてもしょうがないか。こいつと一緒にいたらいつかは分かってくるだろ。
「なぁ剣田、本格的に俺の右腕になってくれないか」
「え、晴人君?」
「俺にはみんなを守れる程の能力が無いんだよ。だから剣田に俺をずっと守ってほしい」
「僕で良ければ、是非守らせてもらいたいよ」
「BLきたー」
剣田も女ってバレたので逃すわけには行かないと言ってくれた。この先何があろうと何も怖く無いと思っていた。学校に着くまでは
ーシンクロ率0%ー