大石 久信
フィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は全て架空の存在です。
登場する人物・団体・地名・施設等は実在の物とは一切無関係です。
大石 久信 故人
大島サイクルの前身、大石サイクル店主。大島の師匠
25年前の時点で理恵には老人と見える年齢だったらしい。
大島が20代の時に亡くなっている事から戦前生まれと思われる。
自転車販売・修理をしながら日本のバイクを黎明期から見てきた職人。
スーパーカブ登場時に試乗。その出来に感動して取り扱いを始めた。
「これは時代を超えるバイクや!」
「静かで煙も吐かず燃費が良い。未来まで走れるんと違うか?」(大石)
それ以来、ホンダ横型エンジンに惚れ込みチューニングにのめり込む。
当時のバイクは高額商品。壊れると信用にかかわるので
丁寧・正確な組み付けをして軽やかに回るエンジンを組んでいた。
『あいつの修理したカブは新車より馬力が有る』と評判となった。
琵琶湖湖岸に在ったサーキットでのミニバイクレースで
大石が改造したエンジンを搭載したモンキーは好成績を残した。
自身もレースにスポット参戦していた。ゼッケンナンバーは⑤
大石→おおいし→0014→0+0+1+4=5→⑤だから。
初めて店を訪れた客を質問攻めしていた。
どの様に使うか・どこを走るか・何を求めるか
細かな事まで聞いたのは要望通りのバイクにしたいからだった。
133話~135話で理恵と数日間過ごした。
理恵が帰った後、ジャンパーから手紙を見つけた。
未来を少しでも良い方向へ向けようとしたが、大して変わらなかった模様。
遺したお宝部品で大島のピンチを救うのが精いっぱいだった。
「理恵坊よぅ、細かな時間が解らんと事故は防げんぞ」(大石)
高嶋高校へ通う生徒のバイクを改造し始めたのは昭和末期から。
怪我をして思う様に自転車に乗れなくなった大島にカブ系エンジンの事を教えた。
「段取り八分・仕事二分。メシと馬力は腹八分」(大石)
「段取りが出来たら8割方仕事は終わった様な物と教えられた」(大島)
平成も数年が過ぎた頃、体の不調で店を閉めることが多くなる。
体力に限界を感じて店をたたむ事を考えていた。
その頃、常連の大島が工場の倒産により失業。
大石サイクル丸ごとを買う事を勧めた。
数か月間、全てを大島に引継ぎした後に隠居。
大島サイクルの開店前日、大石は大島に言った。
「これから辛い事が有るかもしれん。お前が挫けそうになった時、
耳元で天使がこう囁くやろう。『手を動かせクソ坊主!大石のおっさんが付いてる!』」
隠居する前に相当数のエンジンを組んでいた。
「レーシングサービス大石の宝珠の様なエンジン」(マニア)
「解らん奴に買われて潰されるなら俺が高値で買う。金に糸目は付けない」(某レーサー)
天使が囁いたかどうかは別として、大石が組んで遺しておいたエンジンは
マニアに高値で買われ、店を潰しかけた大島を助けた。
「俺の天使は大石のおっさんや」(大島)
隠居後は海が見える老人ホームで過ごしていた。
最期の言葉は「やはり時代を超えたか」
郵便カブのエンジン音を聞きながらこの世を去った。
故人なので、回想シーンや大島の夢で登場する程度です。
高倉健と菅原文太を足して2で割った感じの渋いお爺さんです。




