1/2
一話
可笑しな面を沢山見た。拗ねた哲学者の様に不機嫌な面提げて、彼は座っていた。
白い椅子は座面の表皮が剥げ落ち、黄色い面で佇んでいた。
部屋全体がどうにもオカシイと思ったら、床の木板の列びと壁面が合致していないのだね。
壁は四面に建っていて、台形を形作っている。
その台形が面妖さね。
斜めの辺が長いものだから、床の筋目と合わないのさ。
そう、異様な空間は屹度その所為だ。
長四角の机が六ツばかり、整然とは言えない面で列んでいる。
頑として正しく列ぶのは嫌いなのか。まさか、そんなモノなのに。
さあ、ぞろぞろとお出ましだ。
斜視の人が四人もいる。でも、そんなことはどうでもかまやしない。
皆がみな、決まり切った様に同じ出で立ちでお出でなさる。
毎日同じ服装の人は数えるより早く分かる。男は一人年若を除いて全員そうだからさ。
年若と言ったが、其奴も30は越えてるらしいや。
女は、若いのが4人。
そのうち一人を除いて、服装には気を遣ってるらしく身形は一人前だね。