キス
大変、ご無沙汰しておりました、生きております(_ _)
一年以上、更新出来ずすいません…。
ですが、これからも超不定期ですが続きますので、気長〜〜にお付き合い頂ければと思います……!
今回は渉から……。
※途中キスシーンなどあり
三田頼之に天使渉がそういうことを出来ると意思表示をしてから、渉も少しずつ自分からスキンシップをとるようになっていた――。
「……無理してないか?」
不意に頼之から訊かれ、渉は洗い終わったお皿を拭きながら「何がですか?」と思わず聞き返す。
今だって家事をいつも通りこなしているし、大学の講義やバイトだって行っている。
渉自身、無理をしているわけではない――。
「俺と付き合ってることだ」
「……へ?」
「最近、色々調べてくれたりしてるんだろう?」
「えっ……?!」
頼之の言葉に、渉は驚いてから目を泳がせる。
頼之には言っていないが、渉は頼之と繋がるためにひっそりと調べ始めていたのだが、バレているとは思っていなかった。
「たまに口から出てる――」
と頼之は渉に苦笑する。
同性とするにあたっての準備などについて悶々としている間、知らず知らずに口から洩れていたのだろう。
「それは……、恥ずかしいところを……っ!」
「お見せしました……」と渉は恥ずかしさに耐えきれず顔を覆う。
頭から湯気が出るほどの恥ずかしさに襲われつつ、それを紛らわすように渉はパッと顔から手を離して続けた。
「い、いや〜……、下準備とか、色々調べて自分でもちょっと準備してみたんですけど、やっぱり初めてだから全然ダメでした」
「……準備?」
「はい、後ろに指を――、……」
そう言ってから、渉は今のは言わなくてもよかったのでは……と思い、静かに口をつぐむ。
ソファーに座る頼之にそっと目を向けると、頼之と目が合って、余計に恥ずかしくなった。
「ぇ……と……、その……」
「自分で、したのか……?」
「したというか……、その、えっと……人差し指、だけ……。いっ、ぽんが、自分じゃ限界……だった、と、いいますか……っ、…… 」
頼之に答えてから、何を報告してんだ……?!俺は……っ!!と渉は顔を赤くして俯く。
こんなことを言われたら、頼之だって困るだろう。
恐る恐る渉が顔を上げると、なぜか頼之は小さく笑っていた。
「……サンタさん……?」
「いや――、悪い、ついな……。テンシも、先のことを考えてくれてるのかと思ったら、嬉しくて」
そう言って頼之が余裕のある笑みを浮かべるので、渉は自分だけ照れているのが少し悔しく感じる……。
「さ、サンタさんは、考えたりしないんですか――?」
お皿を片して、渉もソファーにそっと座った。
頼之は「俺か?」と優しく微笑む。
「そうだな……。先じゃなくて、今も考えてるよ」
「今?」
「あぁ。たとえば、今俺がキスしたら、渉は応えてくれるだろうかとか、身体に触れてもいいだろうか、とか――な」
と頼之は渉を見つめる。
真っ直ぐ見つめられ、渉は小さく息を呑んだ。
「……渉が、俺にそういうことをしてもいいと言ってくれてから、そんなことばかり考えてるよ」
そう言ってから、頼之は苦笑する。
「こんなんじゃダメだな、今のは聞かなかったことにしてくれ――?」
頼之が顔を前に戻すと、ふいに頬に柔らかい何かが当たった。
ふと顔を横に向けると、渉が照れたように頬を染めていた。
「……聞かなかったことには、しません……。あと、サンタさんからキスされるのは、う、嬉しい、ので、大丈夫です……。触られるのはちょっと恥ずかしいですけど……、嫌じゃない、ですし――」
視線を逸らしつつ、途切れ途切れに伝えてくる渉が愛おしくて、頼之はそっと渉を抱きしめる。
「……そうか……ありがとう……」
「……さ、サンタさん――」
「ん……?」
渉に呼ばれそっと離れると、今度はしっかり、でも優しくそっと、頼之に口付けた。
「……っ」
「手、出していいのか……?」
「サンタさんが、前に言ったんじゃないですか……」
そう顔を赤くして言う渉に、頼之は覚えてたのかと嬉しく思いながら、優しく微笑んだ。
「じゃあ……、遠慮なく――」
頼之が口付けると、渉もぎこちなくだが応えてくる。
そっとシャツの下に手を忍ばせると、小さく肩が震えた。
そのまま優しく撫でるように手を滑らせ、シャツを胸の上に捲り上げる。
「ン……ッ、は、ぁ……、サンタさ、あの……っ」
「ん……?」
優しく唇から顎、首、鎖骨……とキスを落としていくと、渉は顔を赤くしたまま、恥ずかしそうに言った。
「さ、さすがに、その……、最後までは……っ、出来ない、と……」
目を逸らして、申し訳ないというような顔をする渉に、頼之は微笑んで口付ける。
「さすがにな、最後まではしないよ。それに……、俺にも慣れてもらわないと……――」
「サンタさん、に……?」
慣れる……?と不思議に思いつつも、頼之にまた深く口付けられて、その先は考えられなかった――。
*
「……悪い」
その日の帰り、渉が帰ろうと玄関で靴を履いていると、頼之に謝られた。
「何で謝るんですか、大丈夫ですよ。それに、先にキスしたの、俺ですし――」
と渉は少し頬を染める。
あの後、渉は頼之に沢山キスをされた。
逆に言えば、キス以外はされていないし、身体を触られたがイヤラシイこともされていない。
されたと言っても、上半身に数ヶ所キスマークといわれるものを付けられたくらいだ。
ちゃんと考えて付けたのか、痕は服に隠れるし、謝ることではないと渉は思う。
「……じゃあ、また来ますね」
「……あぁ、気を付けてな――」
若干のぎこちなさと、ふわふわとする気持ちを抱えたまま、渉は頼之の家を後にした。
渉が帰ってから、頼之は自分の行いを思い出し、少し後悔する。
「……がっつきすぎだろ――」
渉から、しかも唇にキスをしてくれたのは、初めてだった。
それに、渉が先のことを考えてくれていることも頼之にとっては嬉しくて、思わず欲が出てしまった。
キスマークだって、あんなに付けるはずではなかったのだが、止められなかった。
「……これから大丈夫か、俺……」
これからが本番なのに、キスをしてくれたというだけでこんなに欲が出てしまった……。
これからはもっと気を引き締めないとな……、というか、理性保てるのか……?と頼之は一人苦笑するのだった――。
*
一方、帰宅した渉は、お風呂に入ろうと洗面所で服を脱いでいた。
「……うわ――」
そして鏡に映った自分の上半身を見て、渉は一人驚く。
数ヶ所だけだと思っていたが、思っていたよりも沢山痕が付けられていた。
シャツで隠れる位置から、転々と模様のようになっている。
「……凄いな……」
と右手でその痕をなぞる。
なぞるとさっきの事がフラッシュバックして、渉は一人赤くなる。
それからぶんぶんと打ち消すように頭を振って、気持ちを切り替えた。
「思い出してる場合じゃないだろ……! 風呂だ、風呂――!」
そう言いつつも、この先を考えない、なんてことは出来ず……。
お風呂に入りながら悶々とする渉だった――
お風呂に入りながら。
渉「これから…か…。てか……何かの病気みたいだな…(鏡を見て)」




