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電光掲示板

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「蟹座、おい、蟹座よ!」

「何でしょうか?ガブリエル様」


ここは天界ノエルと呼ばれる一つの世界。

その世界の中心となる《中央都》にそびえ立つ天空の塔の一階、天使の間。

そこに蟹座と呼ばれた少女と大天使なるガブリエルがいた。


「貴女、黄道十二星座になって幾つ経ちました?」

「約三年ですが…」

「そうですか。しかし、何故貴女には使いがいない?」


使いとは、黄道十二星座に使える下級天使のことである。

この世界には、神、大天使、黄道十二星座、上級天使、中級天使、下級天使と位が存在する。

黄道十二星座には必ず使いがいないといけないという決まりが存在する。


他の黄道十二星座は皆、下級天使を使いとしていた。

または、中級天使、上級天使も使いにしている。

黄道十二星座の仕事。それは、悪魔祓いだ。


人間界に住み着いている悪魔を浄化する。

黄道十二星座の一星座を一部隊として悪魔を祓っているのだ。

しかし、彼女は独りだった。彼女は優秀な戦いをしており、始めに使いだった天使はついて行けず堕天した。


彼女の周りには人が減っていった。

大天使側も黙秘していた。しかし、先日、彼女は作戦に失敗した。

そのことがあってか、大天使側から使いを作れと指示を出したのである。



            ☆       ☆



「残念だねー!遂に作っちゃうのかー」

「まぁね。しかし…」

「大丈夫だってさ!」

「そういう訳じゃないんだよ。獅子座」


彼女は獅子座。蟹座の数少ない友達。

天界では、彼女の舞台より攻撃力がたかい部隊はいない。

天界NO1の攻撃力を誇る星座だ。


「何人つくるの?」

「人数制限なかったから、一人で十分」

「すくなっ」

(また、堕天しちゃったら困るし…)


そうして彼女は《転生の間》の中心に立つ。

そして、呪文を唱えた。



            ☆       ☆



酷く暗い世界。そこに佇む一人の人間。


そして人間を吹き飛ばす…四角い物体。


「うわああぁあぁぁぁあああ!!!」


俺は自分の叫びで目が覚めた。

時計を見る。7:00を示していた。


「お兄ちゃん!起きて…て、汗だくだくだねー!何か怖い夢でもみたの?」

「あ、ああ。ちょっとな。大丈夫だ。涼」

自分でも汗で体が濡れていることがわかった。


妙にリアルな夢を見た。誰かが何かに轢かれる夢。


「そう?じゃ、早く食べて!朝ご飯!」

妹の涼は部屋から出て行く。俺もそれに続いて朝食を食べた。


俺の名前は明日葉進。明日に向かって進むという由来だ。

高校一年生野球部所属の一年エースピッチャーだ。

自慢じゃないが何故か俺には野球の才能があるらしい。

最高時速は143km以上。変化球もそれなりにある。


今日は午後から部活だが、部活も楽しい。

今は5月だと言うのにもう高校に慣れた。いい高校ライフを送っている。


「進!迎えにきたよ!」

「綾香?悪い!今いく!」


俺の幼なじみの綾香とも恋人関係を結べたし。

最高な人生を送っている俺!


そんな幸せな日々を過ごす俺の幸せは一瞬にして消え去った。



『まもなく、列車が参ります!』


駅のアナウンスが響き渡る駅は珍しく混雑していた。

うまい具合に動きがとれない。部活終わりの疲れた身体に疲れがたまる。


『5月17日月曜日』とかかれた駅の電光掲示板が輝いてみえる。

時刻は20:21。電車がこちらに向かって汽笛を鳴らしながら向かってくる。


ドンっと後ろから背中が押された。


『まもなく列車が参ります!黄色い線より外側にー…』

アナウンスがゆっくり聞こえる。

俺は身体が空を浮いてる感じがした。


「え?」


おもわず声が発せられる。

一瞬なにが起きたか分からなかった。

ただ、俺が線路に落ちるという感覚がしーー…




『今日午後8時20分過ぎ、○○駅の線路に落ちた男の子が電車に轢かれました!名前は明日葉進くん』

『警察は混んでいたことにより事故と原因をみて調べています』






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