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【第二章完結】ゲーマーはゲームのような異世界に転生して最高の人生を掴むようです  作者: 星海亘
第3章 少年少女よ、大志を抱け

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第93話 情報収集




 ルクスは情報収集のために、グラジュスの影の諜報員がいる酒場にやってきた。

 商人街の裏路地の一角にひっそりと佇むその酒場『亡霊たちの宴』。

 中に入ったルクスを見た初老のバーテンダーが目を丸くした。


「おやおや、珍しいですね。ベネディクトゥスさんはどうしました?」

「急ぎで欲しい情報があってね。これ、前金」


 そう言ってカウンターに座ったルクスは大金貨十枚をバーテンダーに渡した。


「どういった情報をお求めで?」

「クラン『暴れ馬』の情報を」

「ああ、最近、『自由の翼』にちょっかいを出してらっしゃるクランですね」

「昨日、襲われた団員が出たんだ」

「それはまあ、穏やかではありませんね」

「うん、だから、暴れ馬の後ろ暗い情報とかも集めて欲しい」

「承知いたしました」


 バーテンダーは前金の大金貨十枚をすっと取って懐にしまった。

 そして、店の看板を『OPEN』から『CLOSE』にして戻ってくると、口を開いた。


「ルクスさん、なにかご注文などされますか?」

「じゃあ、エールで」

「かしこまりました」


 バーテンダーはエールではなく紅茶を淹れて、ルクスの前に出した。


「ルクスさんは未成年なので、エールは出せません」


 と言ったバーテンダーは苦笑していた。


「あはは、ちょっと飲んでみたかったんだけどな」

「成人してからになさってください」

「はーい」

「では、私は仲間に連絡を取りますので、外しますね」

「分かった」


 バーテンダーは二階へと上がっていった。

 ルクスは待つ間、店内を見渡す。

 焦げ茶の木製のインテリアで統一された店内は落ち着いた雰囲気だ。

 バーカウンターの内側の棚にずらっと並んだ酒の入ったボトルが洒落ている。

 ボトルを眺めているだけで、時間を潰せそうだ、とルクスは思った。

 暫くして、バーテンダーが帰ってきた。


「すぐに調べるとのことです。三日後には情報をお届けできるでしょう」

「分かった。ありがとう」

「いえいえ」

「成功報酬はどれくらいが良い?」

「そうですね……探れた情報次第でしょうか。良い情報を見つけられたら、追加で大金貨十枚いただきたいですね」

「うん、分かった」

「ルクスさんはいつも太っ腹で有難いですね」

「これでも稼いでるからね」


 鉛筆と和紙のライセンス料や冒険者活動で得られる収入もあるので、ルクスは稼いでいた。

 ライセンス料は鉛筆と和紙がかなり人気で凄い利益が出ているため、冒険者活動よりもライセンス料の方が儲けている。


「羨ましい限りです。では、お気をつけてお帰りください」

「うん、ありがとう」


 ルクスは酒場から出て、帰路に着いた。




 冠月ケテル八日。グラジュスの影からベネディクトゥスを通して報告書が届いた。

 暴れ馬に関する報告書の内容に目を通したルクスは、溜息を吐いた。


(みかじめ料にカツアゲ、詐欺、暴力沙汰、婦女暴行、人身売買……やのつく自由業か?)


 暴れ馬の悪事の中でルクスが最も腹を立てたのは、自由の翼に対する妨害だ。罵倒や自由の翼の批判、難癖を付けてくることまでは我慢できる。が、エマつまりは団員を襲ったこと、これはいただけなかった。


(俺たちに手を出したこと、たっぷり後悔させてあげないと……)


 ルクスは底意地の悪そうな笑みを浮かべた。


 夜になるのを待ったルクスは、いつかのように黒ずくめの恰好で窓から空へと舞い上がった。

 冒険者街にある暴れ馬の屋敷のバルコニーに降り立ったルクスは、鍵の掛かっている窓の一部を光属性魔法の【光線】で、一部を切り取って鍵を開けた。

 そして、中に忍び込む。

 中は執務室らしき部屋で、沢山の資料が置いてあるようだ。

 ルクスはカーテンをしっかり閉めて、光が漏れないようにし、光属性魔法の【光球】で部屋を照らした。

 金庫を見つけたルクスは金庫を鑑定した。


【暴れ馬の金庫】

クラン『暴れ馬』の重要な資料や金銭が入った金庫。

鍵は執務机の上から二番目の引き出しに入っている。


 ルクスは鍵を見つけて金庫を開け、資料を全てアイテムボックスに収納した。金銭は汚いお金だろうから、とルクスは手を付けなかった。

 用は済んだと、ルクスは部屋からバルコニーに出て、空を飛んで自分の家へと帰っていった。

 帰ってからルクスは重要な資料とやらに目を通した。

 その資料によれば、暴れ馬と憲兵を取り纏めている第一騎士団の幹部と癒着していることがうかがい知れる。


「……陛下に丸投げしよう」


 権力に対抗できるのは、権力だけだ、とルクスは頷きつつ、夜も遅いからと資料をアイテムボックスに収納して、ベッドに横になった。ルクスは、あっという間に夢の世界に旅立った。

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