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【第二章完結】ゲーマーはゲームのような異世界に転生して最高の人生を掴むようです  作者: 星海亘
第3章 少年少女よ、大志を抱け

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第79話 再会




 一週間後の知月コクマー(十二月に相当)六日の十時前、ルクスとベネディクトゥス、ラエティティアは商人ギルドにやってきた。

 入口付近で待機していた受付職員のライナーはルクスを見つけると、すぐさまやってきた。


「ルクス様、お待ちしておりました」

「こんにちは、アーメントさん」

「おお、名を覚えていただけたようで、光栄です。では、ルクス様、皆様、こちらへ」


 ルクスたちはライナーに連れられ、会議室にやってきた。


「失礼します」


 ライナーはノックして扉を開けた。

 扉の向こうには、使用人候補たちが並び立って待っていた。


「お前たち……」


 ベネディクトゥスが彼らを見て目を潤ませた。

 使用人候補たちはベネディクトゥスを見て目を瞠った。


「「旦那様……!」」


 そして、ラエティティアにも気付いた。


「「お嬢様……!」」


 使用人候補たちの中には涙ぐむ者が多くいた。


「えっと、事情を聞かせてくれるかな?」


 ルクスはベネディクトゥスに向かってそう言った。


「まずは、皆さん、座った方がいいのでは?」

「あ、そうだね」


 ライナーのツッコミに頷いたルクスは、席に座った。

 他の者たちもルクスに倣って座っていく。


「じゃあ、説明お願いね」

「……はい」


 ベネディクトゥスは語り始めた。


「私は元々大陸の西にある魔境に接する領地、人が生活できる領域としては西の端にあるところですね、その領地を治めていた伯爵家の当主でした。スタンピードで多くの領民を失い、多くの冒険者を雇ってなんとかしましたが、家財を売り払って借金をして冒険者にお金を支払いました。借金が返せなかった我々は使用人たちに紹介状を書いて、貴族の身分と領土を返上するため、王都にやってきて、手続きをし、借金奴隷となりました。彼らは、私の屋敷で働いていた使用人たちです」

「そっか……ちなみに、ベネディクトゥスは本当はどんな名前なの?」


 ルクスはベネディクトゥスの本名を鑑定で知っているが、何故、名乗らないのか気になっていたので、そう問うた。


「ベネディクトゥス・フォン・ヴィンター=アルノルト……フォンは貴族専用の前置詞なので、今はベネディクトゥス・ヴィンター=アルノルトですね。ですが、我らは領地を手放すことになってしまいましたので、名乗る資格はないと」

「そんなことないよ。それに、名乗らないということは、名を捨てたも同然だ。名には思い出が詰まっているし、領地との絆を示すものでもあるんじゃないか?」

「ルクス様……」

「故郷のこと、大事なんだろう?だったら、堂々と名乗った方が、俺は良いと思う」

「ありがとうございます、ルクス様」


 ベネディクトゥスは微笑んだ。一粒の涙が零れ落ちた。


「どういたしまして……じゃあ、使用人候補の皆さんの面接に移りましょうか」


 ルクスは使用人候補たちに視線を向けた。

 面接は終始穏やかに進み、ルクスは全員の採用を決めた。


「では、皆さん、三日後からよろしくお願いします。今日は積もる話もありますでしょうから、皆さんで話をしていってください。アーメントさん、会議室、もう少しお借りしても大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ」

「ありがとうございます。じゃあ、ベネディクトゥスとラエティティア、よろしくね」

「はい、ルクス様」

「あの、ルクス君……」

「なに?ラエティティア」

「本当にありがとうございます、ルクス君。ルクス君のお陰で、また皆さんに会えました」

「あー、偶然だよ」

「それでも、ありがとうございます」

「……うん、どういたしまして」


 そう言ってルクスはライナーと共に部屋を出た。


「世の中、不思議なものですね、まさかお知り合いがルクス様のお仲間にいたとは……」

「びっくりしましたね」

「……私にはそこまで驚いていないように見えましたが」

「俺、ポーカーフェイスはそこそこ得意なんですよ」


 ルクスは苦笑した。


「それは羨ましい限りです」

「ははは……」


 乾いた笑いを溢すルクス。


(アーメントさんの説明から、もしかしたら、って思ってたからなんだよね……)


 没落した貴族に仕えていた使用人。そこで、ルクスはベネディクトゥスを思い出したのだ。


(まさか、予想が当たるとは思わなかったけど……)


 再会を喜んでいた彼らを思い出し、ルクスは微笑んだ。


(ま、皆が再会できて本当に良かった)


 ルクスはライナーに見送られ、商人ギルドを後にした。

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