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【第二章完結】ゲーマーはゲームのような異世界に転生して最高の人生を掴むようです  作者: 星海亘
第2章 色とりどりの日々

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第58話 みんなで王都探検(第一回)




 まず始めにルクスたちは、自分たちの住まいがある職人街を見てまわることにした。


「今日は北表通りに面する職人街の建物を見ていこう」

「「はーい」」

「じゃあ、これ、メモに使って」


 ルクスは魔法で作った自家製の和紙と鉛筆を全員に渡した。

 作り方は簡単。

 和紙は、風属性魔法で亜麻を繊維状にし、とろみのあるトロロアオイの粘液を水と混ぜて、木属性魔法で作った木枠で掬い上げて均等にし、生活魔法の乾燥で乾かして、出来上がり。

 ちなみにトロロアオイの粘液は素材屋で売っていた。

 主に錬金術師が使うらしい。ちなみに、トロロアオイの根は、薬の素材の一つとして使われることもあるらしい。

 鉛筆はといえば、風魔法で木を削り出し、真ん中に穴を空けて、穴にピッタリの黒鉛の粉(ルクスが廃坑で拾ったもの)と土属性で作った粘土を混ぜ乾燥させ火属性魔法で焼き、熱した油(今回はオリーブオイル)を染み込ませ、冷して嵌めるだけ。

 あとは、短剣で削れば出来上がり。


「ルクス様、凄いものをお作りになられましたね……商品化すれば、絶対売れますわ」


 鉛筆の書き心地に魅了されたラエティティアが目を輝かせている。


「商品化かー。これは殆ど魔法で作ってるから、魔法以外の手段で作れる目処が付けばできるかもね」

「でしたら、商人ギルドで特許を取りましょう。そして、委託先を商人ギルドで探して貰うんです。それなら、できそうだと思いますわ」

「おお、ラエティティア頭良い!いずれ商人ギルドに行ってみるよ。今は探索に集中しよう」

「はい、ルクス様」


 ルクス一行は、北門近くまでやってきて、北門近くの職人街側の建物を一つ一つ見ていくことにした。


「表通りに面している建物はお店ばかりのようですね」

「うん、職人たちが作っているものを売る店だね」


 ゲームでも同じような店が並んでいたことをルクスは思い出した。


(ゲームでは、話しかけられない店のNPCもいたけど、今は現実だから普通に話せるし買えるのが新鮮だな)


 などと思いつつ、ルクスはゲームでは分からなかった門近くの端っこの木工品が置かれている店にやってきた。店名は『素朴な木工店』だ。


「いらっしゃいませ〜」

「こんにちは」


 ルクスはにこやかに店員に話しかけた。


「お聞きしても良いですか?」

「何でしょう?」

「このお店でオススメの品……一番売れてる木工品とかありますか?」

「そうですねぇ……よく主婦の方が買っていくのがヒバの木のチップですね」


 大きな麻袋に入った大量の木のチップを店員は手に取った。


「消臭と抗菌作用が強いので、トイレの周りに置く方が多いですよ」

「そうなんですねぇ」


 残念ながらルクスの屋敷には魔導トイレがあり、浄化作用があるため、購入することはないだろう。


「他にも人気の商品はありますか?」

「そうですねぇ……商人に人気な木工品がありますよ」


 店員は一つの箱をルクスの前に持ってきた。


「仕掛け箱ですね。これは開けるために仕掛けを解く必要があります。それから、底が二重になってますので、大事な書類などを入れるのに使われますね。オーダーメイドされるお客様もいますよ」

「へぇ、それは重宝しそうですね」

「えぇ、ですが、お金を持っている豪商の方は個人を識別できるアイテムポーチを購入するそうですよ。誰かに盗まれても、本人以外は中身を出せないそうですから」

「(俺のアイテムボックスも似たようなものだな)そうなんですね……それは凄い」

「金貨五十枚以上はする代物って話を聞いたことがあります。私のような庶民にはとても手が届かない品ですよ」

「あはは、私もです」


 ははは、とルクスと店員は笑い合った。


「それで、お客様、こちらの箱は購入されますか?」

「そうですね……あ、あれは?」


 ルクスが指差したのはロッキングチェアだった。


「おお、ロッキングチェアですね、こちらも職人が丁寧に作り上げた力作です。こちらを購入されますか?」

「ああ、寛ぐに丁度良さそうですからね。購入します」

「小銀貨一枚でございます」


 ルクスは店員に小銀貨一枚を渡した。


「毎度あり。運搬サービスも行っていますが、いかがなさいますか?」

「大丈夫です。アイテムポーチがありますから」


 そう言ってルクスはアイテムポーチにロッキングチェアを収納した。


「では、失礼します」

「またのお越しをお待ちしております」


 ルクスたちは店員に見送られ、店を後にした。


「ルクス、引くに引けなくなって購入したの?」


 バートがルクスに聞いた。


「ああ……丁寧に答えてくれたのに何も買わないで去るのは引けたんだよな」

「なにもロッキングチェアじゃなくても……」

「いや、使えそうなのがアレしか見当たらなくてさ」

「次は僕がインタビューするよ」


 バートは勇んで隣の既製服店に入った。店名は『麗しの服屋』だ。

 その名の通り麗しい服が並んでいる。

 バートは店員に様々な質問をし、一着のなるべくシンプルな子供服を小銀貨五枚で購入した。


「……だめでした。申し訳なくて購入しちゃった」

「だよね」


 それから、アラン・クラーラ・ラエティティアの順でお店にインタビューをした。

 購入を免れたのは、クラーラとラエティティアのみだった。


「男三人組は商売に向かないかもしれないね」

「買わなくて良いものを買っているからな」


 因みに、アランが買わされたのは、解体用のナイフ銀貨五枚だった。


「では、私たちは商売上手になるかもしれませんね、クラーラちゃん」

「うん、そうだね、ラエティティアちゃん」


 二人はちゃん付けで呼び合う。

 いつの間にか屋敷の談話室で結構話すくらい親しくなっていたのだ。ルクスは最近になって、そのことを知った。


「じゃあ、一旦戻って、みんなのメモを地図に反映させようか」

「「はーい」」


 屋敷に戻ってきたルクスたちは机と同じくらいの大きさの和紙を広げた。これもルクスが作ったものだ。

 まずは、この和紙に鉛筆で王都の形を描き、十字の表通りを記載する。

 学校を思い出すな、とルクスは考えつつ、今日インタビューをした北表通りの職人街側の店舗の名前を記載した。


「詳しい説明はこのメモに綺麗な字で書いてくれると嬉しい」

「「了解しました」」


 ルクスがメモと呼んだ和紙は掌サイズで、付箋のような大きさだ。


「できたぞ」

「じゃあ、アラン、糊を付けて裏に貼ろうか表は貼り切れないだろうから」

「了解」


 全員が次々とメモを完成させ、大きな和紙の裏側に糊で貼っていった。


「今日はここまで!お疲れ様ー」

「「お疲れでした」」


 ルクスは和紙の地図をアイテムボックスに収納した。

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