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【第二章完結】ゲーマーはゲームのような異世界に転生して最高の人生を掴むようです  作者: 星海亘
第2章 色とりどりの日々

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第56話 みんなで鍛冶屋




 翌朝、ベネディクトゥスの歴史の授業を受け終えたルクスは、ラエティティアたちの授業が終わるのを待ちつつ、授業のおさらいをすべく、書庫にやってきた。

 アスターも人族の歴史に興味があるらしく、付いてきた。


「そういえば、アスター。ヘレナの着せ替えは大丈夫なの?」

「一週間に一度の約束を取り付けたから、大丈夫だよ。でも、ドレスを着せられるのは本当に嫌なんだ……」


 哀愁漂うアスターの姿に、ルクスは同情した。


「誰か、女性の小妖精が来てくれたら、良いかもね」

「うん……本当に……女性の小妖精?そうだ!その手があった!」


 アスターは飛び上がった。


「ルクス!僕は急用を思い出した!行ってくる!」


 と言って、アスターは少し開いた窓から外に出て行った。


「うーん、歴史のおさらいは俺一人でも良いか」


 二人の方が記憶に残りそうだったけど、と呟きつつ、ルクスは歴史書を手に取った。




 昼食を食べ終えた黄金の導の面々と保護者たちにルクスはお願いを告げた。


「これから、全員の装備を依頼しに行くから、一緒に出掛けて欲しいんだけど、良いかな?」

「勿論です、ルクス様」

「「大丈夫です(だ)」」

「大丈夫ー」

「うん、僕も大丈夫だよ」


 皆の了承を得たルクスは、ヴォルフとアデリナとヘレナに顔を向けた。


「ヴォルフ、アデリナ、ヘレナ、三人には冒険者になって、クランに入って貰うけど良いかな?」

「「勿論です」」

「よし、じゃあ、出発しよう」


 ルクス一行は、まず、職人街のとある店に向かった。


「ここだよ」


 とある店──酒好き鍛冶屋の前にやってきた一行は不安げだ。


「ルクス、酒好き鍛冶屋って、大丈夫なの?ここ?」


 バートがこそっとルクスに尋ねた。


「腕は良いから、ちょっと酒好きなだけで……さ、入ろう」


 えぇー、と言いつつ、ルクスと共にバートやベネディクトゥス、ラエティティアたちが入っていく。

 店の中には丁度、休憩中だったらしいドニの姿があった。


「おう、坊主か!」

「こんにちは、ドニさん」


 坊主という呼び名にベネディクトゥスが一瞬反応したが、ルクスが気にしていないのを見て、黙って見過ごすこととした。


「今日は大人数で来たな。なんだ?全員の装備を作れってか?」

「はい、全員分お願いしたいです」

「……奥さん呼んでくるわ」

「へ?」

「女性のサイズも測らないと装備が作れないだろう。測るなら、同じ女の奥さんがいいだろう?」

「あ、はい」

「じゃあ、ちょっと待ってな」


 そう言って二階に上がるドニを見送ったルクスは呟いた。


「あれで奥さんいたんだ……」

「ルクス、失礼だな。確かに、いなさそうだけど」

「アランも失礼なこと言ってるよ」


 バートが苦笑しつつ、ツッコミを入れた。

 しばらくして、ドニは同じような背丈の可愛らしいドワーフ少女を連れてきた。


「こんにちは!錬金術師のアンナです」


 ドニの妻が錬金術師だという記載はゲームになかったので、ルクスは驚いた。


「えっと、こんにちは、ルクスと申します、こっちが」

「あ、大丈夫、名前は個別に聞くから~。男の子たちは旦那に任せるから、女の子たちを連れて行くよ」


 はーい、女の子はこっちよ!と言ってアンナは女性陣を二階に連れて行った。


「よし、サイズ測るから並んでくれ」


 ドニは台を使って手際よく全員のサイズを測った。


(アスターの鎧は、革鎧にするか……ヘレナさんなら作れそう)


 サイズを測られつつ、ルクスはどこかに飛んでいったアスターを思った。


「そういえば、ドニさんとアンナさんは何歳差ですか?」


 ルクスは気になっていたので、ドニに尋ねた。


「はぁ?ああ、この髭があるから、俺の方が歳食ってると思ったな?差なんてねぇよ。かみさんと俺は同い年だ」

「!!?」


 ルクスたちは驚いて目を丸くした。

 とても同い年には見えない。


「いや、事実だからな。ま、信じなくても良いが……で?どんな装備を作りたい?素材は持ち込みか?」

「あ、素材はこれです」


 ルクスは赤色の金属の延べ棒をドニに渡した。


「こいつは……まさか、緋金ヒヒイロカネか!?」

「ええ、そうです。あと二十本くらいあるのですが、鎧と盾と剣を作ることはできますか?」

「勿論、そんだけありゃあ、作れるが……これはどこで」

「それは秘密です」


 ルクスはウェトゥム遺跡で手に入れたことを言うわけにもいかないので、秘密と答えた。ちなみに、これ以外にもルクスは、幻の金属の延べ棒を各百本ずつ持っている。


「そうだよな、こんな珍しい金属は滅多に手に入らねぇ……よし、詳しく話を詰めるか」


 ルクスたちはそれぞれの要望をドニに伝えた。

 途中でサイズを測り終えた女性陣が戻ってきたので、女性陣の要望もドニは聞き取った。


「ふむ、大体、構想ができたな。納期だが、早くても二カ月後だ。ルー坊はどこに住んでる?」

「えっと、職人街の魔法使いが住んでた屋敷ですね」

「ああ、あそこか、分かった」

「出来上がった鎧に紋章を刻むことはできますか?」

「問題ないが……紋章ってことはクランでも立ち上げんのか?」

「はい、そうです。あ、あと前金です」


 ルクスはドニに大金貨一枚を渡した。


「材料も持ち込みだし、前金もなしで大丈夫だが、それと大金貨一枚は多すぎる、手間賃として金貨一枚が妥当だ。」

「じゃあ、金貨一枚、先にお支払いします」

「……丁度だな。今後とも御贔屓に」

「はい、よろしくお願いします」


 ドニとルクスはがしっと握手した。

 ドニ夫妻に見送られたルクス一行は、冒険者街に向かった。

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