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【第二章完結】ゲーマーはゲームのような異世界に転生して最高の人生を掴むようです  作者: 星海亘
第2章 色とりどりの日々

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第54話 不死鳥の灯火




 三日後、国王の褒美が決まったということで、豪奢な馬車に乗せられたルクスは、王城に入った。

 いつものように騎士に連れられ、国王の執務室にやってきた。


「おお、よぅ参った、ルクス殿。早速だが、これを受け取ってくれ」


 感謝状だ、と渡された羊皮紙のスクロールを見たルクスはデジャヴを覚えた。


「礼は以前、シルウェステルの命を救ってもらったときと同様、宝物庫にある品を一つ持っていってもらいたいのだが、良いか?」

「良いも何も、それは宜しいのですか?宝物庫には珍しいものが沢山ありますが……」

「良いのだ。君は国庫を救ってくれた。ならば、宝物庫の品が褒美に相応しいだろう」

「……分かりました。有り難く頂戴いたします。陛下」

「うむ。では、宝物庫に行くとしようか」

「え゛」

「む?忘れたのか?ルクス殿。宝物庫には王族と招かれた者しか入れぬ」

「あ、いや、なにも態々《わざわざ》陛下が案内などされずとも……と思って」

「なぁに、恩人の為だ、時間などいくらでも作ろう」

「はぁ……」


 ルクスは国王と二人きりで宝物庫に入るのは些か心臓に悪いな、と思った。


 あっという間に宝物庫にやってきたルクスは、国王と二人で中に入った。


「ふぅ、此処は落ち着くな」

「そう、ですか?」

「まぁ、ちょっと金銀財宝でキラキラしておるな」

「ええ、そうですね」


 二人は少し笑った。


「さて、ルクス殿に話しておきたいことがあってな」

「なんでしょう?」

「以前、魔族が王城に攻めてきたことがあっただろう?そのとき、王都を守る結界が一部書き換えられておったのだ」

「え!?」

「どうも、人族側に内通者がいるようでな。影に探らせてはいるが、尻尾を見せん。影と似たような能力を持つ相手のようだと予想は付けておるのだがな……」

「もしかしたら、見つけられるかもしれません(マップなら)」

「なんと!?」

「やってみます」


 ルクスはマップの検索機能を使った。

 アルヒ王国国内に限り魔族の内通者を絞り込む。


「……国内の内通者は千五十四名。内、十四名は王都の『鏡台亭』に滞在しています」

「ふむ、ルクス殿、国内の内通者は戦争前に全て一掃したい。協力してくれるかな?」

「あはは……はい」


 ルクスは墓穴を掘った、と思った。


「その前に、宝物庫から一つ選んで貰わねばな」

「はい」


 ルクスは二度目の宝物庫をじっくり眺めた。

 一番気になる鎧(レベル制限によりルクスは装備できない)の裏に、何かが落ちている事にルクスは気付いた。

 拾い上げたソレは金色の鳥を模した置物のような何かだった。


「なんだろう」


 ルクスは鑑定してみた。


【不死鳥の灯火】

不死鳥を模した明かりの魔導具。

不死鳥の胸元の空魔石に魔力を込めると火が着いて明かりになる。

破邪の結界を張る効果もある。


 ルクスはにやりと笑った。


「陛下、これにします」

「ん?不死鳥の置物か、良い品だが……それで良いのか?」

「大丈夫です。役に立つと思います」


 自信満々なルクスに国王シリウスは首を傾げた。


「まぁ、良い。では、執務室に戻ろう」

「はい」


 執務室に戻ってきた二人をエッシェンバッハ騎士団長が迎えた。


「丁度良かった、エッシェンバッハ。大きな地図を持ってきて欲しい」

「はっ、只今」


 騎士団長は若い騎士に命令し、地図を持って来させた。

 最も大きい地図を手にしたエッシェンバッハは、ソファーの間にある机の上に広げた。


「さて、ルクス殿、内通者の拠点を教えてくれ」

「陛下……?」


 エッシェンバッハは戸惑いの声を上げた。


「はい」


 ルクスはマップと地図を見比べつつ、指さした。


「現在、内通者……スキルによると彼らは『外なる神の信徒』つまりは『邪神教団』だそうです。彼らの現在の拠点は、この前盗賊によって壊滅したトアル村です」

「なんと……!そこまでスキルで分かるのか!?いやはや、恐れ入ったぞ!」

「何が何だか……陛下、どういうことですか」

「……ルクス殿が素晴らしいスキルを持っていることは確かだ」

「陛下!」

「まぁ、エッシェンバッハ、ルクス殿の言葉を信じてみようではないか」


 シリウスはエッシェンバッハの肩を叩いた。


「とりあえず、王都の十四名の邪神教徒を殲滅した方が良いと思います」

「ふむ、十四名は『鏡台亭』にいるということだったな。エッシェンバッハ、影と共に制圧して欲しい」

「はっ、仰せのままに」


 エッシェンバッハはそう言うと、現れた王家の影と共に、執務室を出て行った。


「そうだ、ルクス殿、シルウェステルに会いに行かれては?」

「大丈夫です。……私は帰っても?」

「ああ、大丈夫だ。では、また会おうぞ、ルクス殿」

「(何度も王様に会うのは嫌だなぁ)……はい、陛下、では失礼します」


 ルクスは執務室を後にした。

 足音が聞こえなくなったところで、影のように気配なく佇んでいた宰相がシリウスの元にやってきた。


「フェルトホフ、どう思う?」

「今のルクス殿の言葉が真実であれば、恐ろしい力でございます」

「そうだな、誰がどこにいるか、どういう人物なのか分かるスキルと見受けたが、ルクス殿でなければ悪用されているだろう」

「陛下……よろしいのですか?対策もせず……」

「ルクス殿はまだ若いが、良き少年だ」

「そう、ですね……」

「シルウェステルの友人でもある、できれば対立せずにいたいのだよ」

「陛下……」


 シリウスは窓の外を見る。

 木の枝に乗っている小鳥が飛んでいった。


「さて、フェルトホフ。仕事に戻るとしようか」

「はい、陛下」


 シリウスが仕事に戻るのを見届けた宰相フェルトホフは、自身の執務室に戻った。

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