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【第二章完結】ゲーマーはゲームのような異世界に転生して最高の人生を掴むようです  作者: 星海亘
第1章 昔日の記憶は導となる

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第35話 廃坑ダンジョン




 一層は鉱山のダンジョンだからかは分からないが、洞窟になっている。

 主な魔物(モンスター)はスライムとゴブリンだ。

 洞窟には白っぽい結晶がいくつも壁に埋まっていて、それが、灯りになっている。

 ルクスはあとでフリッツさんに聞こう、と思った。


「前方からスライムが三匹来る」


 クラーラが索敵で敵を感知し、みんなに知らせた。

 臨戦態勢になった黄金の導。

 スライムの姿が視認できると、アランが盾を構えた。


「【挑発】」


 盾術スキルを発動させる。

 スライムはぴょんぴょんと飛び跳ね、アランの盾にぶつかってきた。

 アランの右側からクラーラが飛び出して、一体のスライムの核を目掛けて短剣を振り下ろした。

 しかし、スライムのぷよぷよした身体に阻まれて、貫けない。


「クラーラ、スライムには物理攻撃耐性があるし、酸で攻撃してくるから、離れた方が良い」

「!了解」


 クラーラはルクスの助言に従って、スライムから距離を取った。


「バート。火属性魔法を使うんだ」

「分かった。【火球】」


 バートは魔法言語で短く詠唱し、ルクスが普段作る火の玉よりも小さめの火の玉を作った。

 小さめと言っても、普通の魔法使いとは比べ物にならないくらい大きいのだが。

 バートの火球が大きい理由としては、セフィロトの効果が大きいと言える。


「行くよ!アラン、避けて」

「おう!って、でか!?」


 アランは慌てて、避けた。

 着弾した火の玉はスライム三体を焼き尽くした。

 ドロップアイテムは小さな魔石三つだった。


「バート、お前、凄いな」

「アランっていう肉壁があるから十分に力を発揮できてるんだよ。ありがとう、アラン」

「お、おう、どういたしまして、って、肉壁ってなんだよ、肉壁って」


 アランは「こうしてやる」とバートを羽交い絞めにし、頭をぐりぐりした。

 その様子を見つつ、ルクスはドロップアイテムを拾った。


(ゲームでは地上の魔物(モンスター)もダンジョンの魔物(モンスター)もドロップアイテムを落として終わりだったんだけど……この世界では地上の魔物(モンスター)は解体しなきゃいけない。現実なのだから、それが当たり前だと思うけど。でも、ダンジョンは違う。となると、ダンジョンは地上とは違う空間なのかな……)


 と思いつつ、ルクスは振り返った。


「さ、みんな先に行くよ」

「「はーい」」


 黄金の導は通路を通っていく。

 クラーラが何かに気付いたように、耳をぴくぴくさせた。


「奥に広い空間があるみたい。凄い沢山の魔物がいる」

魔物部屋(モンスターハウス)か」

「「魔物部屋(モンスターハウス)?」」

「あー、えっと、魔物(モンスター)が沢山いて、罠があって、お宝もある部屋のことだな」

「お宝があっても、リスクの方が大きい気がする」


 バートは眉を(ひそ)めた。


「まあ、魔物(モンスター)と戦うのは命がけだからね」


 ルクスは苦笑する。


「でも他に道がないです」


 ラエティティアは冷静に言う。


「そうだね……ラエティティア、【眠りの歌】とか使える?」

「はい、使えますよ」

「よし、じゃあ、部屋の手前で歌ってくれる?」

「はい」


 部屋の手前にやってきた一行。ラエティティアが前に出た。


「【邪なる者たちよ、安寧の夢に落ちよ、静かなる時を与えん】」


 入口付近にいる魔物(モンスター)たちが眠り始めた。

 不思議なことに、歌手のバフはちゃんと味方だけに効くし、デバフも敵だけに効く。


「よし、じゃあ、行こうか」

「お、おうよ」

「うん」

「頑張る」

「わたしも歌で応援します」


 部屋に一歩入ると、魔物(モンスター)たちがルクスたちに気付いた。

 入口付近の魔物(モンスター)は眠ったままだが。


「よし、やりたいことがあるから、ちょっと離れてて」


 ルクスは両手を掲げて、空気中の魔素に干渉し始めた。

 そして、たくさんの魔素を使って魔物(モンスター)を全て凍らせ、土属性魔法で作った石の槍で全ての魔物(モンスター)の氷像を壊した。

 レベルも高く、セフィロトも殆ど強化しているルクス。魔素に干渉できたり、前世日本人の想像力も相俟って魔法の威力が凄まじいことになっているのだ。

 もっとレベルが上がれば壮大で恐ろしい魔法が使えるようになるだろう。


「ルクス様……凄すぎますわ」


 ラエティティアは呆然としつつ、呟いた。


「魔法使いの僕より、ルクスの魔法の方が凄いや……」


 あはは、とバートは乾いた笑いを溢した。


「うん、元気出すと良い」


 クラーラはバートを哀れに思った。


「バート、元気出せよ、きっと良いことあるからさ」


 アランは幼馴染を元気づけた。


「えーっと、なんか、ごめんね?」


 ルクスは頬を掻きつつ、苦笑した。


「あら、宝箱です」


 ラエティティアは部屋の中央に宝箱が現れたことに気付いた。


「宝箱?俺が開けるー!」

「アラン、罠があるかもしれない」

「うぇ」

「とりあえず、開けてみようか」


 ルクスは宝箱の後ろに回った。


「どうして後ろに?」

「大体、宝箱の罠は毒針とかだから、後ろから開ければ大丈夫かな……と」


 みんなで宝箱の後ろに回った。


「いくよ」


 ごくり、と誰かが唾をのんだ。

 ルクスは勢いよく宝箱を開けた。

 開けた瞬間、部屋中を包むくらいの大きな魔法陣が現れた。


「!?みんな、手を繋いで!」


 ルクスはとりあえず近くにいたラエティティアの手を掴んだ。

 ラエティティアはクラーラ、クラーラはアラン、アランはバートの手を掴んだ。

 そして、魔法陣の光が溢れた。

 視界が真っ白になり、浮遊感を感じた後、すぐに地面に着地した。

 そして、景色が一変していた。

 見渡す限り、砂だらけの砂漠に、黄金の導はいた。

 ダンジョンなのに、照り付ける太陽?の光は熱い。ルクスは汗が額から滴り落ちるのを感じた。


「宝箱が罠だったか……(ゲームでは宝箱に転移の罠はなかったんだけど)」


 ルクスは宝箱の中に虹の雫が入っていることに気付いた。


「一応、報酬でもあったようですけど……」


 ラエティティアは宝箱を覗き込んで、そう言った。


「そうだね、とりあえず仕舞っておこう」


 ルクスは虹の雫をアイテムボックスに入れた。

 そして、マップを開いて現在地を確認した。


「!!みんな、その場を離れろ!」


 ルクスの声に反応した彼らは素早くその場から離れた。

 すると、丁度、ルクスたちがいた場所から巨大な何かが跳び出した。


「デザートワームキング……」


 ルクスは呆然としたまま、呟いた。

 マップには、現在位置が記載されている。

 そこには、『洞窟と砂漠の迷宮六十層 ボスエリア』と記載されていた。

 六十層は東京ドーム一つ分くらいの大きさで、ボスのための部屋ではなく、エリアが存在する。

 それが、ルクスたちが現在いる場所だった。


(ゲームでは、デザートワームキングは六十レベルだ。俺が何とかしないと、みんなが死ぬ)


 ルクスはありったけの魔素に干渉して、デザートワームキングと周囲を凍らせた。


「みんな、大丈夫か!?」

「は、はい」


 ラエティティアが辛うじて応えたが、他の仲間は恐怖で固まっている。


(レベル差がありすぎるんだ、そりゃ、恐怖で固まる……自由の羽を使って逃げるか?)


 ルクスはラエティティアに自由の羽を渡した。


「ラエティティア、使えるか試してくれ」

「は、はい!」


 ラエティティアは自由の羽を握って言葉を紡いだ。


「【王都アルヒ】」


 ラエティティアの言葉に自由の羽は反応しなかった。

 代わりに、ラエティティアの前にはホログラムウインドウが現れていた。


「ルクス様、自由の羽はボスエリアでは使えないと表示されてます……」

「分かった、ラエティティア、ありがとう」


 そのとき、氷が破られ、デザートワームキングが動き出した。


(とりあえず、全力を尽くす)


 ルクスは駆け、デザートワームキングに、剣術スキル『刺突』を使って攻撃した。


(!?少ししか、入らない……そうだ、デザートワームキングの外皮は物理・魔法攻撃耐性が異様に高いってフレーバーテキストに書いてあった。ゲームでは同じくらいのレベルだと苦戦したから、レベルを上げてから挑んだんだっけ……)


 ルクスはミスリル剣で何度も攻撃するが、少ししか傷つけられない。


(くそっ、このままじゃ)


 ルクスはデザートワームキングに遊ばれているような状態だ。ボス部屋からは出ることはできない。様々な要素を鑑みて、ルクスの脳裏に全滅という文字が過る。

 その時、デザートワームキングの口が目に入った。


(これだ!!)


 ルクスは考える間もなく、デザートワームキングによじ登って、その大きな口に飛び込んだ。


「「ルクス(様)!!」」


 仲間たちは固唾をのんで、見守る。

 すると、デザートワームキングが苦しみだし、やがて、倒れ伏した。

 光の粒となってデザートワームキングが消え、魔石がドロップし、宝箱が出現する。

 デザートワームキングが消えたところにルクスがいた。

 ルクスはデザートワームキングの体内から攻撃していたのだ。


「うぇ〜涎とかでベトベトだ……」


 と言いつつ、ルクスは光属性魔法の浄化を使った。

 デザートワームキングの涎などが綺麗になり、元の状態に戻ったルクスは、仲間たちに手を振った。

 仲間たちは、ほっとして、涙を浮かべる者もいた。


「ルクス様!」


 ラエティティアは一目散(いちもくさん)に駆けだし、ルクスに抱き着いた。


「うぉ、とと……ラエティティア?」

「心配しましたわ、ルクス様が、死んでしまうのではないかって……」

「まあ、確かに、デザートワームキングの口に飛び込んだら吃驚するっていうか、死ぬ気かと思うよね……」

「ですが、ルクス様は、あの巨大な魔物を倒されました。本当に、凄いです」


 ラエティティアはルクスに向かって、泣き笑いのような、そんな笑みを見せた。

 ルクスはラエティティアのその笑顔に見惚れた。


「「ルクスー!!」」


 アラン、バート、クラーラも走ってルクスのもとにやってきた。

 彼らとじゃれ合いながら、ルクスは笑みを浮かべた。


(本当に、守れて良かった)


 ダンジョン内なのに、燦燦(さんさん)と降り注ぐ太陽と、どこまでも広がる青空が、ルクスたち黄金の導を祝福しているようだった。




─ 第1章 昔日の記憶は導となる 了 ─



読んでくださり、ありがとうございます!

第一章はここで完結です。

☆や感想などいただけると作者のやる気が爆上がりして執筆が捗るかもしれません。


明日はキャラクター紹介の回になります。

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