第27話 みんなで武具店
神殿を出た一行は、商人街に向かう。
ジョブが決まったので、武器や防具を買うのだ。
「ベネディクトゥスも装備を買って貰うからね」
「はい」
「あの、ルクス様」
「うん、ヘレナ、何かあった?」
「皆様の服を仕立てたいと思っているのですが、できれば良い素材で仕立てたいのです、大金貨を一枚お借りしても良いでしょうか?」
「あげるよ。装備を買ってから、ヘレナが必要なものを買いに行こう」
ルクスはヘレナに大金貨一枚を渡した。
「ありがとうございます、ルクス様」
ヘレナは真面目な表情で、大金貨一枚を受け取り、深々と頭を下げた。
「どういたしまして、さ、行こう」
あっという間にリョーヒン武具店にやってきた。
ルクスたちは子供用の武具売り場に向かった。
「いらっしゃいませ、本日はどのような装備をお求めでしょうか?」
ベネディクトゥスが店員に声を掛けられた。
「子供用の装備と私の装備を一式買いに来たのだが……先に子供たちの装備を用意して貰いたい」
「かしこまりました。まずはお子様方の要望をお聞きします」
店員は屈んでアランとバート、ラエティティアとクラーラの要望を聞き出した。
ルクスに目を向けた店員は何かを思い出したように目を瞬かせた。
「以前、購入してくださったお客様ですね」
「はい、俺の装備は既にあるので、大丈夫です」
ルクスは店員が自分を覚えていたことに驚きつつ、笑みを浮かべた。
店員は子供たちの要望に合わせた装備を用意し、子供たちに見せていった。
どれもピッタリな装備で、子供たちは大満足だ。
それぞれが選んでもらった装備を紹介しよう。
まずは、アラン。
アランは騎士らしい装備を所望した。
【ミスリルの片手剣(子供用)】
子供用のミスリル片手剣。魔力を通すと更に切れ味が良くなる。
販売価格:10,000,000エン
【ミスリルの盾(子供用)】
子供用のミスリルの盾。子供でも持てる。魔力を通すと防御力が上がる。
販売価格:10,000,000エン
【ワイバーンの革鎧(子供用)】
子供用の革鎧。物理攻撃耐性と火属性耐性を持つ。
販売価格:20,000,000エン
【力の指輪】
筋力が上がる。
サイズ調節の魔法が付与されている。
販売価格:30,000,000エン
クラーラは斥候らしい装備を所望した。
【ミスリルの短剣(子供用)】
子供用のミスリル短剣。魔力を通すと更に切れ味が良くなる。
販売価格:6,000,000エン
【ワイバーンの革鎧(子供用)】
子供用の革鎧。物理攻撃耐性と火属性耐性を持つ。
販売価格:20,000,000エン
【守りの指輪】
防御力が上がる。
サイズ調節の魔法が付与されている。
販売価格:30,000,000エン
バートは魔法使いらしい装備を所望した。
【ミスリルの杖(子供用)】
子供用のミスリル杖。魔力伝導率が高く、魔法の発動が早い。
販売価格:10,000,000エン
【スパイダーシルクのローブ(子供用)】
子供用のスパイダーシルクのローブ。魔法攻撃耐性と火属性耐性を持つ。
販売価格:20,000,000エン
【守りの指輪】
防御力が上がる。
サイズ調節の魔法が付与されている。
販売価格:30,000,000エン
ラエティティアは歌手らしい装備を所望した。
【聖なるマイク(子供用)】
ダンジョン産。子供用のマイク。どんな歌も味方を癒す効果が乗る。本来の歌の効果も発揮される。
販売価格:10,000,000エン
【スパイダーシルクのローブ(子供用)】
子供用のスパイダーシルクのローブ。魔法攻撃耐性と火属性耐性を持つ。
販売価格:20,000,000エン
【守りの指輪】
防御力が上がる。
サイズ調節の魔法が付与されている。
販売価格:30,000,000エン
「聖なるマイクは効果が良いのに、何で金貨一枚なんでしょう?」
「ああ、それは、歌手というジョブの方が少ないのと、子供用のマイクを使う人が殆どいないからですね」
「なるほど……」
合計、金貨二十四枚と小金貨六枚になった。
ルクスは大金貨三枚を店員に渡し、おつりを貰った。
「次はベネディクトゥスだね」
「はい、ルクス様」
ベネディクトゥスのジョブは騎士なので、全身鎧でも問題ないが、手入れがとても大変なので、冒険者っぽく軽鎧を身につけることにした。
その分、盾は大きいものを選んだ。
ベネディクトゥスが選んだ装備は以下の通り。
【ミスリルの片手剣】
ミスリル片手剣。魔力を通すと更に切れ味が良くなる。
販売価格:30,000,000エン
【ミスリルの大盾】
ミスリルの大きな盾。魔力を通すと防御力が上がる。
販売価格:70,000,000エン
【ミスリルの軽鎧】
ミスリルの軽鎧。魔力を通すと防御力が上がる。
販売価格:30,000,000エン
【力の指輪】
筋力が上がる。
サイズ調節の魔法が付与されている。
販売価格:30,000,000エン
ルクスは大金貨二枚を店員に渡して、おつりを貰った。
店員はルクスにしたように、子供たちに丈夫そうな子供用の半長靴を渡した。
「当店は毎年、アフターサービスも行っています。是非、またお越しください」
サービス精神旺盛な店員に見送られ、ルクスたちはリョーヒン武具店を出た。
「さ、ヘレナの買い物をしようか」
「はい!ルクス様」
この後、ヘレナは暴走し、様々な色に染められたスパイダーシルクの生地を端から端まで求めていった。
スパイダーシルクは魔法攻撃耐性のある布なので、まあまあなお値段だ。
例えば、一メートルのスパイダーシルクの生地は大銀貨一枚で、反物にすると三十メートル乱(乱とは前後という意味)、小金貨三枚となる。
「あれ、さっき買った僕のローブよりも全然安いね」
バートが疑問に思い、口に出した。
「ああ、たぶん加工代も含まれているからだろう」
それにルクスが応える。
「職人の人件費と火属性耐性付与の代金も含まれているでしょうね」
ベネディクトゥスが捕捉した。
「そうなんですね、だからあんなに高いんだ」
そう言っている間にもヘレナは別の生地を買い漁っていた。
綿のオックスフォード・麻のリネン・ウール・レース・サテン・ジャガード・チュールなど、様々だ。
スパイダーシルク以外は、魔法攻撃耐性など特殊効果がない布なので、基本的に一メートル小銀貨一枚くらいだ。
スパイダーシルクの反物は十色分で金貨三枚。あまり色が揃っていない為、十色だ。
普通の生地は合わせて大銀貨三枚となった。
大量なのに、大金貨一枚以内で収まってしまった。
残りのお金はヘレナが今後も布を買うだろうから、と渡すことにしたルクスだった。
反物は全てルクスのアイテムポーチに収納した。
帰る途中で、ゼンイ商店でアイテムポーチを一つ購入したルクスは、ベネディクトゥスに託した。
「これ、共用のアイテムポーチとして使ってね」
「かしこまりました。ありがとうございます、ルクス様」
ベネディクトゥスが恭しくアイテムポーチを受け取った。




