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ゲーマーはゲームのような異世界に転生して最高の人生を掴むようです  作者: 星海亘
第1章 昔日の記憶は導となる

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第11話 神殿と武具店




 幸運の食事処から出たルクスは、市民街に向かうことにした。

 市民街には平民向けの学校や図書館、神殿、治療院、孤児院などがある。

 ルクスが向かっているのは、神殿だ。

 信仰心があるから神殿に行くのではない。ルクスの信仰心は雀の涙くらいしかない。

 神殿には祈りに行くのだが、ルクスの場合、目的があって祈る。

 その目的とは、ジョブを得ることだ。

 ゲームでは、神殿にて無職の状態で、『神々の像の前で祈る』コマンドを押すと、ジョブ選択画面が出る。

 ジョブを選ぶと、プレイヤーキャラクターが特定の祈りの言葉を唱えつつ祈るというシーンになる。

 そして、ジョブによって、祈りの言葉が変わる。

 ゲームではない現実では、特定の祈りの言葉を唱えて祈ることでジョブを獲得できるのでは、とルクスは思っている。


「うわぁ」


 ゲームでは、そんなに大きくは見えなかった神殿だが、現実になると結構な大きさだ。

 荘厳な雰囲気で、皆、静かに出入りしている。

 ルクスは意を決して神殿の中に入った。

 神殿の壁には生命の樹と生命の樹へ至る道と、一人の天使、そして炎の剣が描かれている。

 ルクスはその壁画を見つつ、神殿の奥の部屋──祈りの間にやってきた。

 祈りの間には、十の神々の像が鎮座している。

 十のセフィラを司る十の神々。

 美しくも荘厳な佇まいの神像たちを見あげつつ、ルクスは祈りたい神を探すべく、神像をこっそり鑑定する。

 ルクスが祈りたい神は女神なので、女神の神像を鑑定していった。


【アドナイ・ツァバオトの神像】

勝利の女神アドナイ・ツァバオトの神像


 目的の神像を見つけたルクスはひざまずいて、手を合わせる。


「勝利を(もたら)す勇敢なる女神アドナイ・ツァバオトに祈りを捧げん。どうか、この矮小なる私に勇敢なる御力の一端を与え給え」


 唱え終えると、ルクスの前にホログラムウインドウが現れた。


[勝利の女神アドナイ・ツァバオトが貴方の祈りに敬意を払い、貴方にジョブ選択権を与えました]

[一次ジョブを選択してください]

[選択肢:剣士、槍士、弓士、斧士、戦士、斥候]


 ルクスは迷いなく、剣士を選んだ。すると、ルクスの身体が淡く光った。


[ジョブが【剣士】になりました。ジョブスキル【剣術】【剣士の心得】を取得しました]


 ルクスが何故、剣士を選んだかといえば、剣士が一番強いからという訳ではない。

 ゲームではどのジョブを選んでも問題ない。ジョブで強さが決まるわけではないからだ。

 ジョブを取得するということは得意分野を決めるという感じが近い。

 ルクスが選んだ剣士であれば、単体近接物理攻撃が得意という感じだ。

 なので、剣士が単体近接物理攻撃をするときは、他のジョブが単体近接物理攻撃をするときよりも、威力が上がる。

 敵のモンスターの弱点が物理攻撃なら、もっと威力は上がる。

 逆も(しか)り。

 敵のモンスターの物理攻撃耐性が高ければ、威力は下がる。

 剣士が二次ジョブに昇格すれば、その弱点をカバーするスキルが発現するが、それは後の話。

 ちなみに、NPCの中には稀に最初から上位ジョブに就いている者もいる。本当に稀だが。


(えっと、冒険者街に行くか)


 ジョブを得たルクスは冒険者街にある冒険者ギルドに向かった。

 冒険者になる為だ。

 アルヒ王国では五歳から冒険者になることができる。

 孤児やストリートチルドレンが犯罪に手を染めずに冒険者になる道を選んでほしいという願いが込められているためだ、とルクスは冒険者街の焼き鳥の露店店主から聞いた。

 というわけで十歳であるルクスは堂々と冒険者になることができる。

 他の冒険者に絡まれるというイベントは発生せず、スムーズに冒険者になれたルクスは冒険者ギルドカードを手に入れた。


(次は商人街に行くか)


 ルクスは用事を終えたので、さっさと冒険者ギルドを後にし、商人街に向かった。

 商人街の市場から北側に武具店が何軒かある。

 職人街にある武具店の商品は鍛冶師が手掛けているが、商人街の武具店の商品はダンジョン産で、職人街と同じようにピンからキリまで色々ある。


(小妖精の剣は()みたいなものだから、普通の戦闘には使えない。だから、良い武器が欲しいんだけど、どの店にするか……)


 ルクスは看板を鑑定していって、店の名前を見て考える。


(リョーヒン武具店。そういえば、ここにはアレがあったよね)


 ルクスは他の店と同じような外観のリョーヒン武具店に入った。


「いらしゃいませ」


 優し気な風貌の店員がルクスを迎えた。


「あの……子供用の装備ってありますか?」


 アレというのは子供用の装備のことだ。ゲームで、リョーヒン武具店の説明に「珍しく子供用の装備が置いてある」と記載があったのをルクスは覚えていた。


「ああ、置いてありますよ。こちらです」


 店の一角に子供用の装備がずらっと並んでいた。

 ルクスは一つ一つ鑑定していく。


「お客様も冒険者になられるのですか?」

「あ、はい。も、ということは他にも冒険者になる子が来たのでしょうか?」

「あ、そうですね、先程、金髪碧眼の男の子が来られまして、剣を買って行かれましたよ」

「へえ」


 金髪碧眼というワードにルクスはゲームのメインストーリーに出てくる勇者を思い出した。


「お客様は剣をお求めでしょうか?」

「あ、はい、剣と軽い鎧があれば、と思っています」

「予算はどれくらいですか?」

「えーっと、大金貨一枚までなら」

「それなら……こちらとこちら、それからこの指輪も良いかもしれません」


 店員は棚から剣と革鎧、指輪を取って、ルクスに見せた。


【ミスリルの片手剣(子供用)】

子供用のミスリル片手剣。魔力を通すと更に切れ味が良くなる。

販売価格:10,000,000エン

【ワイバーンの革鎧(子供用)】

子供用の革鎧。物理攻撃耐性と火属性耐性を持つ。

販売価格:20,000,000エン

【守りの指輪】

防御力が上がる。

サイズ調節の魔法が付与されている。

販売価格:30,000,000エン


「合わせて金貨六枚ですが、いかがでしょうか?」

「買います」


 鑑定結果と同じ販売価格を提示した店員。

 店員の問いかけに即答したルクス。悩まなかったのには理由がある。

 すでに全て鑑定済であったことと、店員がルクスに勧めた三品はルクスも目を付けていたからだ。

 ルクスは大金貨一枚を店員に渡した。

 店員はカウンターからおつり金貨四枚を取り出してルクスに渡した。


「こちら、お包みしますか?」

「いえ、此処で装備します」


 ルクスは店員から革鎧と剣、指輪を受け取って装備した。

 そして、自分を鑑定してみた。


【ルクス】

種族︰人族

性別︰男

年齢︰10歳

レベル︰0

ジョブ︰剣士

スキル︰アイテムボックス マップ 鑑定 生活魔法 剣術 剣の心得

称号︰転生者

装備︰ミスリル剣 ワイバーンの革鎧 守りの指輪 布の服 布の靴


「お客様、良かったら、こちらも装備してみて下さい」

「え?」


 店員がルクスに差し出したのは子供用らしき丈夫そうな革の半長靴だった。


「サービスです」

「ありがとうございます」


 ルークは鑑定して、普通の半長靴だと分かったので、店員の厚意に甘え、半長靴を装備した。


「あと、毎年、アフターサービスを一回無料で受けることができますので、汚れや傷が目立ってきましたら、リョーヒン武具店にお越しください」

「そんなサービスがあるんですね、分かりました。ありがとうございます」


 ルクスは笑顔を浮かべた。

 店員は、ルクスを入口まで案内する。


「冒険者、大変だと思いますが、頑張って下さい」

「ありがとうございます。頑張ります」

「またのお越しを、お待ちしております」


 店員はお辞儀をし、ルクスを見送った。店を出たルクスは、他の店にも寄って、幾つか冒険に必要な品々を購入した。

 日も暮れ始めたので、ルクスは眠り猫亭に戻った。

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