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【第二章完結】ゲーマーはゲームのような異世界に転生して最高の人生を掴むようです  作者: 星海亘
第3章 少年少女よ、大志を抱け

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第100話 トアル村の白猫




 ヒルネ村を出た一行。

 三日間野営しつつ、馬車を走らせ、トアル村に辿り着いた。

 家屋は火災に遭ったのだろう、焦げていたり、一部が崩れていたり、倒壊した家屋も何軒かあった。


 まず、ルクスたちは、家屋の近くに建てられた慰霊碑に祈りを捧げた。

 故郷の故人の冥福をまず、祈らずにはいられなかったのだ。

 祈り終えたルクスたちは、家屋を一軒一軒解体し、一か所に集めて燃やしつつ、解体していった。

 トアル村の家屋は全て木造なので、よく燃えた。

 一軒、少し離れた場所に建っている家屋があった。


「ここ、薬師のばあちゃんの屋敷だったね」


 バートがそう言いつつ、解体していく。


「うん、薬師のばあちゃん、優しかったよね」


 ルクスはそう言って、解体された木の板や柱を燃やした。


「あれ?ルクス、バート、こっち来てくれ」


 アランが何かを見つけたようで、声を上げた。


「なに?」

「どうしたの?」

「燃え残ってた絨毯ひっくり返したらさ、ほら」

「「階段?」」


 焦げた絨毯の下には、地下への階段があった。


「行ってみようぜ?」

「わ、待ってよ、アラン」

「ちょっと、二人とも。……ごめん、ティア、クラーラ、此処で待っててくれる?アスターとシアーシャは村の周囲を警戒しておいて」

「はい」

「はーい」

「「りょうかーい」」


 ルクスは返事を聞くや否や、地下への階段を下りて行った。

 地下に降りると、普通の木製の扉があった。

 開けると、そこは書庫になっていた。


「バート、アラン」


 中で本を物色する二人に、ルクスは声を掛けた。


「ねえねえ!ルクス!これ、見たことない魔法指南書だよ!?こっちは、たぶん、古代の歴史書だね。……ここは本の宝庫だよ!!」


 バートが興奮した様子で本を抱きしめた。


「んー、俺にはよく分からないけど、凄いなら持って帰れば?」


 アランはバートにそう言った。


「でも、なんか気が引けるというか……」

「んー、じゃあ、俺がアイテムボックスに入れるよ」


 そう言ってルクスは全ての本を本棚ごとアイテムボックスに収納した。


「ん?なんか壁に穴が開いてる?」


 本棚の裏にあったのだろう、奥の壁の穴に気付いたルクスは近づいた。

 穴には、スクロールが置かれていた。

 ルクスは鑑定する。


【『不屈』のスキルスクロール】

残りHPが二十%以下になったとき、筋力と知恵が大幅に上がる。

致死ダメージを一回無効化することができる。

滅多に手に入れることができない。


 ルクスはかなり良いスキルに喜んだ。


(これは、即取得だな)


 によによしつつ、ルクスはスキルスクロールを手に取った。


「それ、なんだ?」


 アランがルクスに聞く。


「スキルスクロール。……アランも前衛だから、アランが使った方が良いかも」

「……ルクスって一人で突っ走ることがあるから、ルクスが使った方が良いと思う」

「そうかな?じゃあ、取得するか」


 ルクスはスキルスクロールを開き、スキル【不屈】を取得した。


「じゃあ、地上に戻ろうか」

「「はーい」」


 三人は階段を上がって、地上に戻った。


「ルクスー」


 地上に戻ったルクスの元にアスターがやってきた。


「なんか、変な猫がいた」

「猫?」

「シアーシャが捕まえたよ」


 小妖精魔法だろう、シアーシャの横に白猫が浮かんでいた。


「「みーちゃん!」」


 ルクスとアラン、バートが声を揃えて白猫を呼んだ。

 この白猫はよくトアル村に遊びに来ていた白猫だ。

 そのとき、白猫が巨大化して大きな翼を持つ真っ白い獅子となり、喋った。


「我はみーちゃんではない」


 全員、目が点になった。


「喋った……?」

「うん、喋ってた」

「みーちゃん……」


 ルクスたちは戸惑っている。


「我は普通の猫ではない。神獅子だ」

「ええ……?でも、なんでいきなり喋ったの?」


 ルクスがそう問いかけると獅子はルクスの肩を指差し(?)た。

 そこにはルベウスがいる。ちなみに、反対側の肩にソルがいる。


「そこな龍に聞きたいことがあってな?」

「ふん、我に質問か」

「ああ、お前は神々を裏切ったあの龍王と同じ気配がする。何故だ?邪神の眷属だったはずのお前が何故、神龍になっている」


 獅子はそう言って、唸り声を上げた。


「ふん、こやつにテイムされて、邪神の眷属ではなくなったのだよ」

「なんだと!?この小僧が!?魔王だった頃のお前は相当高いレベルだったはず……レベル差がありすぎだ。テイムなどできる筈がない」

「分からんが、テイムされたんだよな」

「その、レベル差っていうのは?」


 ルクスは気になって獅子に聞いた。


「あ、ああ、ダンジョンの奥に邪神の眷属であったこいつが封印されていたことは知っているか?」

「はい」

「封印されていたこいつの本体のレベルは千はあるんだ。お前はレベル百くらいだろう?」

「ええ」

「ということは九百はレベル差がある。どう考えてもテイムは不可能だ」

「そう、なんですね?」

「だが、テイムできているんだな……」

「はい……」


 謎だ、と呟き、獅子は頭を抱えた。


「まあ、テイムできてるから良いんじゃないですか?」

「ふむ、そうだな。そうだ、我をテイムできるか試してみよ。何か分かるかもしれん」

「え、わ、分かりました。やりますよ?【テイム】」


 獅子は受け入れたらしく、眩い光を放ち、縮んでいった。

 そして、普通の猫くらいの大きさの幼い獅子となった。


[神獅子(幼体)を従魔にしました]

[神々が面白そうに見ています]


 ホログラムウインドウの文字を見て、ルクスは反応に困った。


「な、なななーー!?」


 いつかの幼い龍と同じ反応をした幼い獅子を見て、ルクスは苦笑した。


「テイム、できちゃいましたね」

「あ、ああ……もしかしたら、お前のテイムはレベル差があるとき、対象のレベルを代償にすることができるのやもしれん」

「レベルを代償?」

「ああ、だから、我はこんな幼体になってしまったのだ。絶対、そうだ」

「あはは」

「そうだ、お前、名は何と申す?」

「あ、ルクスです」

「そうか、ルクス、我に名を付けよ」


 そう言って幼い獅子は踏ん反り返った。


「お前、偉そうだな?我だって、この坊主のことをあるじと呼んでおるのに……」

「お前に倣う気はない」

「なんだと!?」

「はいはい、仲良くしてねー。じゃあ、君の名前はアルブムだ。古代ウェトゥム語で純白の光を意味する言葉だよ」

「ふむ、センスが良いな、気に入ったぞ」


 幼い獅子──アルブムの身体が一瞬淡い光を帯びたが、すぐに消えた。

 ルクスが鑑定すると、名前がアルブムに変わっていた。


【アルブム】

種族:神獅子(幼体)

性別:雄

年齢:???

レベル:50

???


 ???があるのは、アルブムが元々はルクスよりも高レベルだったからなのかもしれない、とルクスは思った。

 こうして、また、一匹、ルクスたちの仲間が増えたのだった。


「そういえば、アルブムはどうして白猫の姿でトアル村に遊びに来ていたの?」

「ふむ、ルクス、お前が垂れ流しておる神聖力を得るのが目的だったのだ」

「垂れ流してる神聖力?」

「うむ、お前の神聖力はすこぶる美味でな、何度も足しげく通ってしまったのだよ」

「ふうん?アルブムはどうしてトアル村の近くにいたの?」

「我がいた森には太い霊脈があった。力を蓄えるには絶好の地だった。まあ、そこな龍がテイムされた今では、意味がないことだったのやもしれんがな」

「え?」

「お前の肩に載っている龍の分身がスタンピードで出てきたときに、我が討伐する予定だったのだ。神々にそう命じられてな。だが、その龍がテイムされた今となっては、その命令も無効じゃ。という訳で、我は旨い神聖力を食べるためにルクスの従魔になったのだよ」

「……神聖力って、あんまり感じられないんだけど、どんな力?」

「そうさな、神聖力は光のようなものだから、大なり小なり、身体から漏れ出るのは普通のことだ。しかし、ルクスの神聖力は規格外の大きさでな、神聖力が光輝いているから、漏れ出る量も多いのだろう」

「へえー」

「垂れ流し続けるのも勿体ないから、これを使うと良い」


 アルブムはそう言って、透明な石が嵌められた白い金属の腕輪をルクスに渡した。


「これは?」

「昔、神々から下賜された神金鉱と神石をドワーフが加工して作った腕輪だ。神金鉱も神石も神聖力を吸収して蓄えることができる」


 ルクスは腕輪を嵌めてみた。力が湧いてくるような感覚があったので、鑑定してみた。


【神聖なる腕輪】

千億ほどの神聖力を吸収し蓄えることができる。

全てのステータスを向上させる効果がある。

蓄えた神聖力を使うことも可能。

サイズ調節の魔法が施されている。


「うん、ありがとう、アルブム」

「大したことではない」


 と言って、アルブムは踏ん反り返った。

 可愛らしい幼い獅子が偉そうに威張っていても、可愛いだけだった。

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