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カウントダウン間近マジか



「こういうことさ。僕に知恵を寄付した仁藤さん、あの人の正体こそが、神なのさ」

「え? え? そういえば、登場の仕方もなにもかも都合がよすぎた感じはいまさらながらにするわ。私と伊藤がファミコン好きで、ファミコンは世界滅亡につながると知っても臆することなくファミコンソフト消費に精を出していることを知ってたり、オペレーションウルフが、光線銃、はてはトラックボールに対応してたことも知ってたし、ブリーダーがロボット同士の対戦を見てるだけって知ってたのもおかしいと思ったわ」

「乗り移った神は、僕と工藤が都合よく、いけしゃあしゃあとファミコンソフトを織りまぜた小意気な会話をするたびに、億劫ながら、世界を徐々に破滅に向かわせてる……」

「わかるの? 実感あるの? 神が乗り移ってる実感がさ。ソードマスターをプレイしてても、なぜかリンクを操ってるように思えたり、和風RPGムサシの冒険をプレイしてても、ドラクエが頭をよぎったり、ガンナックをプレイしてるのに、後ろからザナックうまいねと声が漏れるようなもの?」

「まあそれに近い感覚さ、とにかく、ありえないほどの英智が体中に漲っているのをひしひしと感じるんだ」

「伊藤が神だとしたら、今度こそ復興させればいいんじゃないの? 神なんでしょ、それくらいできるでしょ? リセットした神を説得して、今の世界を元通り、ついでよりよい世界に元通りにできるずでしょ?」

「それが無理なんだ、体は同一でも、心は別。グラディウスの世界観を踏襲してるのに、シューティングじゃなく、本格シュミレーションのコズミックウォーズみたいなものさ」

「そうか、それじゃあ、乗っ取られる心配はないの?」

「それはわからない、その危険性も十分ありうるってこと。コズミックイプシロンが、いまさら、スペースハリアーにそっくりとセガに訴えられる危険性よりはあるってこと。でも、神を宿うことで、僕が、ファミコンソフト全網羅の前に、この世からいなくなる可能性は少なくなったともいえる」

「そっか、なにも、真っ先に、自分の居場所を破壊させることもないものね」

「僕は安全確保されて、工藤はどうか?」

「危険性はあるってことね、かぐや姫伝説の質素な画面ながらエッチな展開になってるところを、急に部屋に入ってきた母親に目撃されるくらいの危険性は」

「こわごわすることはないさ。僕と工藤は、覚悟ができてるはずでしょ? もはや、首都圏に僕と工藤以外の人の気配はしない。それでも、僕と工藤は気にしない。だって、ファミコンソフトを全網羅したら、この世に悔いは何もないんだよ。グランドマスターのゲー倫なるものが分からないモヤモヤ以外にはさ」

「でも、私は最後まで、伊藤とファミコンソフト全網羅したい。理想を言わせてもらうと、あの残り2本の段階で、私が先に死ぬ。その後を追うように、伊藤が最後のファミコンソフトを口走り、私の元に続けざまに旅立つ」

「理想、たしかに、それが理想だね。どっちかの消滅に、心を突き動かされながら、全網羅の残りをこなしていくよりも」

「最後にふさわしいソフトってなんだと思うの? 私はアイスクライマーかな、なんとまだ出てないのよ、知ってた? アイスクライマーなんて最後に飾るのにふさわしいとおもうわ。ファミコン初期らしく、単純明快なゲームデザインだしさ、それなりの知名度もインパクトもあるわ」

「僕は、ランバートを希望したい。いいじゃないか、洋ゲーでも、ファミコンなら日本製で締めろって、誰が決めた……というか、今、僕が、工藤が名前を出したせいで、最後のソフトになりえなくなったよ」

「あ、そうか、てへ」

「てへって、工藤のルックスでいわれても、さして心に響かないよ?」

「あ、やっぱり、仁藤さんのようなお姉さんが好き? あ、でも仁藤さんって神が模してた姿なんだっけ?」

「仁藤さんは、魔性の女だったな、対して、工藤は、魔鐘の女さ」 

「まあひどいわ、魔鐘の女ってどういう女よ、魔鐘をいくらプレイしても先に進めず、苛立ってる女?」

「というか、どうして、僕が思い浮かべた魔鐘の字が分かる?」

「伊藤の考える事なんてすべてお見通しよ」

「まるで、神のようだ。僕も神なら、伊藤も神なのかな」

「まあね、伊藤に対しては、神よりも理解してるつもり」

「神と神の戯れなら、誰にも邪魔されず全網羅できるんじゃないの? 神は神を殺しやしないだろうし、神は文珍殺しで、さんまの名探偵の犯人になりやないだろうし」

「そうかもね、うふふ」

 工藤は、いきなり、伊藤の腕にしがみつく。

「急になんだよ、誰か知り合いにみられたらどうする恥ずかしいなあ。地獄極楽丸くんとか、

「いいじゃないのよ、誰も見てないわ、だって、もうみんなこの世にいないんだもの、腕ぐらいくんだっていいワン」

「って、魔天童子の神犬ドドンパの口真似は辞めろよ、気恥ずかしい」 

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