表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/69

緊急解明

「なにか、よりズシリとした重荷を背負わされた感じだな」

「いいじゃないのよ、残り少ない人生、より多くの責務を担った方がより充実した余生が送れるわよ」

「余生ね、高校生の僕が、もはや余生なのね……」

「仁藤さんから貰った頭脳をフル回転させて、早く謎解きしなさいよ」

 工藤に急かされた伊藤は、崩壊寸前の壁に手を当てて、検証しだす。

「はいはい……謎、世界に最後に残された謎は、アトランチスの謎でなく、ファミコンソフトが世界崩壊につながる謎だったか……。というか、ファミコンソフト消費が崩壊につながる謎を解き明かす前に、どうして、世界は滅亡しなければならないか、まず、そっちを考えないと」

「まあ、さすが、仁藤さんが乗り移っただけに、理知的な意見だこと。アトランチスの謎は、ゲームクリアくらいじゃ、解明できないほど一筋縄ではいかない謎だけど、伊藤は謎を解き明かせるのかしらね」

「僕は思う。なにか、今の世界をリセットする理由があったんじゃないかと」

「どういうこと?」

「よくあるでしょ、組織の頭が変わると、組織自体リセットしちゃうのが。例えば、自分のデータを友達の家に持ち運べちゃうバトルスタジアム。超マイナーな野球ゲームバトルスタジアムの所有者がそうそう簡単に近所にいるのか、アホ、ボケ、カスって話は抜きにして、とにかに、データの所有者ってところに僕は注視したい。そのデータの所有者が変わるとすると、前のデータの所有者のチーム構成は完全に破棄して、自分の息のかかったチームカラーに塗り替えたくなるのが、人の性ってもの」

「だからどういうこと、それがファミコンソフトが世界滅亡につながらる謎の謎解きになるの?」

「世界の所有者が、僕は誰かから誰かに替ったの、僕は推測するんだ」

「世界の所有者? 誰よ、いったい、まさか、超人狼戦記ウォーウルフのDr.GORDON?」

「そんなわけないでしょ、神だよ、神。僕も工藤も宗教じみた話に興味はないけど、僕の中にいる仁藤さんが、微妙に宗教にはまりだしているらしく、世界を司る者が神と名称づけるのに、抵抗がないみたいだから、神と呼び名を定めるけど、とにかく、神が新しくなった、そして、新しくなった神は、自分好みの世界を構築するために、前任の神が作った世界を取り壊しにかかったんだ」

「それで、そのスイッチに、ファミコンソフト消費が選ばれたわけ? そんなまどろっこしいことしなくてもさ、神の力で一気にぶっ壊しちゃえばいいいじゃないのよ、ツインイーグルの戦闘機でも、エアーウルフのヘリでもなんでもフル活用してさ」

「そうだけど、そりゃそうだけど。もい、工藤が、一気にピーパータイム全50面を解けっていわれてもため息でるでしょ? 一気に解くモチベーションないのに」

「そりゃそうよ、パズルアクションの一気解きなんて、よほど気が乗らないと無理よ。レプリカートなんて、全300面もありやがるのよ、正気の沙汰じゃないわよ」

「そうそう、神だって同じさ、一気に世界滅亡は面倒だ。だから、決まりごとを作ったんだ」

「決まりごと? あ、そうか……」

「そういうことさ、ファミコンソフトが消費させるたびに、世界を滅亡させてくって決まりごとをね。これなら、一気に滅亡させる面倒くささもなく、ファミコンソフトが消費される度に、半強制的に滅亡活動をしないといけないから、モチベーションも保てることになる」

「でも、どうして、ファミコンソフト消費を選んだの? この世界には、いくらでもあるじゃないの、ファミコンソフト消費よりも、口に登りやすい話題が。たとえば、タイタニックの話題が登って、皆が映画のタイタニックの話題をするところに、タイタニックミステリーの話題をしだす猛者が出現するたびに地球を壊すとか、ムーンクリスタルのアニメムービーに心を奪われるたびに世界を恐怖に突き落とすとか、なんだっていいじゃないのよ」

「というか、工藤のあげる例も、例によってファミコン関連だけどね」

「それにしても、なんで、ファミコンソフトなの、神なら世界中が見渡せるはず、そのなかで、あえて、ファミコンソフト消費に眼をつけたのはどうしてなの?」

「なんだっていいから、ファミコンソフト消費でもいいんじゃないか。数々の事象の中から、ファミコンソフト消費が選ばれたのは、たんなる偶然、なにも神だけに、神仙伝にはまったから、ファミコンが目つけられたわけじゃあるまいし、とにかく、僕は偶然に帰す」

「偶然か……偶然選ばれたファミコンソフト消費、そして、消費のターゲットに選ばれたのが、私と伊藤。これおも偶然か、はたまた、必然かしら、まあ、帰り道にわざとらしく壁が建設されて、消費を促すメッセージがつらつらと流れるんだもの、これは必然と判断してよろしい? ドラゴンスピリットが、PCエンジンの移植の完成度に完敗してたくらいに」

「そうさ、必然さ。そして、僕が謎を都合よく解き明かしたのも必然なんだ、もちろん、仁藤さんが都合よく、僕に乗り移ったのも偶然」

「どういうこと?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ