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ビッグチャレンジ

「じゃあこれはどうかしら?」

 いい気になった工藤は次々とジャスチャーを繰り出す。工藤は息を思い切り吸うと、一気に吐き出す。

「ああ、毒霧ね。毒霧、ブロッケンJrの毒霧ね」

「よくわかったわね。キン肉マン マッスルタッグマッチよ。キン肉星王位争奪戦じゃないわよ。あの中途半端な時期に出して、何故かリンクの冒険に感化されて横スクロールアクションに手を出して、向かってくるキン肉星の兵士やら、地獄の番人たちをなぎ倒すなんて、意味の分からない続編と違って、マッスルタッグマッチはちゃんと超人プロレスしてるのよ」

「ジャンプ漫画、中途半端と来たら聖闘士星矢 黄金伝説もそうさ。コッチの方は、黄金伝説 完結編できっちりと落とし前を付けているけど、漫画ゲームは、漫画アニメが人気のあるうちに出さないといけないから、どうしても半端な形のモノを世にだしがちなのは分かるけどさ。まあ聖闘士星矢って漫画自体、ジャンプ本誌で完結出来ず、半ば追い出された形なんだけど。まあそれh置いといて、その分、ブームもタイアップも知った事ではない作品のゲーム化は恵まれてるよ。じゃりン子チエなんて、今更、どうして? ねえテツってな感じだけど、それだけに作りこんだものが出せる」

「まあじゃりン子チエを遅れて出すのはどうかと思うけど、かといって、今年はアメリカで大統領選挙がある、さあアメリカ大統領選挙って妙なフットワークな軽さもどうかと思うけれど、その辺微妙よね」

 工藤は普通に伊藤と会話のキャッチャボールをしているようで、その実、次なるジャスチャーをしているのだからたちが悪い。

 工藤は、突立気味の姿勢から右手だけを盛んに突き出す。

「へいへい、キャプテンシルバーでしょ? 魔城伝説II 大魔司教ガリウスと見せかけて、その誇張気味なほどの突立気味の姿勢から剣を突き出す動作を繰り返すのはキャプテンシルバーならではさ」

「う~ん。区別突きやすいように、あえての誇張だったのに、そこを突破口で当てに来たか。こしゃくね~」

「おいおい、ジェスチャーはいい加減にしないか?」

「どうして?」

「どうしてもクソも僕と工藤はどうやって壁を乗り越えるかを議論してたはずだよ」

「あ、そっか」

 と伊藤は説教しつつ、自分もジャスチャー問題を出したくてしょうがないようで、なにげに、説教の最中にジェスチャーを入れ込んでいる。伊藤のしたジェスチャーは、地面の方向に向けた30センチほど離した両手を何度も突き出している?、

「ビリヤード? 当時は空前のビリヤードブームだから、雨後のタケノコのように、ビリヤードゲームが出たわね。サイドポケット? ルナーボール? ルナーボールはゲーム性が強いから、サイドポケットかしらねえ」

「……」

「なに、そのつまらなそうな顔。ビリヤードなんてわかりやすいの出すから、すぐに当てられるハメになるんでしょ?」

「う~ん、なにか、気分悪いなじゃあこれはどうだ?」

 伊藤は、毅然とした表情で、利き手である右腕を下から上にすくい上げるように投げ下ろした。

「ボーリング? それともソフトボール? ボーリングならビックチャレンジ GOGOボーリング、パーフェクトボウリング、ソフトボール天国が該当するけどさ。下手投げだけじゃ分からないわよ、ズルイわ。それはそうと、ビッグチャレンジシリーズってのもクセモノね。ビッグチャレンジ! 柔道選手権にビッグチャレンジ! ドッグファイト スピリットにビッグチャレンジ! ドッグファイト スピリットよ。スポーツシリーズで一括りと見せかけて、柔道に、ヘリコプターシューティングに、ガンシューティングよ。同じジャレコの燃えろ!!シリーズには入れさせてもらえないい落ちこぼれ感が出てるわ。シューティングものはまだしも、柔道くらいは燃えろ!!シリーズに入れてあげてもいいんじゃないかと思うわ。と思ったら燃えろ!! 柔道WARRIORSなる柔道ものがあるのね。燃えろ!!プロテニスとか燃えろ!!プロサッカーのなんか竜頭蛇尾なネーミングセンスもどうかと思うけどさ」

「簡単さ。燃えろ!!シリーズはカートリッジ。ビッグチャレンジシリーズはディスクシステムなのさ」

「まあほんと」

 工藤は驚きで、思わず口を両手で覆う。

「これジャスチャーじゃないから無視してね。かわいい女子高生の愛しい仕草よ。メタルスレイダーグローリーのブリブリな女の子みたいでしょ、てへへ」

「……」

「しらけないでよ。てゆうか伊藤のしたジェスチャーはなんなのよ」

「……」

「黙りに黙りを重ねてなんのなさ。あ~もしかしてなんの意味もなく下手投げをしたんでしょ?」

「……」

「もうバツの悪い顔をしてさ。というか脱線しすぎよ。目的はなに? ジェスチャーにトリコになってる暇はないのよ」

「いや工藤でしょ……」

「もう言い訳はよしてよ。それより壁よ。壁の向こう側にどうしていかなければならないのかよ」



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