5 彼らも順調に育ってるようだ、何もいわなくてもやって欲しいことをやってくれている
帰還者が日本から飛び出した後。
残った者達は教えられた手順の通りに処分を開始していった。
超能力でクズを探す。
クズを洗脳する。
魔術印を刻んで魔力結晶精算器具にする。
被害者もいるだろうから、探して保護。
望むなら加害者であるクズへの復讐を果たさせる。
それで生産器具が減っても構わない。
復讐を、気持ちの整理をつけさせる事が先。
協力してくれる被害者には魔力結晶を使って超能力者にする。
そして仲間を増やして更に周辺地域を制圧していく。
大雑把に言えばこの通りになる。
あとは作業を繰り返してクズを始末していく。
加害者に生きてる資格はない。
危害を加えて被害者を増やすのだ。
生かしておくわけにはいかない。
仮に加害者が有能であってもだ。
特殊な知識や技術を持っていてもだ。
生かしておく理由にはならない。
どれだけ功績を積み上げようと、危害を加えた時点で生きる資格はない。
周囲に被害をもたらす存在なのだから。
歩く爆弾のようなものだ。
いつ爆発して周りに被害を出すか分からない。
そんなもの、見つけ次第処分するものだ。
必要なのは安全圏だ。
被害を気にせず生きていける場所。
そういうところで人は能力を最大に発揮できる。
危険など必要ない、あってはならない。
帰還者の協力者達はこの事を実感として理解している。
クズ共の被害という形を通して。
この為、加害者の狩り出しには積極的だった。
ようやく今までの鬱憤を晴らせると。
その勢いは大きく強かった。
帰還者が海外で核兵器の処分をしてる間に大きく拡がった。
日本国内の半分以上が制圧済み。
残る地域も着実に制圧されていった。
これに対して、加害者達の反発もあった。
テレビやラジオ、新聞にインターネット。
これらを通して反発が噴出していた。
曰く、
加害者と同じ事をしてどうする。
やってる事は危害を加えてるのと同じだ。
曰く、
復讐の連鎖を産むだけだ。
復讐は何も生み出さない。
曰く、
人を殺してるんだぞ。
良心が痛まないのか。
曰く、
報復や復讐ではない。
法律に委ね、公正な裁きをさせるべきだ。
このような戯言が出て来た。
ありきたりの御託だ。
クズの綺麗事、あるいは綺麗言といおうか。
欺瞞に満ちたデタラメである。
まず、加害者と同じ。
嘘である。
復讐は加害者がいるから発生する。
何の理由もなく危害を加える加害者と同じではない。
そもそも、加害者を生かしておく時点で加害者は利益を得ている。
悪さをしても損失を被る事はないのだから。
加害者は危害を加える事で利益を強奪している。
他者から奪っている。
この時点で加害者は黒字、被害者は赤字である。
全く釣り合ってない。
復讐の連鎖である。
そんなの、加害者を生かしておくから発生する。
加害者に同調する連中がいるから発生する。
加害者を擁護・守ろうとする者がいるから発生する。
なので、加害者とその同調者・擁護者をまとめて処分するれば良い。
そもそも、加害者が生きていなければ、存在しなければ復讐など発生しない。
加害者を放置している連中が悪い。
何よりだ。
復讐の連鎖とは何なのか?
被害者が復讐してその反発があるほうがおかしい。
加害者への清算を求めてるだけである。
それが復讐である。
これに反発することを復讐と言ってるようだが。
なぜ加害者の反撃が復讐になるのか?
八つ当たりでしかない。
復讐の連鎖になってない。
復讐の連鎖などという言葉が嘘でしかない。
そして、殺人だというが。
何が悪いのか?
人を殺す事が悪いのではない。
危害を加える加害者、悪人悪党を生かしておくのが悪いのだ。
こんな輩を殺してどうして罪になるのか?
もし悪人悪党を処分する事が罪ならば。
警察や刑務所、裁判所なども罪の対象である。
こんなもの糾弾してなくさねばならない。
これらは復讐を正当化しなければ発生しない。
個人で行うのではなく、社会が遂行するという形なのだから。
だが、実際にはやらない。
これらを存続させている。
この時点で復讐を悪事としてる方がおかしいのである。
そして、警察にしろ刑務所にしろ裁判所にしろ。
加害者を放置してるのだから何の意味もない。
求められる機能が発揮されてない。
それどころか加害者をかばう始末だ。
これは社会全体の問題でもある。
社会全体が復讐を否定している。
加害者の味方になってる。
それはそうだろう。
生き残った加害者が政治や社会の中枢を強奪してるのだ。
加害者に都合の良い社会を作るに決まってる。
のし上がれなかった加害者は底辺におちて犯罪集団になる。
代表的なのがヤクザやギャング、マフィアなどの暴力団だろう。
そうでなくても老害、パワハラ、モラハラなどの悪さを社会の中で行っている。
これらを徹底的に殲滅する動きは社会にない。
そして、こんな社会が作った法律である。
そんなものに任せる事のどこが公正なのか?
そもそも、裁判などによる処分の何が公正なのか?
これらに任せる事で何が良くなるのか?
加害者による加害者の為にあるのが法律だ。
そんなもの、加害者に有利なものにしかなってない。
これを公正だという考えがどこか歪なものだ。
そもそもとして、人が作ったのが法律である。
これに委ねて何が良くなってるのか?
もし良くなってるなら、なぜ今まで加害者がのさばってるのか?
被害者への補填はどのようになされてるのか?
なされてるなら、加害者がのさばってるわけがない。
被害者が泣くわけもない。
法律に委ねる、公正な裁きなどが幻想でしかない。
加害者の言い分け・建前というほうが正解だろう。
これが社会だという。
そんな社会など存続させる理由がない。
さっさと滅ぶべきだ。
社会の維持のために被害を受けてはたまらない。
加害者に怯える日々など御免である。
実害はないだろというのは加害者の戯言である。
存在するだけで脅威なのだ。
さっさと滅ぼしてしまうのが世のため人のためである。
まして社会は互いに助け合うものだ。
危害を加えられないよう生きていける場所のはずだ。
それが社会内部で危害を加え、あまつさえ加害者を滅ぼさない。
社会が存続する理由がない。
そんなもの、牢獄と何の違いもない。
しかも、無罪なのに危害を加えられてるのだ。
拘束されてるのだ。
自由を奪われてるのだ。
なぜそんな状態を続けねばならないのか?
まともな人間ならばこんなもの建て直すために動く。
そうしないのは、社会を成り立たせてる者達が既に狂ってるからとしか言えない。
社会が狂ってるとしか言いようがない。
そんな社会、さっさと壊してしまうしかない。
これ以上の被害が発生しないうちに。
帰還者が集めたまともな人間はそう考えた。
この大半が被害者だ。
当然ながら加害者を許すわけがない。
たとえ被害者でなくても、まともな人間なら現在の状態を良しとはしない。
さっさと改善改良を施す。
少なくとも、問題をそのまま存続させない。
さっさと抹消抹殺する為に動く。
ゴミを片付けるのと同じだ。
ほうっておけば病原菌の温床になりかねない。
汚れとは、最終的に人に危機をもたらす。
だから掃除するのだ。
これと同じだ。
人間だって危険をもたらすなら処分しなければならない。
しない方がおかしい。
今まではそれだけの力が無かった。
だが、今は違う。
帰還者によって与えられている。
ならばこの力を使って問題を破壊していく。
その方が簡単に事を進める事が出来る。
おかげで日本の半分以上を制圧出来た。
残りもいずれ綺麗に浄化出来る。
危害を加える人間が一掃され、過ごしやすい世界になる。
実際、制圧が終了した地域では問題らしい問題が発生してない。
多少の摩擦や衝突はあっても、ほとんどが事故によるものだ。
大きな問題になる事はない。
帰還者が戻ってきた時、日本はこういう状態だった。
あらためて手を付ける部分はない。
協力者達に任せておくだけで問題は解決していく。
こうなれば、日本で作業に従事している必要もない。
「じゃあ、世界を片付けてくるよ」
そう言って帰還者は再び海外へと向かっていった。
まだ手を付けてない場所を片付けに。
加害者がいまだに残ってる国や地域へ。
そこが終われば、もう作業をする必要もない。
ゆっくりとしていられる。
「あっという間だったな」
時間がかかると思っていたのだが。
予想以上に作業は進んでいる。
これなら早いうちに楽が出来そうだった。
その日を少しでも早く迎えるために、帰還者は世界へと向かっていった。
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