世界を旅する
初投稿です。
誤字脱字があればご指摘お願いいたします。
水滴の落ちる音が地底に反響する。
僅かに光がこの場所を照らす。
目の前には狼の形をした化け物。
『グルルルルルッ…』
神様…こりゃないでしょう!?
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エアコンがついた部屋、日が窓から差してくる。
その中で1人、パソコンと睨み合う人がいた。
『良いバイト、ねぇなぁ…』
男の名前は 天童 奏多
涼しい部屋で、夏にやるバイトを探している。
『できれば自分の経験になるような事で…それでいて割とお金がもらえるような仕事…』
そう呟きながら、バイト募集しているところを見ていると、気になったものがあった。
【暮らしを記録!生活をよくする体験もできる!良いバイト!】
と書いてあった。
『すっげぇ胡散臭いな…でも記録か…ちと気になるな』
バイトの詳細、と書かれているところをクリックした。
読み込みになかなか時間がかかっている。
【町で暮らしている人達と交流し、何か問題があれば手伝う、町の雰囲気、街の治安、街の利便さ、街の交通網、街の人々の特徴、そのような事を記録して弊社に報告してもらうだけです。
長期で町の記録を取ってもらいます。
交通費、食費、その他諸々の費用を弊社が待ちます。
応募サイトはこちら↓ 】
『ほうほう…長期か…でも交通費、食費とか持ってくれるのは嬉しいな』
よし、応募してみるか
と思い、応募サイトの方を押してみる。
世界が黒くなった。
真っ白な世界。
その中にポツンと、座っている…
『…ここどこ…?』
辺りを見渡しても、白い世界が広がっているだけ。
すると、真っ白い空間に、白く荘厳で、それでいて幻想的な扉が現れた。すると声が聞こえてきた。
『その扉に触れ、目を瞑り、扉を開けるイメージをしてください』
どこからか、声が聞こえた。
意味がわからないが、今やれることはそれしかなさそうだ。
奏多は立ち上がり、扉に触れた、そして目を瞑り、扉を開けるイメージをした。
すると…
『ウェルカム!マイホーム!君が応募した人かな?』
赤い髪、翡翠色の目、中性的と言えそうな人が出迎えてきた。
『えっと…ここは?』
辺りを見渡すと、他にも人がいる。
生活感が溢れる部屋だ。ソファーや、テレビ、テーブルなど、見覚えのあるものばかり。入る前の扉とは雰囲気が大違いだ。
『ここはねぇ…簡単に言うと、【天界】って、とこかな?』
天界?天界って天国みたいなものじゃ…?
『えっ、俺死んだんですか?』
『ふふっ、そうじゃないよ!』
出迎えてくれた人が、笑いながら否定する。
『まぁ、とりあえずようこそ、天界記録部へ』
他の人も頭を軽く下げたりして、俺のことを見ている。
出迎えてくれた人が
『とりあえず…自己紹介するか!』
と、笑いながら言った。
この物語は、まだ始まったばかり。
これから彼らがどのようになって行くのかはまだ、誰にもわからない。