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② 国債暴落の要因①前半 日本の政治は“利益者集団”のために行われている

質問者:そもそも思ったのですが、日本は国債をGDP比率で見たら世界で最も発行していますよね?

 GDP比率で国債残高が多いのはGDPそのものが伸びていないのも原因の一つとしてあると思うのですが、それにしてもどうしてこんなにも国民は豊かにならないのでしょうか……。



筆者:よく、MMT(現代貨幣理論)派閥を中心に「GDPギャップを埋めるだけの真水(税金で返済しない)の財政出動をすれば日本の景気は上向く」と言う話があります。


 確かに、それは一理あると思います。ですが現状の日本政府では真水での国債発行を行ったとしてもそれが金額の分だけ有効に働くとは思えません。



質問者:えっ……どうしてなのでしょうか……。



筆者:国債残高を見て見ますと2013年から始まったアベノミクスの「三本の矢」のうちの『異次元の金融緩和』により2012年に国債残高が700兆円だったのが2022年末には1000兆円を超えるようになりました。


 この間消費増税などもありましたが、税収を上回るだけの国債を300兆円発行しました。


 ところが日本国民の状況を見て見ますと、世帯別可処分所得中央値はこの10年で横ばい。30年で見た場合はマイナス100万円弱なんです。



 ※アベノミクスで雇用状況などは良くなりましたが、世帯の収入が増えなければお話にならないと考えます。



 これだけ資金を投入して10年で見た場合プラスマイナスゼロ程度ではお話にならない(日本のピークは96年の664万円)んです。


 GDPで見てもずっと横ばい。これだけ成長しないのは30年リビア・シリアなど内戦をずっとやっている国だけなんです。

 そして日本の内部での格差が拡大しているんですからどうしようもない状況です。

 経済格差による内戦が起きているのかもしれませんがね……。


 つまりこの10年の間に追加発行された300兆円分の国債は金額程は有効には使われなかったということなんです。



質問者:一体どこに行ってしまったのでしょうか……。



筆者:具体的には企業と高齢者と利益者集団に配布されました。


 如実に数字に表れているのは、家計部)が保有する金融資産残高の合計は2022年では2005兆円。2012年の1600兆円から400兆円も増えています。


 また企業の内部留保額を見て見ますと。2021年度の企業の内部留保が、金融・保険業をのぞく全業種で初めて500兆円を超え、10年でみた内部留保の増加率は約8割に上っています。


 でも皆さんの貯金がそんなに増えたわけではありませんよね? つまりこの3者にお金が集中しているのです。



質問者:確かに賃上げはここ1年で急遽言われていますけど、その前の10年間はベースアップとしてはほとんどありませんでしたね……。


 今の賃上げすらも物価の上昇程は上がっていませんし……。



筆者:これは、企業の株価を上げようとした政策がいけませんでした。

確かに、企業の業績がよくなければ給料の増額は望めません。

 しかし、企業の善意に全て任せ自発的な従業員への分配を企業が行わず、トリクルダウンは起きなかったのが真実です。


 企業のお金は配当が90年代の5兆円から今は20兆円を超え4倍以上になっていることから株主至上主義に完全にはまっていることも分かります。

 

 また、国債を買い受けている銀行は、ゼロ金利やマイナス金利であることから、海外に対して投資をしているのが実情です。せめて日本に対して投資をしやすいようにするべきで、更に言うのなら積立NISAの金融資産非課税は国内投資のみにするべきだと僕は思いますね。

(今の積立NISAが主要に投資しているS&P500などはほとんどはアメリカ株で構成されています)。



質問者:なるほど……海外にもお金が流れていってしまっているのですね。



筆者:ええ。また、高齢者は自らお金を稼ぐことができないですから、もはやお金を多額に使う気力というのもありません。

 ですが、日本は民間個人消費でGDPの5割の経済を支えているので、若者にお金を配布していかないとGDPは伸びないのです。


 しかし、選挙で勝つことのみに焦点を当てるのだとするのならば、一番票を持っている「高齢者優遇政策」を続けることが最適解なのです。


 

質問者:なるほど、かなり歪んだ構造が日本が成長できていない要因なのですか……。



筆者:ええ。本来であれば、貧困対策を行うことがGDPにとっては良いのです。

高齢者の社会保障費を削ってでも逆進課税である消費税や、現役世代の社会保険料などを下げるべきなのですが、貧困者に対しても均一にやったことと言えば「消費税増税」とむしろ逆の事なわけなんですね。


 稼いでも稼いでも所得税や社会保障費も増えていくので、頑張りが正比例していかないと報われない感じがありますよね? 

滅茶苦茶稼いでいたら逆に税金の上限に当たりますけど、普通の一般庶民はそこまで稼ぐことは出来ません。



質問者:最近ようやく話題になりましたが配偶者控除の「130万円の壁」についてもやはり上限を上げないと主婦の方々は働いてくださいませんよね。



筆者:そうですね。今の130万円と言うのは時給が600円代だった時代ですから「250万円の壁」ぐらいにしておかないと時代にそぐわないと思いますね。


 現時点の公明党案ではありますが130万円の壁について“給付金で対応”と言う謎の方法で行おうとしています。

 搾取して配ることによって政府に依存させることが「作戦」だと思います。


 こういう表現をしてしまうと政府を信用していない売国奴だといわれてしまい兼ねないのですが、本来の役割を果たしているとはとても思えないので、利益者集団と高齢者に配ることばかりを考えずにもっと国民の生活をもっと考えて欲しいですね。



質問者:確かに、苦しんでいる人はコロナ以降ドンドン増えている気がしますが、

 抜本的な解決には何もなっていない気がしますね。



筆者:次に具体的に今の政策はどこが悪いのかについて見ていきます。

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