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⑭ 実物資産の魅力

筆者:最後に日本硬貨について見ていこうと思います。



質問者:硬貨にすることって意味があるんですか? 紙幣の新発行と同じタイミングで切り替わってしまうのでは?



筆者:その可能性もゼロではありませんが、実を言いますと紙幣と硬貨は法律根拠や発行元が違うのです。

 

日本銀行券(いわゆる紙幣、お札)は、「日本銀行法」第46条第2項で「無制限に通用する」と規定されています。

日本銀行が発行することを許可し、発行先は独立行政法人国立印刷局が行っています。


一方、貨幣(いわゆる硬貨)は、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第7条で「額面価格の20倍まで」を限度として通用すると規定されています。

 その上で発行しているのは財務省が許可し、造幣局が発行しています。

 

 

質問者:なんと、発行元が違うだけでなく規定されている法律まで違うのですか……。



筆者:そのために一律で財産没収が適用されない可能性もあります。


同じ見方で行くのであれば2024年の円切り替えの際に2000円札は切り替え対象になっていないので、2000円札を貯めるのもありかもしれませんが――流通枚数がかなり少ないので手に入れることすら困難なのが現実ですね。


そうなると500円玉を貯め込むというのが現実的かなと思いますね。

500円玉は燃えにくいので耐火性能にもよく災害耐性もあると言えるので家に置いておく分には良いでしょう。



質問者:しかし、せっかく貯め込んでもハイパーインフレで価値が無くなる可能性もあるんですよね?



筆者:その可能性はあります。ですが、海外脱出をしないで日本で生活していく以上は円

を使うことになるんです。

 海外に拠点を構えれば確かに日本の預金封鎖に対しては強くなりますが、他のリスクが付きまといますからね。


 ここまで色々な財産保全策について見てきましたが、実を言うと預金をゼロにしてしまうのも問題があります。



質問者:え……どうしてでしょうか?



筆者:と言うのも預金封鎖や財産没収が行われても最低限の生活費は銀行から下せると言った預金封鎖のケースも多いですし、普段のクレジットカード決済などは直接預金口座から引き落とされると思うんです。


 ですから、半年分ぐらいの生活費は常に預金に入れておかないとむしろ“預金封鎖が来なかった場合のリスク”と言うのに引っかかってしまうんですね。


 家賃・光熱費・電話代・食費・クレジットカードの引き落としの合計の6カ月分ですので皆さんのご家族の人数にもよりますが100万円ぐらいあれば余裕だと思います。



質問者:確かに月々の携帯電話代金や光熱費の支払いまでもが引き落とされなくなったりしたら問題ですね……。



筆者:そんな中500円玉で持っておくことに僕は注目したわけです。

 ただこれは結構貯めるのが手間がかかったりして大変です。

 というのも、お釣りで500円玉を貰ったり預金から引き出す際に500円玉を中途半端に引き出すなどの工夫を凝らさないと中々溜まっていかないのです。


 特に今はキャッシュレスが進んでいますから尚更、意識していかないと難易度が高いと思います。


 ということで、500円玉で貯めるという行動は対財産没収C 対リスクBぐらいな感じかなと思います。



質問者:では、これまでの財産没収対策のまとめをお願いします。



筆者:僕の評価をまとめさせてもらいますと、

〇外貨        対財産没収S 対リスクB

〇仮想通貨      対財産没収S 対リスクD

〇ゴールド・プラチナ 対財産没収A 対リスクA

〇貴重な品      対財産没収C 対リスクC ※ただしモノによる 

〇不動産       対財産没収A 対リスクA

〇備蓄品       対財産没収S 対リスクA

〇500玉硬貨    対財産没収C 対リスクB


 これを分散させることが大事です。

 詳しい理由やそれぞれのメリットとデメリットは各項目を遡ってご覧ください。



基本的にこれまで読まれていって薄々は分かっている方もいると思うのですが、

 僕が重視しているのはこの評価項目以外ですと“現物資産“であるということです。


 なぜならば、そもそも“お金“というもの事態が虚構の産物に近いです。

 詳しくはユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』を読んでいただければ分かると思います。


ともかく、お金と言うのは虚構の価値観を皆で共有しているに過ぎないからです。



質問者:なるほど……より実用的でリスクが少ない資産にした方が良いと言うことなのですね……。



筆者:あらゆる危機を想定してもそれを超えるだけの出来事が起きる可能性があります。

 データ上の数値はある瞬間から消し飛ぶ可能性があると思っています。


 しかしながら、現物で“実際に持っている”というのは虚構ではありません。

 勿論その価値を他者から判断され変動していくと言うことはあると思うのですが、

 預金のように“数字としてあるだけ”と言うよりかはよっぽど頼りになるのではないかと僕は思うんですね。



質問者:ということは、筆者さんのおすすめランクと言うのは先ほどのリスク耐性などとはまた違ってくると言うことになりそうですね?



筆者:そうですね、僕が投資するべきだと思う優先順位としましては

 半年の生活費を常時確保した上で、最優先は備蓄品、同時に徐々に500円玉を貯めていき、それでもお金がある方は不動産やゴールド・プラチナ、外貨預金などに移行していく形が良いのかなと思いますね。



質問者:やっぱり今の生活が大事と言うことですね。



筆者:基本的には財産没収は起きない可能性の方が高いです。

 ただ、財産没収は”ある日突然“やってくるんです。

 不意打ちでやらなくては政府としても意味がありませんからね。

 今は“有事“であるか若しくは”有事が近い“と言うことを自覚して徐々に備えていくことが大事になると思います。

 


質問者:財産保全策の中に株式投資などがありませんでしたがどうしてでしょうか?



筆者:株式に関しては“現金で持っているよりはマシ“ぐらいの評価ですかね。


なぜなら、会社の業績に関してはちょっとのことで乱高下してしまう世の中だと思うからです。

 これまでの業績が良かったとしても、先行きが見えない世界情勢から一気に業績が傾く可能性があります。


 また、いかに好調な業績だったとしても“粉飾決算”だったりすることもあり得るからです。

 そのために国内外の株式に関しては、よっぽど信頼性のある情報ではない限り投資するべきでは無いと僕は考えます。


 

質問者:株式投資と言うとS&P500などが推奨されていることが多いですけどアレについてはダメなんですか?



筆者:僕も以前はお勧めでした。ですが、アメリカのシリコンバレー銀行の取り付け騒ぎの問題が出てからS&P500すらもアテには出来ませんね。

 S&P500はアメリカ株が中心になっています。ブロック経済が進行し、ドル経済が脆弱化していく可能性もあるので、銀行破綻が無くとも株価が伸びない可能性があります。


 最悪のケースとしてアメリカ株が同時暴落と言った事態になった場合にはもう株式の分散投資をいくら行おうとダメですからね。



質問者:なるほど……。



筆者:まぁ、これは皆さんのリスクに対する重要視次第だと思いますので、

 S&P500が株式の中で一番マシな投資方法なのは間違いないでしょう。


 ただ、株式そのものが怪しいのではないか? と言うのが僕の考えです。



質問者:確かに、どうしてそんなにも株価が上がったり下がったりするのかよく分かりませんものね。黒字決算発表後に株価が下がったりすることもあるようですし……。



筆者:そうなんですよね。実体経済を伴っているのでしたら良いのですが、どうにも“株価“そのものが疑問が出てきたのが最近の僕の考えですね。


 では最後に財産保全策以外で日本人が出来ることと政治家の本来あるべき姿について考えてみたところで本稿を終わらせたいと思いますね。

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