① 戦後に起きた供給不足による預金封鎖
※本作品は不安を煽るために書いているのではありません。
歴史的に起きたことを踏まえて、その可能性について探っていき、もし起きてしまった場合にはどうすれば良いのかについて考えていく「考察型エンタメ」と捉えて下さい。
よろしくお願いします。
質問者:今回のタイトルはかなり物騒ですね……。いや、何かについて指摘するときのタイトルもかなり刺激的なモノが多いですけど……。
筆者:今回の項目は正直なところ、起きるかどうかかなり怪しいですし、噂の域も出ないこともあるので、『都市伝説』の項目でお伝えしようかと思ったんです。
ですが、過去にも日本で起きたことでもありますし、現在の政治や経済など色々なことと遠くでは繋がっていますので短くまとめることが難しいのでこうして一つエッセイとして項目を作ってみたわけです。
質問者:なるほど……。このタイトルにあるような預金が消滅するだなんて事態が本当にあったんですか? 海外の発展途上国では破綻などはあり得ますけど日本では考えにくいです……。
筆者:僕も最初は信じられませんでしたが、実際には日本においてもありました。それは第二次大戦で敗戦した直後です。
預金封鎖、財産税、通貨リセットこの3つが昭和21年2月17日に同時に法律が制定・施行が起きたことから当時の誰にも対策は不可能でした(以下この3つをまとめて『財産没収』称して扱います)。
あの当時においては、外地から日本兵の方々が帰ってこられたにもかかわらず、日本全国が空襲などにより生産能力が壊滅的な状況でした。
そのために月の物価上昇率が100%に達するなどハイパーインフレが起きている状況だったんですね。
そのため政府としては通貨価値を担保することができず、財産没収をしなければ不平等感が残ってしまうのですね。そのために財産税や通貨の新発行を行ったのです
さらに今までの旧紙幣の使用を禁止され、旧紙幣に印紙を貼った新円だけが使用を許されることになったようです。
旧紙幣の預金は完全に封鎖され、新円のみを世帯主が当時の金額にして300円、家族が100円しか出金することができませんでした。これにより、いくら旧紙幣で預金してようがその資産はほぼゼロになり、政府がコントロールした額のお金しか手にすることができなくなったのです。
今のお金で体感して見るとこれまでの1万円札は新紙幣では1000円としか交換できないという状況になり、預金されている通帳からは9割が課税されるということを想像してみて下さい。
これが戦後直後の日本史に刻まれた多くの日本人が知らない真実です。
質問者:もう80年も前の出来事ですから当時のことを覚えている方もかなり少なくなっていますからね……何だか実感も湧かないです。
筆者:そうですよね。僕も当たり前ですが、第二次世界大戦のことは教科書や文献の範囲内でしか分かりません。
ですが、確実に歴史としては起きた出来事ですし、今生きている方が遥か昔であるにせよ体験したことですから、全く無視できないことだと思うんですよね。
ここで注意して欲しいのは戦時国債を発行し過ぎたことによる国債残高が積み上がりすぎたから財産没収が起きたのではありません。
極端な供給不足が起きたために異常なまでのインフレが発生してしまったことが原因です。
今の財政破綻を唱えている人たちはここを勘違いして「戦後の財産税は戦時国債を発行し過ぎたせいだ!」と言う論調を述べています。
確かに結果的には戦時国債を財産没収で返済をしたのですが、直接の原因は生産力不足によるインフレです。これを読んでいる方々だけでも勘違いして欲しくないですね。
質問者:そもそも筆者さんは日本の国債が破綻することはあり得ないと兼ねてから他のエッセイなどで唱えられているではありませんか?
それにも関わらず2024年に財産没収などあり得るのですか? 24年だなんて来年ですよ?
筆者:確かに、今の状況が続くという前提に立った場合には日本国債が破綻する可能性はありません。
しかしながら、第二次大戦直後のハイパーインフレに近い事と言うのは台湾有事などによって物資の輸送が滞った場合ではあり得ます。
特に今の日本は海外に農産物を大きく依存しているので、供給不足を是正するための通貨リセットの可能性は全く可能性が無い事ではありません。
また、国際的には日本国債の価値を「紙屑だと評価する可能性がある」上に「日本の予算の使い方が怪しい」のは間違いないためです。
そのために日本国債の構造を無視した上での「強制的な日本国債デフォルト」というのがあり得ると言うことを申し上げているんですね。
これについてはのちに詳しく触れていきますね。
ここでは一例ではありますが、紹介させてもらいますと、
新型コロナ対策の予算のうち12兆円が使途不明になっている状況などをもっとマスメディアも国会も追及して欲しいのに全くしてくれませんからね。
報道をしてくれなければ一般国民に問題提起すらされないので、自浄作用すら怪しいというのがこの国の実態です。
質問者:確かに、一体何に使っているんだという感じはありますものね……。
財産没収が起きる具体的な条件みたいなものはありますか?
筆者:これは僕なりに全力で調べ上げたことで一定以上の自信はありますけど、
あくまでも僕は一般人ですからね(笑)。その点を考慮して差し引いて参考程度と思って見て欲しいと思います。
日本の2024財産没収リセットの条件
1 国債を今以上に大量に発行せざるを得ない状況になる(震災や戦争などの臨時出費が嵩む)
2 対外貸付が貸し倒れが相次ぎ、日本の対外資産が極度に減少する。
3 国債の価値が海外から見た場合、極端に低くなったとみなされる(実際そうであるかは別)
4 ハイパーインフレ(最低でも年10倍の価格になる)となり、ほとんど誰もが財産を持たなくなる
質問者:臨時出費については地震などのリスクは常に日本にありますからね……。
対外資産は世界一と言う話を聞いたことがあるのですがそれは貸し倒れる可能性はあるのですか?
筆者:23年1月19日の日本経済新聞の「新興国に広がる債務危機、IMF支援残高最大 G20が協議」と言う記事によりますと、
『債務破綻の危機に直面する新興・途上国が増えている。国際通貨基金(IMF)による財政状況の厳しい国への支援残高は過去最大になった。主要国の利上げの長期化で債務負担が膨らみ、低成長も影を落とす。20カ国・地域(G20)は23日から開く財務相・中央銀行総裁会議で対策を協議する。』
とあります。スリランカのような中国からの極度の債務を抱えている国と言うのは世界で数多くありますので連鎖的に国家が破綻するという可能性はあるのです。
質問者:それで、そもそも思ったのですが、どうして2024年に財産没収があるとされているのでしょうか?
筆者:大体80年周期で国からの財産没収が起きているんです。
〇1708年 宝永富士山噴火を受けて、災地復興の基金「諸国高役金」として、全国の大名領や天領に対し強制的な献金(石高100国に対し金2両)を命じる。
〇1789年 江戸幕府が棄捐令を出し、債権者(商人)に対して債権放棄をさせる。
〇1868年 明治維新による通貨リセット。
〇1946年 第二次世界大戦後の財産税・預金封鎖・新紙幣移行。
というような感じです。2024年上旬に新紙幣になる――しかも紙幣全ての肖像画までも替わると言うことで、旧紙幣との差は一目瞭然になります。
そのことから一部ではまことしやかに囁かれているというわけです。
質問者:なるほど……ところで思ったのですが、この財産没収を筆者さんは望まれているんですか?
筆者:勿論財産没収など望んでいません。新紙幣になった段階で何も起きずに僕のことを“危機を煽った奴め! ハハハ!”と笑い飛ばしてくれるような世界の方が良いに決まっています。
ですが、今の世の中目まぐるしく世界が動いていますから、何が起こるか分かりませんからね。
皆さんにとっても全く知らないでその日を迎えるのか? それとも知っていて何らかの対策を行うのかでは全く違うと考えているので、今回はそのことについてお話ししようと思っているわけです。
では、次の項目では『日本国債が紙屑と評価される可能性』について見ていこうと思います。