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第二話:それぞれの気持ち




段々と視界が

はっきりと

してきている。



「ぁれっ?

ここ…どこ………」


あたしの声と共に

廣田と海音、光希

真希奈がものすごい

迫力でバッと

近づいて来た。


「真希奈…?」


あたしは

まだ完全に

出しきれていない

かすれた声で

真希奈の名前を

発した。




「美岬っ………

良かっ…たぁ……」


そう、言うと

真希奈は床に

座り込み

声を上げて泣いた。





そっか…

あたし、腕怪我して

病院に居るんだ。


「あっ、そういえば

笹谷のお母さん

今さっき帰ったよ」


廣田が

そう、教えてくれた。


「うん。

ってか、光希と

真希奈仲直り

したわけ?」


「おぅ、

俺が仲直り

させたからっ。」


そう、言うと

廣田は光希の

肩をグイッと掴むと

手でブイサインを

つくり笑った。


「はぁー…あんな

つまんねぇ事で

喧嘩して何で

うちがこんなめに

あわなきゃ

いけないわけ?!」


少し怒り気味で

問いただした。


「だってよーっ!…」


光希が最後まで

言い終らない内に


「てめえも

言い訳してんなよ!

お前等がつまらねぇ

喧嘩すっからだろ」


廣田は大声を

あげた。

病室はチラチラと

廣田を覗く人が

いる。

真希奈と光希は

小さくなり

反省していた。



「すいません」


二人は声を

揃えて謝った。



病室は

静まりかえった。

その時

『ガラガラガラ..』

と静かに

病室のドアが開いた。



みんなは

一斉に目をやる。

入って来たのは

先生(医者)だった。



先生はゆっくりと

こっちに向かって

来て目の前で

止まると口を開いた。


「美岬さん、

ご本人だけ着いて

来てもらえますか」


あたしは、先生の

指示に従って

一人で病室を出て

先生の後に

着いて行った。






診察室に入った。

何となく嫌な

予感はしていた。





先生が椅子に座り

あたしも椅子に

座った。

真剣に色々な資料を

見ている先生の

表情がどことなく

不安を感じさせた。



クルッと

椅子ごとあたしの

方に向けて

話し始めた。


「調子は

どうですかっ?」


「普通です」


先生の問いに

あっけなく

答えた。


「そうですか。

先程お母さんにも

言っておいたの

ですが美岬さんが

腕を怪我した時

大量出血だと友達

から聞きました。

えー、っとですね

その時にバイ菌が

入ったようで

さっきバイ菌を薬で

出来る限り殺菌

しましたが

残ったバイ菌が

転移してました…」



その、言葉を

聞いた瞬間、一瞬に

してあたしの

思考を止めた。



えっ?転移?

何それ?

意味分かんない。ってか何で?

転移したら

どうなるのっ?

あたしは死ぬの?


脳の中は

色々な疑問だらけで

あたしは混乱

していた。

そんな中



「でも、

大丈夫ですよ」


先生の言葉で

脳は現実へと

引き戻された。


「えっ?なにが..?」


「美岬さんの場合

早期発見だったので

1、2週間入院して

二回手術をすれば

治る確率は

90%ですので」


先生の言葉で

あたしは安心した。

ってか安心するのが

当たり前だけど。


「では、お母さん

には後で一緒に

話しましょう」



あたしは

一言お礼を言うと

診察室を出た。










「おっ。

戻って来たぁ♪」


あたしが

病室に戻るなり

真っ先に真希奈は

近寄って来た。


「どした?」


「あのねー

今、光希の好きな人

について

語ってたんだぁ」


あたしは一瞬だけ

光希に目をやった。




すると光希は

すごい照れたように

うつ向いていた。


「マヂでー!?

だれだれー」


恋ばなはあたしの

大好きな話題。

だから、くいつかない

訳がない。


「えーっとねー…」


真希奈が

言い終わらない内に


「だぁーっ!!

絶対言うな!!!

言ったら殺す!」


光希は物凄い

スピードで

口止めをしている。



「光希の好きな奴

お前だよ」


突然、耳元で

小さく呟かれた

廣田の声に

驚きを隠せなかった。






えっ?

あたし?

いやっ、ないない。

だって今まで

仲の良い男友達と

して接してきた。

光希もきっと………

いや、絶対に

そう思ってるよね?




「ま、まぁいいや!

また、気が向いたら

この話ししよ!ね?

あー、何か

腕痛くなってきたー」




今、廣田から聞いた

言葉をあたしは

空耳であるように

必死で笑って

ごまかした。










「じゃあ、ばーぃ!

美岬、元気でね!

また明日来るから!」


そう言って、真希奈

海音、光希は病室を

出て、帰って行った。



廣田はあたしが

寝るまでついている

と、言ってくれた。

こういう所が

廣田の優しさ、

何だと思う。




窓を見ると

薄暗い空色に

オレンジ色の夕日が

おちかけていた。

あまりにも、綺麗な

景気に数分

見とれていた。




「超、綺麗

じゃなーいっ??」


廣田に問いかける。


「そうか?」


返ってきたのは

たった三文字の

返答だった。


その、返答に

一気に雰囲気が

崩された。




「ちょっとーっ!

何で、こぅっ..!

いつも、いつも...

雰囲気を崩すの!?」


「だって

分かんねーもん。

女の思う綺麗と

男の思う綺麗は。

夕日は………………

綺麗だけどよー

そこまで、

見とれねーしっ」


素っ気なく答えると

廣田はあたしから

目を反らした。



何なの?!

こいつ!!

むかつくっ!!









病室は沈黙に包まれた。



「なぁっ..」


沈黙を破ったのは

廣田だった。


「何?」


「あのさー、

お前って光希の事

好きなの??」


はっ?なにそれ。

何、君に。


「何で?」


「だって、お前

さっきから光希と

話す時だけ

照れてたじゃん」


「そりゃぁ、

廣田からあんな事

聞けば、少しは

意識すりでしょっ」


「ふーん…」


「あ、あんたは

好きな人とかいないの」


反射的に出た言葉。

でも、この時から

あたしの、気持ちは

あいつに傾いてた。


それを、知ったのは

とても、後の事。








今でも、あたしが

小6の頃の好きな人は

鮮明に覚えてますネ。


ほぼ毎日、一緒に

いました。



小6に戻りたいです;-;

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