とある世界の対悪魔兵器の製造方法(第9.9.9版)
この世界には悪魔が実在している。異次元から襲来する彼らを祓い、退けるためには聖別された武器が必要となるのだが‥‥この世界における聖別というのはとにかく金がかかるのだ。
例として、対悪魔武器として最も人気の高い銀の弾丸の作り方を紹介しよう。
まず、弾丸を用意する。なるべく沢山の銀の弾丸だ。
そして、形や艶の良さそうな気がする弾丸を1つ選び、他の弾丸を全て捨てる。
こうすることによって選ばれた弾丸には「捨てられなかった、選ばれた弾丸である」という情報が追加され、若干の対悪魔効果が付与される。
このように、物体に情報を与えるプロセスを聖別と呼んでいる。
この世界における情報量が多く、情報密度が高い物体は異次元の存在である悪魔に対して侵食されにくく、効果的にダメージを与えられるようになるため、このような手法を通して物体に情報を与え、悪魔を祓う武器としているのだ。
もちろん、聖別はもっと違う手段であっても行うことができる。
悪魔を数十体祓い退けたサーベルや、伝説的な祓魔師が愛用したリボルバーなど、伝説が残る武器にはより強い対悪魔効果が付与されていることを応用し、擬似的に伝説を生み出し、強い聖別を行う手法も開発されている。
まあ、そちらはかなりえげつないやり方なので紹介はしないでおこうと思う。その方法を知っている人間が増えると聖別の強度が下がってしまうしね。