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骨2

 「料理しているところを見せて欲しい」とマーヤが言うと、族長の妻がマーヤを案内してくれた。


 マナリ族は20名程度の小さな部族。案内されたのは部族皆で使用するという調理場のスペースだった。


 石造りの竈。綺麗に並べられた刃物の類(鉈やナイフ)。


 スペースの隅には、天井からつるされた肉の塊。その下には綺麗に洗われた骨の束。


 壁際に大きな壺がならんでいる。保存食が入っているのだろうか?


「客人なんて本当に久しぶりよ。私はナルルっていうの、アナタの名前は?」


「アタシはマーヤ。世界中のグルメを制覇するために旅をしているんだ」


「食事のために旅を!?まぁ、本当に変わった人」


 ナルルはコロコロと可愛らしく笑いながら、料理の準備を始める。


 鍋にたっぷりの水を入れて火にかける。

その間に綺麗に洗われた動物の骨を何本か取り出すと、ひょいと火の中に放り入れる。


「”骨喰い”なんて呼ばれているけどね、別にアタシたちは骨をメインの食材にしてるわけじゃないのよ。野菜の類はほとんど取れないから、メインは動物の肉ね」


 と、ナルルは説明しながら、つるされている肉の塊を一つ下ろし、鉈を使って豪快にカットすると、それを鍋の中に放り入れた。


 味付けはシンプルに塩のみ。それはマーヤにかつて仲間と共に食べたサバイバル料理を思い出させた。


「悪いけど、あんまり大したものは出せないわよ?塩水でで煮込んだ肉と、骨の丸焼き、後は……」


 ナルルは思い出したように、部屋の隅に並べられている壺を一つ持ってくる。


 蓋を開けると、中から何か腐った肉のような酸っぱい匂いが鼻を刺激した。


 表情に出ていたのだろうか? マーヤの顔を見てナルルは笑う。


「すごい匂いでしょう?でも慣れると美味しいわよ」


 そういってお玉ですくって内容物を木皿に盛り付ける。


 赤黒い、ドロリとした物体。酸っぱい匂いが鼻につく。


「ヤックというの。獲物の内臓を発酵させた食べ物で、うす味のスープによく合うわ」


「内臓を……発酵!?」


「ええ、いくらかは新鮮なうちに焼いて食べちゃうんだけど、ヤックにすると長期保存ができるの」


 内臓を使った料理というものは、別に珍しくはない。


 しかし、それを発酵させて長期保存するなんて、聞いたことが無かった。


「骨も良い感じに焼けてきたわね……、さて夕食にしましょうか」


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